「倶舎論」をめぐって

LXXV
さて、他に、プールナヴァルダナにマイナーテキストというべき注釈がある。これについて、福田琢氏はこう述べている。
 満増〔=プールナヴァルダナ〕には先に見た〔『倶舎論随相論』〕の同名の注釈がもう一本残されており、こちら(Peking.5597,Tohoku.4096)は前者の抄本と考えられている(cf.中村隆敏「プールナヴァルダナの『随相論』抄本(1)」『三康文化研究所年報』19,1987)。
(福田琢「書評・紹介 Marek Mejyor:Vasubandhu’s Abhidharmakosa and the Commentaries Presented in the Tanjur」『仏教学セミナー』6,1994、p.83)
『倶舎論』および注釈について、簡単に俯瞰した。より、詳しく知りたい人には、福田琢「書評・紹介 Marek Mejyor:Vasubandhu’s Abhidharmakosa and the Commentaries Presented in the Tanjur」『仏教学セミナー』6,1994pp.75-86とそこで提示されている諸研究を参照してもらいたい。

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