舞台は高校二年生夏の終わり。
その夏は失恋から始まり、悲しみに浸りながら過ぎ去っていこうとしていた。
所謂私は恋愛体質な女子高生であった。
彼氏が途切れることのない。そんな女の子。
彼氏が途切れると焦ってしまうのだ。
でも17歳の夏である。大人になる一歩手前。
そんなに焦る必要はない。恋愛に固執せず、自由に過ごしてみようかな。
暑い夏の日差しが私を逆に冷静にさせてくれていたのだ。
さぁ。夏が終わる。
秋には文化祭と修学旅行というイベントが待ち構えていた。
中高一貫校に通っていた私にとって5年間一緒に過ごしてきた仲間との最後の修学旅行は、本当に楽しみでしかなく、思い入れも強かった。
そんな中。君が私の前に現れたのである。