嫉妬の王さま
人の子どもの写真をみせられて「可愛いか?」と思うときがある。
まして新生児は「これは人か?」とも思う。
おはみ、Abekoです。
別にこどもが嫌いなわけじゃないです。ただ、「全ての他人の子どもの写真」を可愛いと思えないだけです。「いや、ブサイクやん」とも思う場合がある。
もちろん「げ、超絶可愛いんだけど!!」と興奮する時もあるが、そこは一律に「可愛い」と言うようにしている。
子育て経験のある人や、母性がある女性は、きっと全ての子どもを可愛いと思うだろう。
しかし、中には「可愛い」と言うことが「正解」だから、そう声掛けしてるだけで、実は可愛いとも可愛くないとも、何も考えてない人がいる。
その中の1人は僕である。
■子どもを見る目が冷めている
僕の場合はどうだろう。
どうして冷めた目で子どもを見てしまうのだろう。
それに気づいたツイートはこちら。
僕は子どもが欲しかったのかもしれない。これは嫉妬なんだ。
■ゲイのシングルマザー率の高さ
LGBTQの中で僕はG(ゲイ)なんだけれども、一般的にゲイは家庭円満ではないケースが多いかもしれない。それはゲイの友達や飲み屋(ゲイバー)であった人や、ゲイバーのママに聞いても、よく耳にすることだ。実際に統計を取ったわけではないから、確かではないので鵜呑みにはしないでもらいたいのだが、周囲のゲイもそう感じていることだろう。
特に、母親がシングルマザーである確率と、姉もしくは妹がいる確率の高さが異常に高いと思う。
遺伝子や胎児の発育環境もLGBTQになるかどうか関わっていると思うが、自身が育った環境因子もきっと関わっているのかもしれない。
しかし、僕の場合はというと、「家庭円満タイプ」である。父母ともに仲が良く、兄弟とも連絡を取り合っている。最近は全員一緒にご飯いくことはないが、それでも他の家庭よりもみんなが仲がいいのは確かである。
だからこそ、当たり前であった、円満な家庭生活や子どもをあきらめることに、いまだに踏ん切りがつかないのかもしれない。
子どもを見ないようにして、
可愛がる気持ちをなくし、
無意識に冷めた目で見ているのだろう。
それが僕の心を守る唯一の防御方法なのかもしれない。
■子どもを持てない人がいる
ゲイだから不幸だな。結婚できないし、子どもを持てない。
時々そう思う時がある。
なにせ、医者なのに結婚してないのだから。もしかしたら、めちゃくちゃ美人で性格のいい人と結婚できて、めちゃくちゃ可愛い子どもと一軒家に住んでいたかもしれない人生だったのに、なんて「たられば娘」になることもある。
でも、不幸だなって思ったときに、思い出すことがある。
それは若くして子宮全摘した女性である。
なんの疾患でだったか、忘れてしまったが、彼女がふとよぎる時がある。
ある日、産婦人科の先生からの依頼で、皮膚疾患を診に産婦人科病棟へ行った。彼女は手術直後で精神的にも不安定の可能性もあることから、看護師さんと一緒に病室にいったことも覚えている。病室をあけて彼女の姿を見たが、過剰に悲しんでいる様子もなく、神経過敏になっているわけでもなかった。
あらかじめその患者さんの情報があったからか、なんだか少し物寂しそうな雰囲気も感じた。でも、いたって普通の良識のある患者さんであった。
結婚をしていないその一見普通の彼女は、
そのあと、どんな人生を歩んだのだろうか。
こどもを持てない現実を目の当たりにして、
どう気持ちを整理したのだろうか。
自分だけの世界にいると
「ゲイは子どもを持てない」と考えてしまうが、
「子どもを持てない人のうちの1人」でしかないし、
子どもを持てない人なんてごまんといる。
僕の不幸は、不幸のうちではない。
そう、いいきかせている。
■嫉妬の王様
夜中の11時にこんなツイートして、朝起きて醜い自分を見返した。
自分の嫉妬心にどう向き合っていけばいいか正直わからない。
きっと脳内で彼女を殺していたかもしれない。結局嫉妬ブースト中の悪意を事細かく覚えてない。いつだって加害者は覚えてないものだ。でもよかった、脳内にとどめておいて。
不正解は「嫉妬に任せて攻撃する」であるから。
でも正解はなんなのだろうか。見ないようにすればいいのが、正解なのか。
そして「正解の行動をする」ことが、
僕にとっての正解かどうかはわからない。
少なくとも精神衛生上、正解ではないだろう。