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アメリカ式解雇

おひさしぶりです。お元気ですか。僕は元気です。

僕は今、アメリカのボストンのとある研究室で、色んな人種の人と働いてます。一緒にエジプト人やインド人、中国人やもちろん日本人もいます。

唐突ですが、先日職場に戦慄が走りました。

1か月前に25歳の中国人男子の研究員が新しく仲間に加わったのですが、突然解雇されました。彼は仕事中に話しかけてくることが多かったのですが、それがだんだんとエスカレートして、酷い時は30分に4回も僕のデスクに来ては、

「何してるの?」と聞いてきて、

「いや、5分前にその話したけど?」と、迷惑というかむしろ恐怖。

ときどき、

「はーい!」

とだけ言って振り向いたらもういないってこともありました。

いや、やば。

僕も医者の端くれなので、たぶんADHDの軽症で多動性が高いんだろうな、とは思ったのですが、それを除いてもなんだか奇妙な子でした。

アメリカの職場では職務中の迷惑行為があった場合、最悪の場合は解雇なのですが、なんと、というか当然というか、彼は厳重注意されたうえに先日解雇されました。

中国人の彼が出勤していた日の昼に、突然解雇通告をされ「今からすぐに荷物をまとめて出ていきなさい」と言われたらしいです。(僕はその日、非番だったので、人づてに聞いて驚きましたが、案外アメリカあるあるらしいです。)

人によってはその場で逆上して騒いだり暴れたりするため、警備員に連れられて出口で追い出されるらしいです。解雇後も、解雇された人の中には研究室の物を壊したり、盗んだり、実験のデータを消去したりする人もいるので、解雇後の動向も注意しておかないといけないらしい。

なので、我々も危害を加えられないように、解雇された当日に事務方から

「(中国人の彼)は今日付けで解雇になりましたことをお伝えいたします。彼はもう我々の仲間ではありません。注意してください。」と、全員宛てにメールが来るんです。

その警告文にも驚きましたが、彼が不法侵入などをする可能性も考えられるため、そうせざるを得ないのでしょう。それはわかるんだけど、

「君、名前は?」

って、最近スゲー警備員に呼び止められるんだけど。

いや、俺は別に解雇されてねぇから!



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