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ヘアピンの落ちる音が世界中にとどろいた

昔アメリカでは、ゲイであることをほのめかす言い方として、

「ヘアピンを落とす(to drop a hairpin)」

なんて言ったりもしていた。

今のアメリカはオープンでリベラルな国だから、こんな言葉自体もう必要がない。

しかし、1960年代、今からたった60年前までは、性的少数者はコソコソしていなきゃいけなかっただなんて、信じられない。

■ストーンウォールの反乱

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1969年6月28日の午前1時20分頃、ニューヨーク市警(NYPD)の警官が、性的少数派(LGBTQ)の人々の聖地と言われているグリニッジビレッジのゲイバー「ストーンウォール・イン(Stonewall inn)」に踏み込み捜査に現れた。

いつもならこういった様子を遠巻きにながめていた、店にいた客や店の前にたむろしていた性的少数派の人々たちだが、

その夜はいつもと違った。

最後に店から連れ出された客がこう叫ぶ。「お前ら、なにかしろよ(Why don’t you guys do something?)」。

その声に呼応し、溜まっていた鬱憤が一気に暴発するかのように、性的少数者たちがいっせいに警官に反撃をくわえはじめる。


こうして性的少数派の人々が、この日、初めて警官に立ち向かったことで暴動が起きた。

これが、ストーンウォールの反乱である。

■はじまりであった

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警察との争いは数日間に及び、多数の負傷者も出したのち沈静したが、この事件が性的少数派による権利獲得運動を活発化させるきっかけとなった。

事件発生50周年を目前に控えた2019年6月6日、NYPDのジェームズ・オニール本部長は、

当時行われた取締りが不当であったことを認め、
市警として初めて謝罪した。

ストーンウォールの反乱以来、6月はLGBTQの人々にとって記念すべき月となり、6月最終日曜日は毎年、ニューヨークだけでなく、全米の各地でプライドパレードが開催されます。

つまり、6月はLGBTQ月間なのです。

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■ヘアピンの落ちる音が世界中にとどろいた

たった数日間の暴動から、この60年の間にアメリカでは性的少数者LGBTQへの受け入れが進み、いまではオープンになっていった。

ゲイであることをほのめかす言い方として「ヘアピンを落とす(to drop a hairpin)」にひっかけて、この「ストーンウォールの反乱」のことを

「ヘアピンの落ちる音が世界中にとどろいた
(The Hairpin drop heard around the world)」
とまで、いわれたそうだ。

日本にもそのヘアピンの落ちる音が早くとどろくといいのだけれど。

でも、日本も少しずつ変わっていることも実感できている。LGBTQを受け入れてくれる人が多くなっている。日本は「保守的」で他の国よりもこういった面では遅れている所はあるが、確実にいつも「遅れてでも受け入れている国」だと僕は思っている。


日本って遅れているな、
と思っていても、
結局はいつも受け入れる、
懐が大きい国である。


■BlackLivesMatter.

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先日、僕の病院でも黒人差別の街頭演説(平和なデモ)に参加した。白人警察官によるGeorgeFloydの殺害をきっかけとした、白人による黒人差別の問題。

何人もの方が演説をし、今までどれだけ差別されてきたかを熱演していた。その後、Floydが8分間首を絞められて亡くなられたことより、8分間立膝での黙とうをした。

差別で人が死ぬだなんて。

LGBTQのウォールストーンの反乱のように、

今のこの出来事が、60年後には、

まるで嘘だったかのような世界になっていてほしい。


■最後に

それにしても6月に入ったばかりなのに

コロナが落ち着き、仕事が始まったかと思ったが

この黒人差別の暴動があり、外出控えたり。

それよりなによりも、

せっかくアメリカにいるのに、レインボーパレードが中止

ちくしょう、コロナめ。


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