第46話 4月(43)

「夕月先輩、とりあえず締切まで頑張りませんか?」

 おれにはうまい慰めはできない。
「……わかってはいるんです。高宮ちゃんを入れた時点でこうなるのは」

 夕月先輩は図書室の一番隅、本棚に隠れた椅子に腰掛けている。

「おれは夕月先輩がいなきゃ、こんな無茶なこと、あいつもできないって思ってます。良くも悪くも先輩しだいで、どうにでもなると思うんです」

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