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グローバル転職あるある
前回英語やグローバルスキルのビジネスでの重要性について書かせていただいた流れで、今回は転職におけるグローバルスキルの重要性や有効性について書いていきたいと思います。
英語だけでキャリアアップ!?
「英語力があれば有利」というのは言わずもがな、周知の事実かと思います。
ただ、そうはいってもまだまだこの日本では圧倒的に日本語の方が重要で、努力して好きでもない英語を学ばなくても、全く不自由なく生きていける環境があるので、現在のビジネスパーソンの全体で見ても英語が話せない人の方が圧倒的多数かと思います。
実際、若年層の転職においては、英語があろうがなかろうが、スキルや人物面の評価だけで、好条件の案件を狙うことは、そう難しくないです。
そのため、
英語を無理してやらなくてもスキルを磨く方が重要なのでは?
と思う方も多いと思います。
ちなみに私もその一員でした。
問題は、40代後半以降です。
40代後半以降となると年収も上がり、人によっては管理職に就いています。
日系大手企業は、日本における人員が豊富なこともあり、緊急度が高い案件は少なく、コスト(年収)や将来何年働いてもらえるかなどを考慮しながら採用するため、若年層の採用が多くなりますし、管理職は基本的に社内登用が多いため、外部から招くことは限られたエグゼクティブ案件など稀少と言って良いかと思います。
日系中小は、社内のリソース不足で、緊急度も高く、管理職の採用もそれなりにありますが、資本力の乏しさから、責任範囲が広がっても年収が変わらない、あるいは下がるといった事例もあります。
外資系大手は日系大手までではないにしてもやはり近しい傾向があります。管理職を社外から登用するケースは日系企業よりは多いかと思います。
外資中小も、日系中小に同じく、緊急度や管理職案件はありますが、一方異なるのは資本力の部分で、外資系に関しては
大手より中小の方が給与面で勝る
といった事例も少なくはないくらい、海外資本かつ人事制度が確立していないがゆえに、給与はフレキシブルなところが多いです。
組織マネジメントの案件だけではなく、日本法人立ち上げの案件などユニークな案件もある一定数あります。
また、人員の不足を補うために、定年後の給与を改定せず、据え置きにするという方針の会社も比較的多いと言えるかと思います。
つまり、年齢を重ねた時、条件や役職を維持以上にしようとすると、英語力は重要な鍵になってくると言えるかと思います。
たまに
「うちのボスは仕事はできないんだけど、英語だけで昇進してるんだよな〜」
とか
「あいつは英語力だけで転職乗り切ってきてるよな」
なんていう愚痴や不満も聞くことがありますが、それもそのはずで、外資系では海外へのレポートも求められるわけで、英語が昇進や転職に有利に働くのは必然なのです。
勿論、この傾向は業種や業界の成熟度や成長度、総人口によっても変わるかと思いますが、私が担当してきた製造業、エネルギー領域は、上記の傾向が当てはまるのではないかと思っています。
でも、英語だけではキャリアアップできない!?
前段と真逆のことを言っているようですが、10年前と比べると、この傾向はすでに出てきています。
以前は英語さえできれば、キャリアアップができるという事例も多かった(今のボス世代ですね)ところですが、英語スキル保有者が増えてくれば、その市場は飽和してくるわけで、
今度は
英語はできて当たり前、
できなかったら損をするし、
英語ができるだけでは評価されない
ということになってきます。
私が人材紹介のキャリアをスタートさせた約10年前は、
「製造業で海外営業経験がある方」
などというかなり広い募集要件を多く目にしていましたが、
今は
「自動車サプライヤーで○○製品の海外営業の経験が5年以上あり、インドのマーケットを熟知している方」
などとより細かい要件に変化してきている案件が多いのが実情です。
同一業界の経験を5~10年求められたり、細かい製品、国などの経験を求められるわけです。
個人的に今からキャリアを作っていかれる方におすすめなのは、
「担当業界」
「担当製品・サービス」
「職種」
「英語」
このうち2〜3つで一貫性や強みを作ること、だと思っています。
どこでも活用できるポータブルスキルを磨くと同時に、希少価値の高い専門性を身につけることがこれからの時代に必要になってくるのではないかと思っています。
ジェネラリストなの?スペシャリストなの?
