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雨予報ではあったが、朝起きると部屋が明るくて、外を見ると晴れていた。
鬼の居ぬ間に、と思って、洗濯を回した。彼女が起きてくるまで本を読んだ。昼になっても起きないので、昼ごはんを作ることにする。にんじんと玉ねぎ、ひき肉を炒めて、赤ワインとトマト缶で煮込み、ミートソースにする。昨日カルディで買ってきたニョッキをたっぷりのお湯で煮る。ぽこぽこ浮いてきたら、ザルにあげて、ミートソースと和え、チーズを削ってかける。彼女は昼食作りのガタガタを半ば起きながら聞いていて、出来上がりのときに僕が起こした。
食べてから昼寝をして、買い物に出た。まだ雨は降っていないが、雲がかかったり、切れたりしていた。遠くから雨の匂いもしてきた。春分の日のスーパーは混んでいた。みんな雨が降る前に買い物を済ませようとしていたのかもしれない。自分もそういう気が働いていた。動物のように日を生きているような気分になり、嬉しかった。
家に帰ると彼女が入れ替わりで昼寝していた。人からもらったインスタントのコーヒーを淹れて、チョコパイを食べた。
急に窓際が暗くなり、白い線となって雨が降った。急いで洗濯物を取り込むと、走っていく人の姿が見えた。羽田の方の空は晴れていて、分厚い雲がいま真上にかかっているのがわかる。
ポトフを作って煮込んでいる間に雨は止んで、西日で家の前の建物が黄色く光った。それから風が強く吹いて、窓が鳴った。
ニョッキの残りとポトフを食べた。彼女は腹が減っていないというので、その後2時間遅れて食べた。
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