工藝2020 2020年10月2日
#工藝2020 #自然と美のかたち #東京国立博物館 #表慶館
#博物館でアジアの旅 #東洋館 #2020年10月2日
金曜日の夜、何かやってないかな~っ、と検索してみるとこの展覧会が。
そっか、そういえばそんな案内があったような・・・
平成館では何もやっていないので、正門前は人がいないし、中入ってもガラ~~ン。
月がきれい。前日は中秋の名月だったし・・・
そうだ、表慶館に来たんだった!?
・・・表慶館前も誰もいないじゃん!?
工芸品目的で博物館等に来ることは滅多にない。今回も予備知識(予習)無しで館内へ。館内に入れば多少のお客さんが。
まずビックリしたのが展示台・展示空間がいつもと違うこと。1089ブログに書いてある通り展示室全体を一つの作品にしたような造作。凝ったと言うか、お金掛けたと言うべきか、それはそれで面白かったけれども、面映ゆい気分にもなりました。私の体重が掛かるとギシギシ鳴るしね。
第1章1室だけ撮影OKでした。いつも通り気に入った作品をいくつか。
「黒陶「夢見る童」飾壺」(陶磁) 大樋年朗、2014年、大樋美術館
何ともどっしした大きな壺です。茶壷とも違うし、甕とも違うし、土器とも違うし、曰く言い難い雰囲気です。現代的なスマートさとは対極にあるような形です。最初はそれほど印象深くなかったのですが、観ているうちに「良いんじゃない!?」と思うように。自分の家に1点あったらその場を落ち着かせる効果を発揮するんじゃないかと。
「海から天空へ」(人形) 奥田小由女、2018年、個人蔵
(今までは)人形は余り好みではありませんでした。何となく押し付けがましさを感じてしまうからです。これ可愛いでしょ、というような如何にも如何にも、という雰囲気がね。
この作品は違いました。一目で気に入りました。極々自然にその場に溶け込んでいる雰囲気。もしかしたらいつもは私たちの目に見えていないものを具現化してもらったのではないかと思う位。この作品が自分の家に置いてあったら、この空間にはあなたの目には見えない何かが漂っている・流れているんだよ、と示唆してくれているように感じるのでは、と思います。
(身の程知らずを承知の上で)この作品なら買ってもよいと思いました。
(公財)奥田元宋・小由女美術館 に行くしか、ですね。
「月出ずる」(漆工) 並木恒延、2014年、個人蔵
画面一杯の月が強烈な印象与えます。月が主役でも大きさを少しは加減するのが通常かと思いますが、これは思い切って、これでもかっ! というくらいに。制作意図は兎も角、一目で分かり易い、遠くからでも分かり易い、これは貴重。
写真撮影OKなのはここまで。
「久留米絣着物「光韻」」(染織) 松枝哲哉、2016年、個人蔵
「紬織絵絣着物「花天月地」」(染織) 佐々木苑子、2005年、個人蔵
ま~~っ、何ときれいなことか。色の美しさに目を奪われました。前者が藍色基調、後者が緑色基調。色を表現する言葉を知らないので小学生並みの言い方になりましたが、絣の風合いと100%整合して(素人ながらに)文句の付けようがない着物でした。着物に見惚れるなんて今まで無かったです。図録に写真が載っていますが、実物観ないとこの感動は得られないでしょう。この着物を着たらどのような佇まいになるのか、景色が生まれるのか、日本美人に着てもらった姿を一度は見てみたいと強く思います。
表慶館を後にして、東洋館へ。
この館も展示台・展示方法が変わっていました。世情を鑑みてなのか、可能なところは通路を広くしたようで、館内全体がスッキリした印象を受けました。展示台の周囲には立入禁止の線が引かれているので、ガラス板に頭(顔)をくっつけて覗き込むこともできません。
展示品は(私にとっては)相変わらず歯応えのあるものばかりで好きとか嫌いとか言う以前の問題ですね。でもね、やっぱり足を向けてしまう東洋館には本館とは全く異なる魅力があります。
特に好きなのは3階。「中国 墳墓の世界、陶磁」辺りです。因みに一推しは「加彩女子」です。今回は展示されていなかったけど。
「藍釉兎」 唐時代・8世紀
こんなの以前観たかな~っ?
この後、本館の11室(彫刻)と18室(近代の美術)とをグルっと回って博物館を後に。18:00に入って20:00過ぎに門を出ました。