彼と初めてのテスト期間。
2月末本格的にテスト前の期間に入る。
私もテストの2週間前に差し掛かると部活が休みになっていたため、
彼や友達と一緒に教室で居残りしてテスト勉強を励んでいた。
彼も徐々に松葉杖生活に慣れてきており、移動もなんてことなくできるようになり、
メンタルも回復していった。
相変わらず化学が理解できず、授業で扱ったプリントを眺める。
「・・・美嘉またわからへんの笑?」
「もう化学ほんまに理解できへん。生理的に無理になってきた。」
「見してみ。教えたるから、へこむな!」
彼は化学は得意分野。いや、勉強自体が得意分野か。彼の苦手は何なんだ一体。
そんな感じ3月上旬の期末テストを迎える。
無事赤点回避!!平均点以下やけど!!!笑
もうなんでもいいです、バカなんで笑
「まじでありがとう、化学50点あったわ。」
「今回難しかったのにすごいやん、頑張ったな。」
そういってる彼は90点なんですけどね。ははは。
「テスト終わったからどっか一緒に行きたいところやねんけど、あと2週間くらいこれやからなー。まじで申し訳ない。」
私たちは彼の体に負担のかからない、ご飯に行ったり、カラオケに行ったりという遊びをしていた。
3月中旬
彼の骨折が完治し、松葉杖生活が終了した。誰よりも早く私に伝えてくれた。
「美嘉!松葉杖終了した!●●行こう!俺の塾の周り案内する!」
●●というのは彼の塾がある都会である。私はそこに行くのが人生で初めてだった。
春休みに突入していたが、お互いに部活はあったので、
午後の部活後に一緒にそこに向かった。
右も左も分からずひたすら手を引っ張ってもらい突き進む。
「ここが俺の通ってる塾!」
目の前にスクランブル交差点があるような、尋常じゃない都心で勉強していることが分かった。
わざわざこんな遠くまで来て、ハイレベルな授業を受けてるっていう努力が素晴らしいと思ったし、実際にテストの結果で出ているのが尊敬だった。
そのまま近くの大きいショッピングセンターに連れて行ってもらった。
「美嘉~お揃いで1着買わない?」
そこには冬も終了し、割引になっているパーカー。かなり安くなっているが質感も問題なく、一緒に買うことにした。
来年の冬にでも着ようと言っていたが、来年一緒に着れるタイミングあるのかなーと1年後のことを考え不安になる。
そのショッピングセンターに入っているゲームセンターのコーナーに入る。
「ねぇ、プリクラ一緒に撮ってみたい。」
私がそういうと、
「いいよいいよ。やり方わからへんから頼むわ。」
すぐに快諾してくれ、プリクラを撮影した。
かなり密着して撮るもんだから、恥ずかしくて目をつぶってしまった。
落書きをしはじめると彼が、
「美嘉、これどういう意味でしょうか!」
“let me say I LOVE YOU.”
「愛してると言おう!!!って感じ?」
「違うわ笑 僕に愛していると言わせてください。って感じかな。」
それを聞いて顔面が赤くなったのを感じた。彼が私の頬っぺたえつねる。
「赤いぞー照れてんのか!笑」
後にも先にもこの一回しかプリクラは撮らなかったので、大切な思い出となった。
その後レストランに入り軽く夜ご飯を食べた。
「この1か月半本当に美嘉に救われた。むしろ怪我したから美嘉と長く一緒に居れた気がする。」
彼は嬉しそうな顔から真剣な顔になる。
「もう俺ら受験生になるやんか。実は来月から塾の授業も増えて自由な時間減るかも。
クラスも離れるかもしれへんしな。」
今はクラスが一緒だったから会話しなくてもお互いの姿は見えてたし、コミュニケーションとりやすかったが、クラス離れてしまったら話しかけづらくなるな、と感じた。
しかしその不安は的中する。
4月
クラス替え。
彼の言っていた通り、クラスが離れてしまった。私は2組で彼は1組。
彼からその夜にLINEが届く。
「なんか離れる気がしてた。美嘉、これは神様が勉強頑張れって言うてるってことやで。それぞれ本気出して頑張ろう!」
こうして私たちの受験生生活が始まった。
私の青春時代。
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