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Good meal! オンラインイベントレポート 【Vol.2「料理とおはなし」でネパールの家庭料理を学ぼう】

11月6日(土)に行われた“Good meal! オンラインセミナー Vol.2「料理とおはなし」でネパールの家庭料理を学ぼう”の様子をお伝えします。

会場となったTIFAカフェ・サパナは、大阪府豊中市にあるカフェ&交流スペースです。

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こちらでは「日本で暮らす各国のお母さん(お父さん)」が作る「母国の家庭料理」のランチを日替わり、国替わりで楽しめます。
この日はシェフ担当のバティさんとススマさんの作られたネパール料理「ダルバート」を頂きながら、ネパールの食文化についてに伺いました。

当日運営スタッフが会場に入ったのが10時。
この時すでに撮影配信スタッフが準備を進めており、店内には撮影機材がずらりと並んでいました。お店のほぼ半分が機材で埋まっているような状態でお店の方もこんなのは初めてだと驚いておられました。ただ、遊びに来ていたススマさんのお子さんは機材に興味深々。最終的には配信スタッフとして活躍してもらうまでに。私たちも頼もしいスタッフが一人増え、彼にとっても楽しい一日になったようでよかったです!

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一方、この時キッチンには大量の野菜が準備されていました。
ここからその大量の野菜を洗って皮をむいて刻んで…。料理ができるまでシェフのお2人と手伝いに入った運営スタッフ2人、合計4人で2時間かけて調理をしました。
ネパールの家庭料理には野菜をたくさん使うため、ネパールの家庭では調理そのものよりも野菜の下処理に時間がかかるのだそうです。
そこで、ススマさんに毎日ネパールのお母さん(お父さん)はこの作業を一人でするのかお聞きすると、ご家族と2人でなど、複数人で分担して料理をするとのことでした。さすがに毎日一人でするには大変な作業なので分担して調理すると聞いて安心しました。

さて、時間をかけて丁寧に作った「ダルバート」が出来上がりました。
「ダル」は豆、「バート」はお米という意味なのだそうです。日本でいう定食のようなものでお米とスープ、カレー、浅漬などがセットになったネパールの国民食です。
今日のダルバートの内容は、
・バスマティライス:細長いネパールのお米をギーとターメリックを入れて炊いたご飯
・ダールスープ:皮をむいてあるレンズ豆、オクラやにんにくの入った優しい味の具だくさんスープ
他に、マトンカレー、野菜カレー、アチャール、ターメリック卵、食後のチャーとデザートのラドゥでした。

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メニューを構成するおかずや調味料は初めて食べるものが多く、それについてもお2人に伺ったので少しご紹介します。

バスマティライスを始めデザートのラドゥまで、色んな料理に使われていた調味料(油脂)に「ギー」というものがありました。ギーはバターを炊いて作られる、純度の高い高級なバターなのだそうです。バターよりもくどくなく頂け、香りのよい油という印象でした。
「マトンカレー」は特別な日に食べるものなのだそうです。
実は当日はネパールのティハールというお祭りの日でした。兄弟を大事にするお祭りで、ネパールでは朝からお姉さんや妹さんが、お兄さんや弟さんをオイルでマッサージしたり髪を整えたり大好きなメニューを作ってもてなしたりプレゼントを贈ったり…と、一日中大切にして一年を健康に過ごせるように願いを込めるのだそうです。頑張ったお姉さんや妹さんはお金をもらうのだとか。
そんなお祭りの日だということもあってこの日はマトンカレーが作られました。ネパールでは通常お肉をお食べるのは週に2~3回でチキンを食べるのだそうです。
「アチャール」は、日本で言う浅漬で、朝食べる分は朝、夕に食べる分は夕にとその都度作るそうです。この日は茹でたじゃがいもの他、生の大根や人参、赤たまねぎをすりごまやレモン汁、チリなどのスパイスで和えていました。スパイスにはそれぞれに意味があり、アチャールに使われたフェネグリップは油で黒くなるまで炒めて加えることで、体を冷やしてしまう生野菜と体を温めるスパイスとの相殺効果を出しているそうです。
この日は8種類ほどのスパイスを料理や素材によって使い分けられていましたが、辛いものは然程なく、優しい味わいで香りの良いものが多かったです。スパイスカレーと聞いてよくイメージされるインド料理より、ネパール料理は優しい味わいのスパイス使いをするとのことでした。

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一つ一つのおかずにストーリーや文化が垣間見られてそれだけでも楽しいのですが、そろそろ…
「パンチュラ!※ネパール語のいただきます」

ネパールの家庭では一般的に手でご飯を食べます。
ご飯と好きなおかずやダルスープを手で軽く混ぜ、4本の指に乗せてから親指で口へ運びます。ネパールでも外食などではナイフフォークなどの器具を使うことも多いそうですが、家では手で食べる家庭が多いのだとか。その理由は、美味しさ。金属の器具を使って食べるより手で食べるほうが断然美味しいのだそうです。

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食器も日本とは違い、真鍮の食器を代々使い継いでいくそうです。真鍮の食器で食事をするのは体にもいいし、厚みがあることから保温効果もあるので美味しく食事をできるそう。食後には優しく磨いて太陽に当てて干す事でピカピカの状態をキープできるそうです。光沢に加え重厚感もあるのでお料理もより美しく見えると感じました。

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そうして頂いた料理は、どれもとにかく香りがとても良く、沢山の食材を使っているのに調和していて毎日食べたいと思える優しい味わいでした。
食後に頂いたチャー(ヒンドゥー語ではチャイと言われる甘いスパイスミルクティー)やラドゥ(ココナツをギーで炒めコンデンスミルクを加えて丸めたお菓子)もホッと心が温まるような美味しさで、スタッフ含めみんな大絶賛でした。

調理してくださったバティさんとススマさん、日本に来てからそれぞれ10年、20年以上暮らしておられますが、ずっと家族のように関わっていたのがカフェ・サパナの母体であるTIFAでした。
TIFAは多文化共生社会を目指し様々な取り組みをされている団体です。その代表である葛西さん、事務局長の筒井さん、サパナを運営されている安本さんにお話を伺うと、皆さんが日々活動する中で目指されているのは「地域に住む外国人が、仲間として地域と共にあること」。その地域の元々住んでいる人たちと外国人をつなぐために「食べることから入る」事を実践すべくサパナが出来たのだそうです。
今では近所の方から遠方の方まで、沢山のサパナファンがいるそうです。

バティさんもススマさんも、サパナをきっかけに世界の友達とつながれた。と話されていましたし、サパナでの仕事にやり甲斐と楽しさも感じておられ、ここが職場でもあり良いサードプレイスになっているのだなと感じました。                                (レポート:たんぽぽの家 小松紀子)


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