ロングキックの蹴り方 徹底解剖
今回は具体的に「高速ロングキック」に似ているロングキックの蹴り方をみていきます。
ロングキックの蹴り方
まずは、いつものようにキックを5つに分解します。
(キックモーション5つの要素)
①助走をつける
②軸足をつく
③バックスイングをする
④ボールをインパクトする
⑤足を振り抜く
これらの5つの動作は全てのキックの軸になる動作です。では、ロングキックを「①助走をつける」から解説していきます。
①助走をつける
助走に関しては、前回の高速ロングキックと同様に45度〜60度から蹴ることが多いです。ただし、これはベストな角度であり試合中など動いているプレー時に毎回この角度にボールがおけるとは限りません。よって、練習の時から0°〜30°で蹴れる練習をする必要があります。
②軸足をつく ③バックスイングをする
続いて「②軸足をつく」と「③バックスイングをする」を見ていきたいと思います。ロングキックの場合強いインパクトを与えることが前提です。強いキックを生み出すには特にこの「②軸足をつく」と「③バックスイングをする」が一番のキーポイントになります。
一旦、先に「③バックスイングをする」を解説します。バックスイングが大きければ大きいほど、ボールへのインパクトは強くなります。振り子を想像して頂ければわかりやすいと思います。(この遠心力に加え、足が長ければ長いほど遠心力も加わり強いキックが可能になります。)
そのため、ボールを強く遠くにインパクトしたい場合は、バックスイングを意識して見てください。股関節の硬い方は、大きなバックスイングの妨げになってしまうため柔軟性のトレーニングもしていく必要があります。
かなり大きなバックスイングをしていることがわかると思います。↓
続いて「②軸足をつく」を見ていきます。
軸足を置く位置に正解はないというのが私の持論です。今ままで様々な体格(外国人選手)の選手とプレーしてきましたが、足の長さやその選手の癖によって軸足の置く位置が変わってきます。そのため、軸足は蹴りやすいところとしか言及することはできません。
しかし、動画でも言っているように自分の蹴りやすい位置から逆算することは大切です。自分の蹴りやすい軸足の位置はどこなのか常に意識する必要性があります。
ロングキックの蹴り方3つのコツ↓
④ボールをインパクトする ⑤足を振り抜く
ラスト、「④ボールをインパクトする」「⑤足を振り抜く」を解説します。ボールへのインパクトは前述した通りでロングキックの場合は”ボールと振り足を衝突させる”イメージで蹴ります。ボールをインパクトする位置も前述の通りです。
ボールと振り足とボールスピードの関係をグラフにすると次のようなイメージになります。
足の振り抜き方は2種類あります。
①高速ロングキックのように振り上げないで地面にスライドする蹴り方
②足を振り上げる蹴り方
この2つの振り抜き方を比べると①の方が正確に蹴ることができ、②の方が遠くに飛ばすことができます。これも最初のお話に戻りますが②の場合、ボールと足が接している時間が長くなります。よって、バックスイングや上半身のパワーがボールにしっかり伝わります。しかしその反面、高速ロングキックと同じようにミスキックになってしまう可能性が高くなります。
実際にサッカーをプレーしている方は想像しやすいかもしれませんが、正確にロングキックをしようとしたら、
①高速ロングキックのように振り上げないで地面にスライドする蹴り方
を無意識に選択肢していると思います。
今回は、前回の高速ロングキックと比べながらロングキックを解説しました。次回は、インステップキックの蹴り方(シュート)を解説したいと思います。
監修 制作 阿部翔平(SHIBUYA CITY F.C.)
制作 編集 タイチ (King Duo)