Tips of Buddhism

No.84
And,let me ask you,who do you think originated such beautiful customs and fine arts of worldeide reputation in Japan?Allowe me assure you that it was Buddhism.I have no time to count,one by one,what Buddhism has wrought out in Japan during the past eeven hundred years.But one word is enough-Buddhism is the spirit of Japan:her nationality isBuddhism.(Horin Toki What Buddhism has done for Japan,in The World's Congress of Religions,vol.1,2006,Tokyo,rep.of 1893,p.403)

(訳)
そして、伺います。そのような美しい習慣や世界中で賛美される素晴らしい芸術は、何者が起こしたのでしょうか?敢えて申し上げます。それは仏教です。仏教が過去1100年間に日本で成し遂げたことを、一々、数え上げる暇はありません。一言で十分です。仏教は、日本精神です。かの国民性は仏教なのです。
(解説)
土岐法(ときほう)龍(りゅう)(1854-1923)とい真言宗(しんごんしゅう)の僧侶が、1893年にシカゴで開催された「万国宗教会議」で講演したもの抜粋です。土岐は、有名な南方熊楠(みなかたくまぐす)(1867-1941)の友人で、長らく書簡を交わした親密な間柄でした。日本側から参加した他のメンバーには、釈宗(しゃくそう)演(えん)(1860-1919)(臨済宗円覚寺管長)もいました。彼の文章は、同行した鈴木(すずき)大拙(だいせつ)(1870-1966)が英訳したと言われています。釈宗演の講演に感激した1人にシカゴの宗教家ポール・ケーラス(Paul Carus,1852-1919)がいました。ケーラスは、当時鈴木貞太郎と名乗っていた大拙を雇い、宗演に教えられた仏教の因果法を一般に理解し易い因果応報の物語に改編し「カルマ」と題して自分の経営する雑誌『オープン・コート』に掲載、また自著『ゴスペル・オブ・ブッダ』を書いて宗演に送りました。この両編は鈴木貞太郎によりそれぞれ『因果の小車』、『仏陀の福音』と訳され日本でも刊行されています。『因果の小車』の中に盗賊?陀(かんだ)多(た)の登場する蜘蛛(くも)の糸の話があり、これを芥川龍之介が借用することになりました。まずは、宗演の講演の1部を引用してみましょう。
 我々は、多様性の世界に誕生する。ある者は貧しく不幸、他の者は金持ちで幸福。多様なる状態は、幾度となく、来世で繰り返される。だが、誰に我が身の不幸を嘆くのか?自分自身以外の誰でもない。我々は自分自身で報いを得るのだ。そうならば、未来に向けてなすべきことがあろう。もし、寿命を決めるのは誰かと尋ねるなら、因果律と言おう。誰が彼に幸福をもたらし、私に不幸をもたらしたのか?因果律である.頑健さ、幸福感、恵まれた才能、不自然な苦痛は、因果律の逃れられない現われであり、それは宇宙のあらゆる細部、人の営みのすべての部分を司る。仏教徒の倫理について尋ねるのか?仏教で、倫理的規範の源は、因果律であると、答えよう。来世に栄冠を与えたければ、親切であれ、平等であれ、慈悲深くあれ、正直であれ。不正直、残酷、無慈悲は、悲惨な末路を運命付ける。(Shaku Soyen,The Law of Cause and Effect,as Taught by Buddhas, ,The World's Congress of Religions at the World's Columbian Exposition,2006,p.390)
このような釈や土岐の公演が、シカゴで喝采を浴びたのです。


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