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モッズスタイルとロンドンの風景

My film journey -あの旅を綴る-, 2nd roll 第五話

1999年3月、26年前のヨーロッパの旅。ロンドンでのウィンドウショッピングを思い返すと、地方都市のキャンパスで目にした洗練されたファッションセンスが蘇る。全国から集まる学生たちの中には、モッズスタイルを貫く人々がいた。Paul Smithの黒いジャケットにM-51のミリタリーコートを羽織り、足元にはDr. Martens。彼らはVespaに乗り颯爽と駆り抜け、独自のスタイルを体現していた。

Dr.Martensの大型店

そんな彼らを目にするたび、「オシャレだな」と感心する反面、自分には似合わないスタイルだと思っていた。しかし、せっかくロンドンを訪れたのだからと、いくつかのショップを巡ることにした。Paul Smithの店舗ではジャケットを手に取ったものの、体型に合わず購入には至らなかった。当時の自分には、SAINT JAMESやagnès b.、A.P.C.といったシンプルでフレンチカジュアルなブランドがしっくりきたのだ。

小道に所狭しと並ぶファッションブランドショップ

ロンドンといえば、ヴィンテージの古着も外せない魅力のひとつだ。コベント・ガーデンの古着店を覗いたが、旅の始まりということもあり、財布の紐を固く締めたままだった。結局、見るだけで終わったのは少し心残りだ。今になって思うと、あの時の古着店には相当良いものが信じられない値段で並んでいたに違いない。

もし今ロンドンを再訪するなら、BarbourやBARACUTAのジャケット、Tricker’sやJOSEPH CHEANEYのブーツをじっくり見たい。最近では、春夏にはイタリアンファッション、秋冬にはブリティッシュスタイルを好むようになった自分にとって、ロンドンは新たな発見に満ちた場所となるだろう。

コベントガーデンのマーケット

さて、ロンドンについて考えるとき、もうひとつ興味深いことがある。「2023年に行くべき52カ所」の第1位にロンドンが選ばれたというニュースだ。この結果には納得がいく。多様な文化が交差し、自分の好きなことを見つけられる特別な都市として、どの時代でも人々を引きつける魅力を持つ。

そして、驚いたことに、自分が住む盛岡がロンドンに次ぐ第2位に挙げられていた。ロンドンと並べられる街に日々暮らしていると思うと、不思議な気持ちになる。この地にもロンドン同様、多様な魅力があり、探せば新しい発見に満ちているのだろう。

1999年に訪れたロンドン、そして今住む盛岡。この二つの街が私の心に織りなす記憶と感覚を、これからも旅するように楽しみたいと思う。

All photos of my journey were taken by abeken with Ricoh R1s.

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abeken/アベラボ
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