仏教論理学序説

その1
最近流行の仏教論理学の解説

 ここ2-30年は、いわゆる仏教論理学の研究が随分と流行った。とはいえ、その全貌が解明されたわけでもない。確かに5-6世紀以降のインド仏教では仏教論理学は花形的分野ではあった。特にダルマキールティという仏教論理学者を無視しては、インド仏教の研究そのものが不可能と言ってもよいほどである。しかしである。現在の研究者の見解は混沌として一致を見ない。以下では、その混沌を解説しながら見ていこうと思う。何度か触れたけれど、理解しにくい分野で面倒である。あえて、ここに紹介するのはインド仏教のイメージを変えてもらいためである。昔のインド仏教徒は、座禅に励み、苦行を実践していたばかりではない。大変難しい仏教論理学の勉強もかかさなかったのである。

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