地下から湧き出るミネラルウォーターをひく #フィリピン冒険談 その3
開発中のリゾート地は山の上にあり、水道が通ってなく、街で水を買って運んでくるようでした。しかし、リゾート地の隣には天然水がわく洞窟がありました。
洞窟の持ち主は代々、マリアという街に住む名家人で、84歳のおばあさんです。旦那さんは婿入りした87歳の方でした。この人と仲良くなり、洞窟を譲ってもらい、そこからリゾートへ水をひく計画です。
これが完成した貯水タンクです。ヘキサゴンタンクと言います。この中の水が減ると、自動で地下からまた水をくみ上げます。このタンクができたことで、リゾートの水が賄えるようになりました。
タンクには日本製のポンプシステムを導入しています。これもフィリピンにはそれまでなかったものです。
このタンクを作るのにも、周りのブロックから型で作っています。モルタルの中に周囲の水を混ぜ、三重の壁にして水が漏れないようにします。
これが水の湧く洞窟の入り口です。ここから約300メートル降りていくと、水が4カ所から湧き出ています。この水はブラックマジックのもとであり、カンブガハイ・フォールという観光名所の滝の源泉でもあります。
入口はこんな風になっています。この工事の最中に、リゾートへ水をひくパイプを切断して妨害しようとする人もいました。なんと今もその人と裁判をしてます。
裁判所はラージというところにあり、弁護士費用もばかになりません。いろいろな弁護士に会いましたが、結局誰が信頼できるかもよくわからず大変な思いをしました。
これが洞窟の中の様子です。途中で空気が薄くなるところがあり、二分間ほど息を止めて通過しなければ下まで潜れません。そのため工事をする人は若い人でなければなりません。地下に一度水をため、そこから地上のタンクに移します。
リゾートの中にも大きなタンクを同様に作り、そこから自然落下で各部屋に水がいきわたります。
完成した後はまた、近くの住民とお祝いに豚を焼いて食事会をします。
この日は62キロの豚を焼いたのでした。