都市OSにFIWAREを提案する理由
株式会社アーベルソフトの西垣と申します。
今回は当社が都市OSに「FIWARE」をご提案する理由についてお話しいたします。
「スマートシティ」実現のために必要となる「都市OS」には、中国の杭州で採用されている「ET City Brain」や、欧州で開発されスイスと大韓民国が共同出資している「Synchronicity FrameWork」などいくつかの種類がありますが、当社が扱っているのは「FIWARE」と呼ばれる都市OSです。
FIWARE(ファイウェア)は、ソースコードが一般公開されている7カテゴリー約40種のモジュール群を、用途に応じて自由に組み合わせ利用します。元々はEU(欧州連合)の次世代インターネット官民連携プログラム(FI-PPP)にて開発・実装され、欧州を中心とした多数の都市や企業でスマートシティを実現するシステムに活用されています。
日本ではこのFIWAREが都市OSの標準となっており、当社も積極的に採用を提案しています。
日本においてFIWAREが都市OSの標準となっている主な理由
その理由は、大きく分けて以下の3点です。
1. 規格化されたシステムである
豊富な機能を持ったモジュールが標準化されたNGSI(Next Generation Service Interface)という統一されたインタフェースを持っているため、自由に組み合わせて様々なユースケースに対応可能。そのため、FIWAREだけでは対応できない要件・機能についても、新規にアプリを開発することで対応ができるという強みもあります。
2. 都市OSとしての実績がある
大手企業が手掛けている国内の導入実績(高松市、観音寺市、富山市、加古川市、阿蘇市、綾川町等、数々)が多々あります。そのため、すでに成功しているプロジェクトのモデルを参考にして他の都市へ展開することも難しくありません。
3. オープンソースのソフトウェアである
国としてはベンダーロックを防ぐ観点から、システムをブラックボックス化したくないという思惑があります。その点、オープンソースであれば、参入障壁が低く、広く参入企業を募る事ができます。
また、オープンソースソフトウェアをベースに開発されているため、実装の雛形が公開されているのもメリット。これを元にカスタマイズすることで、システム整備にライセンス費用の負担が大きくならないという利点もあります。
以上のような理由から日本ではFIWAREが選ばれています。
FIWAREの持つ柔軟なカスタマイズ性が各自治体の抱える課題解決のための強みと言えるでしょう。
こうした長所を活かして課題解決を実現すること、つまり、そのためにはどのようなモジュール構築をすべきか、その調査・検証を行い、場合によっては用途に応じたアプリを新規開発してサポートするのが当社の特徴です。詳しくは下記リンクの記事をご参照ください。
FIWAREを用いた自治体の課題解決をご検討の際は、ぜひ当社にお声がけください。