さようならを言うために
ずっと悩んでた。
この状況をどう説明しようかと。
明らかにギクシャクしてきたわたし達。そして彼の異動、転居。
確かそう。彼の家にあるわたしの荷物。
送ってとお願いした。
彼は「わかったよ。住所教えて」と
連絡があった。
今しかチャンスがない。
ホントのこと言わなくちゃ。
そしてわたしは
「荷物は宅配便のアプリに登録してる。コードだけ見せればお金も掛からないし。あとはお手数だけど発送してね」
すると・・彼は
「荷物詰めてたら悲しくなってきた。やはり君の匂いがするよ」
「こうやって荷物送り返されるとなると
なんだか追い出される気がしてきたよ。変なの。」と笑った。
そして思い切って
「ねえ。こないだね。この家であなたが私にしんどそうだったって言ったの覚えてる?わたしね。本当にしんどかったんだよ」
「覚えてる。」
「急にゴルフの素振しろとか、怖い顔でいうし。」
「俺は体育会系だから上手い人が下手な人に教えるのはあたり前だと思ってるんだ。君はふくれたけど、下級生が上級生に歯向かうなんてありえない
んだ」
「ちょっと待って。わたしあなたの下級生じゃないよ。あなたは、親切のつもりだろうけどそれは違う。前にも言ったけどゴルフの先生に色んな人が言って来てもアドバイス受けたらいけないって言ったよね?」
そして私が彼の家でしんどかった話をした。
あなたの家はあなたのお城で
好きにしていいよっていうけど、私はちっとも好きにできなくて
そのうちにあなたの顔色とか空気を読むようになって辛くなってきた。
あなたはあなたのおうちで一人で過ごしたほうがきっと
ストレスなく過ごせるんじゃないかって思った。
私がいないほうが良いんじゃないかって思ったんだ。
すると彼は
「りょうが荷物を全部送ってって言った時に
スイッチが入ったってわかった。
でもそれが自分の原因だって思わなかった。
もうこうなってしまったら、友達にはなれるけど
男女の仲には戻れないだろうな」といった。
彼らしいセリフだった。
「この間ね、ドライブしてたときに私が
”もうすぐ1年経つね”っていったら
あなたしみじみと
”良く持ったなぁ”って言ったんだよ。それ聞いて
あああ、やっぱりそうなんだなぁ。うまくやっていけないって
思ってたんだなぁって思って悲しかった。でもねあなたは
素敵な人だからわたしみたいなおばさんじゃなくてもっと若い
気の利いた女性と付き合ったらいいよ。そう思う」というと
「いやもう。それはない。俺はりょうと1年も付き合っていけたって
びっくりしてるんだ。これまでの女性は1年も持たなかった。」
その後何を話したかよく覚えてない。
泣きはしなかった。
けど不思議と、あーこうして終わって行くんだなと思った。
そこから電話を切った後
荷物を出しい行く前の彼からLINEが届いた。
私が辛い思いをしていたなんて
ちっとも気が付かなかったっていことだった。
自分勝手な自分を大切に思ってくれて
ありがとうそしてごめんなさいと書いてあった。楽しい一年だったと。
そう丁度一年前。
彼の家に初めて遊びに行った日だった。
その時彼は、私の為に花を買ってきてくれた。
それも近所の花屋さんに花瓶をもっていって
この花瓶に似合うお花をといって
かわいらしいお花を買って来てくれたのだ。
丁度一年後にこんなつらい話をしてるなんて
夢にも思わなかった。
私は彼に
「あなたが最初にお花を買ってきてくれて
本当に嬉しかった。けれどもう今は
そんな気持ちを持てなくなってしまったんだと
感じてしまいました。ただ、あの時のあなたは
私をとても大切にしてくれたおかげで、”君はどんなことがあっても
幸せなんだよ”って教えてくれたのあなたなのよ。それだけは宝です」
そして私は正直に
あなたが付き合ってた人(不倫)が隣町に住んでいて
あなたはそのお店にまだ通うといったときに
ショックを受けました。
それは、私が前に付き合ってた人が
女性関係の激しい人だったので
次に付き合う人は絶対そんなことのないよう
な人が良いと希望していました。
だから何度か確認したのです。
あなたはもう二人の関係はとっくに終わってるし
私がそんな話を蒸し返して嫌な気持ちになったっていうけど
私はそれを知ってしまったがために、また
目に見えない女性の影に不安を覚えないといけないのかと思うと
気持ちが萎えて行きました。またあの時の二の舞だと。
だから私はあなたの住む街を好きになれない。
あなたの家にも、街にも不安がつきまとうから。
珍しく・・彼は私の文言に対して
謝罪を繰り返してきた。
ちっとも君のことわかってなかった。
僕は君に喜んでもらいたくて
色々と買ってあげたけど
君は小さなお花で良かったんだね。
そんなことも気が付かなかった。
僕は正直お別れしたくないけど
最近確かに君から笑顔がなくなってきたね。
俺のせいだった。けど
君はしっかりと終わらせてくれたね。
ありがとう。
あなたがもう男女の仲には戻れないというので
それだったら私が先に前に進まないといけないって思いました。
友達のままというわけにはいかないだろうから。
私も楽しかった
あなたが教えてくれた景色や音楽。
大事にしていきます。本当は一緒に行きたかったこともあるし
お花見も行きたかった。
暫くの間寂しくてメッセージ送ったり
するかもしれないけど許してください。
あなたとあなたのご家族の幸せを心から祈っています。
そして私は泣いた、
そして昨日彼から送られてきた段ボール二箱を目の前にして
開けられない自分がいた。
彼が
「君の匂いがする。寂しい」と言ったから。