ビュールレコレクション 2018年3月23日
コレクターの真髄とは何だろうか?
ビュールレコレクションを観てきました。
真に良い作品だけを集めるのか?
自分が好きなものだけを集めるのか?
コレクション(蒐集)の目的次第なのかな。
でも蒐集の出発点は
「自分が好きだから」
だと思うんだけど。
展覧会の看板として使われている
「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」
(可愛いイレーヌ)
ピエール = オーギュスト・ルノワール
1880年 油彩、カンヴァス 65 × 54cm
この画を観るだけでも価値のある展覧会でした。
これだけを観るためにもう一度足を運んでも構わないです。
「清廉」という言葉はこの画のためにある、
と言ってもよいと思うくらい。
印刷した画、ネット画面上で見る画と全く違います。
色合い、光沢、色彩のバランス、全く違います。
印刷技術などが非常に発達した現代においても、
コピーは(現物の)油彩には遠く及ばないことをまざまざと見せつけられました。
ルノワールが人気ある理由もよく分かります。
・・・もう一つ、お気に入りの画を見つけました。
「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂・ヴェネツィア」
アントーニオ・カナール(カナレット)
1738-42年 油彩、カンヴァス 121 × 151cm
額縁が窓枠として、眼前に広がる運河と聖堂。
本当にその景色を眺めているような錯覚。
細密画です。
今から280年前の景色?
今も同様に市民たちの生活が営まれているであろうことが想像に難くない。
仮想現実に身を委ねる現代人の足腰の弱さを思い起こさせてくれます。
この展覧会は女性のお客さんが多かったように思います。