セブンイレブン 分析2
ゴールデンウィークも後半戦くらいになってきましたでしょうか?
旅行なんかに行くと地方の駐車場がやたらでかいセブンイレブンに出くわしますね。
そんな地方の巨大コンビニを見ていると
セブンイレブンもさぞかし儲けていらっしゃるんだなぁと感じますが、
実はセグメント別で見た時、国内コンビニ事業の売上は全体の7.5%しかないそうです笑
![](https://assets.st-note.com/img/1683238620130-ucUDlGVOM1.jpg?width=1200)
国内売上2023はおよそ9千億円。
全体11兆8千億円の一部で、およそ9兆円の海外事業に比べるとほんの一部です。
お客さんの大半は外国人ってことですね。
ってことは、こないだのディズニーパターンとも類似しますね
オリエンタルランドの場合、日本人よりも外国人観光客で客単価を上げていくような話なのでちょっと違いますが、外国人で稼ぐ構造は類似しますね。
さて、
セブンイレブンの貸借対照表とキャッシュフローを昨日は見ましたが、
今日は報告書の中身を見ていきます。
おさらいとしては、
・ 増収増益
・ リース会計で資産と負債が膨らみ、自己資本比率が低下
・ 前期買収したスピードウェイ2兆円分から比べると、今期はCFへのインパクトは落ち着いた
という感じで、昨日はリース会計に触れていきました。
今日は、セグメントの中身について触れていきます。
上記のセグメント別で減収したのが、
・ スーパーストア事業
・ 百貨店・専門店事業
です。
特に百貨店は酷いものです。
株式会社そごう・西武の純資産の部を見れば一発でわかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1683240397650-d3XNzwLDGW.jpg?width=1200)
繰越利益剰余金を見てみてください。
と、その前に繰越利益剰余金について説明します。
この会計科目は、創業時から今期に至るまでの利益の積み上げ分が表示されています。
0円からスタートし、
100円黒字なら+100円
翌期に200円赤字ならΔ100円となります。
そごう西武の場合、
前期が2千6百億円の赤字で、
今期は4千6百億円の赤字ですから、
この一年で2千億円の赤字が出たということです。
私の地元の千葉県柏市には、柏そごうというのが立ってまして。
最近行ってないのでわかりませんが、駅前で立派に沈黙を保っているようです。
地方の消滅の象徴みたいになっているので早くなんとかなればいいのですが。
人流は駅の反対の高島屋や、そごうの隣のビックカメラに向かっています。
百貨店も本当にもうオワコンな感じがします。
では、スーパーはどうでしょうか?
イトーヨーカ堂は苦しく、赤字続きです。
対して地方に行くと目にする、ヨークベニマルという緑色のヨーカドーが好調みたいで利益を牽引しています。
青の赤字を緑が補填している状況でしょうか。
青も店舗閉鎖へ向かっていますね。
我が本社の存する千葉県我孫子市もあびこ駅に青が2つ立っています。
確実に1個は消えるのでしょうね。
スーパー事業もこうやってみていくと、
なかなか厳しいですね。
最近はイオンがいなげやを買収するという記事も出てきていますし。
そんなこんなで
百貨店とスーパーは厳しい世の中となっているようです。
そして規模・成長率ともにすごいのが海外のコンビニ事業です。
セブン&アイの花形であり、生命線であるのが
海外のコンビニです。
去年は昨年より230%の売上を叩き出したのに、
今年は昨年より170%の売上を出しています。
去年はスピードウェイの買収があったのでもちろんそれが大きく寄与しているでしょう。
ここからはコスト構造の改革を進め、さらなる利益の捻出に気合が入っているようです。
ただ、次期の予測値は今期比較で
・ 売上 92%
・ 利益 102%
を報告しています。
北米での高インフレ・利回りによる消費者心理の後退を予測しているため、
コスト構造改革を進めるのでしょう。
時代を読んで攻めていますね。
そして海外事業は今期はベトナム事業への投融資を進めるそうです。
今後の展開も楽しみです。
私は今、【引き算する勇気】という座右書を再読しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1683241934970-999lFY6m2L.jpg?width=1200)
多くの人が足し算ばかりして【散らかして】います。
儲け話があれば飛びついたりする経営者は世の中に数多いらっしゃるようです。
しかし、
散らかし放題経営は、本業の深化を妨げる要因となります。
そんな中、セブン&アイは散らかしていません。
もちろん大手なので多岐に渡って事業を展開していますが、
散らかしてはいないですよね。
引き算する勇気には、「中小零細こそ引き算」だと書いていますが、
セブン&アイのような、
こんにも大手で、こんなにも世界中に社員がいて、店舗がある組織でも
散らかさない。
ものすごいマネジメント力だなと思います。
コンビニ業界からセブンイレブンを着手してみました。
ローソン、ファミマあたりもこうなると気になってきますね。
また覗いてみましょうか♪