どっちがいいの?という質問に対しては、一概にどちらと言えませんが、様々な記事に書かれている通り、転職市場では殊にスペシャリスト採用の傾向が年々強くなってきているように感じます。
海外で働きたい人 VS 海外案件の減少
英語ができる方にとって、一度は夢見る
「海外で働くこと」
実際前職でも海外で働きたいというご相談はよくお伺いしていました。
そのたびに海外現地や日系駐在案件担当者に問い合わせるのですが、
答えはノー。
今はない、という答えばかりでした。
その理由は、これまでの経験上の仮説なのですが、
1. コロナきっかけ
バーチャルで解決できる世界が確立されて、現地で対応しなくても済むことが増えた
2. ビザ問題
特定の国ではビザが降りにくくなっている(欧米やシンガポールなど人気の国は特に)
3. 現地化進行
日本人を日本から送るよりローカル事情をよく知る現地の責任者を採用することが増えた
4.日本人英語下手問題
私も然りなのですが(笑)
・日本で生活していると基本日本語しか使わないという非日常性
・日本語の構成と英語含めた欧米圏の言語の構成のされ方が違うがゆえに、学ぶ難しさがあるということ。
・日本のこれまでの英語教育が実用的ではないこと
・日本人の性格的な傾向で、完璧主義、自信のなさ、間違えると恥ずかしいと感じることで、アウトプットが少ないこと
上記の理由で、日本人は他外国人に比べて、英語力が低いため、その低い英語力で、あえて海外で採用する必然性がないのが実情なのです。
英語を使って何をしたいのか
英語を活用したい、という転職理由をよくお聞きします。
そこには色々と背後の理由があります。
英語力を向上させて…
・外資系で働きたい
・海外で働きたい
・年収を上げたい
・キャリアやビジネスの選択肢を広げたい
ただ、たまに英語を使うことのみに固執されている方がいたりします。
そこで私が思うのは、英語をそんなに使いたいということであれば、
翻訳や通訳の仕事をしたらよいのではないか、ということです。
英語はあくまでツール。
海外とビジネスをするため、海外の人と仲良くなるために使うツールに過ぎないのです。
もちろん、英語を活用したい、が理由でも良いのですが、
英語力を使って〇〇がしたい、
とか
純粋に海外の人と働くのが好き、
とか、
英語使用に止まらず、何を成し遂げたいのか、ということを語れることが重要なのではないかと思います。
これが英語だけの人と言われないためのポイントかもしれません。
英語力=グローバルスキルではない!?
英語力があれば、グローバルスキルがあると言えるかと言えば、実はそうでもなかったりもします。
前段でも述べた通り英語はあくまでツール、
英語がある程度以上話せて、
かつ海外の文化、ビジネスの慣習を理解でき、
相手にリスペクトできることされること、
がセットでグローバルスキルといえるかと私は
思います。
特に日本は世界の中でも異質な国なので、
日本基軸で考えてしまうと、なかなかうまく行かないことも多いようです。
さて、長くなりましたが、ここまでグローバルスキルについて話をしてきました。
そんなことを語るほどのグローバルスキルは、偉そうにあるわけではありませんが(笑)
それでも個人的には、日本以外の人たちの価値観を知り、友達の幅を広げられたことは、自分の大きな資産になっていると感じています。
英語を使いたいモチベーションは正直今もない!(笑)
でも、日本語以外を言語にしている、お客様や友人と関わり続けたい、この一心で今も勉強し続けています。
これが私にとって
英語を使って〇〇したい!
なのかもしれません。