Take Out始めました
勝手にMy社食な恵比寿のCOM FOR TABLEがテイクアウトを始めた。牛スジカレーにはカベルネが合う。
新型コロナウィルス禍において、飲食店は大打撃を受けている。東京都は居酒屋の営業自粛は求めず、20時までの短縮営業を要望するらしい(4/10 9:00現在)。
アホか。
20時までの営業は認めますよ(そもそも認可されるものではない)とすることで、休業補償はしない=したくない、というだけではないか。
会社近くの、勝手にMyダイナーな同じく恵比寿のGABもテイクアウトを始めた。石窯ピッツァはマルゲリータに限る。
そもそも、多くの飲食店というのはオレのような、毎日美味しいお酒を自らの限界の一歩手前で寸止め飲みしたい客がいることで成り立っている(と思っている)。
サーブされる料理が旨いに越したことはないが、あくまでメインは酒なんである。まず、サッポロの赤星があれば大瓶一本、もしくは黒ラベルジョッキ一杯(一番搾りも捨てがたい)をいただき、速やかに重くずっしりとした赤ワインカベルネに移行して、本日の体調と摂取したビタミンの量を鑑みながらボトル一本でやめるのか、欲望の赴くまま2本目に突入するのかというスリルを味わいながら楽しんだ後に、深くたおやかな眠りにつくのが日々の醍醐味なわけである。
サッポロ赤星は大瓶で飲むのがいい。吉祥寺いせやで店員からテーブルに投げ出すように出される赤星はまぎれもなく大瓶である。COM FOR TABLEさん、赤星を大瓶にしてみないか。店では言えないのでここで言ってみる。誰も聞いてないけど。
パサパサの鶏胸肉が好きで、朝食と昼食は365日ほぼ同じという、バカ舌のグルメ野郎とはほど遠い食生活を送っているオレではあるが、だからこそ酒を飲むという、一日の締めくくりであるテーブルには好きな飯だけが載っていてほしいと強く願っている。毎日。
故に、毎晩のでぃなーはCOM FOR TABLE〜GAB〜自宅というローテーションに陥りがちだ。注文する料理も、店がメニューを変えない限り一年中同じだ。
ソースカツ&極上白飯 by COM FOR TABLE
ピッツァマルゲリータ by GAB
鶏胸肉網焼きwith焼肉のたれ by オレ
そんな料理がテイクアウト出来るのは、客にとってはありがたいことではあるが、店にとっては常連客に対してのほんのサービスくらいのことであり、店を閉めるくらいならば、というギリギリの選択なわけで。オレのような、隙あらば、あともう一杯!と思っている客が来ない限り商売上がったりなわけで。
そんなオレもCOM FOR TABLEのテイクアウトを昨晩利用してみた。テイクアウトにしかないメニューがあったからだ。
出汁巻きサンド
料理人のコージさんが作る出し巻きは、高級料亭でも味わうことが出来ないほどの旨さだ。高級料亭には行ったことないが多分そうだと思う。その出汁巻きを名古屋から取り寄せたというパンに挟んだ出汁巻きサンド。旨くないはずがない。慣れない在宅勤務で、独り言が徐々に罵声に変わっていくという、普段見たことのない姿を現し始めたカミさんのためにも、ここはひとつお土産でも、と考えたわけである。
出来た夫だ。
COM FOR TABLEのロゴがスタンプされた包みを手にいつもより少し早めに帰宅して眠りについた。
はずだった。
ない。朝起きたらCOM FOR TABLEのロゴがスタンプされた包みが見当たらない。絶対にそこにはあるわけがない洗面所やトイレ、果ては玄関の外も見てみたがもちろん、ない。
昨夜、LINEでわざわざ「美味しい出汁巻きサンドを持って帰る」とカミさんに伝えたというのに。
思い切ってまだ起き出していないカミさんに聞いてみた。
「出汁巻きサンドがないんだけど」
カミさんはキレていた。キレてないと言う長州力よりもキレていた。あれは「キレてないよ」ではなく、正しくは「キレちゃいないよ、オレをキレさせたら大したもんだよ」だ。
とにかくキレていたカミさんによると、彼女がシャワーを浴びているうちにオレが出汁巻きサンドを完食してしまったらしい。
まるで覚えていない。
かすかにパンの旨味が口に残っている気がするが、まあ、まるで覚えていない。
カミさんからの感謝の念も、初めて食べる出汁巻きサンドの味もすべて失ったオレはいま途方にくれている。そして僕は途方にくれる。お願いだから、サブスクにはオリジナル音源上げてくれ。新しいバージョンは嫌だ。
テイクアウト、終わりました。