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記憶を紡ぐ旅、ヴュルツブルクの再発見

My film journey -あの旅を綴る-, 2nd roll 第十六話

26年前にドイツ・ヴュルツブルクに宿泊した記憶があまりにも薄いので、再訪の願いも込めて、この街について少し調べてみた。

まずはGoogle Mapsで位置を確認する。ドイツの中心からやや南寄りにあり、フランクフルトやシュトゥットガルトに近い。そういえば、学校で習った記憶では、ドイツは南にアルプス山脈を抱え、北には暖流と偏西風の影響があるため、南部の方が寒いらしい。実際、今日のヴュルツブルクの気温は1℃、北部ハンブルクは3℃。ちなみに、私が住む盛岡の気温は4℃で、意外とこちらの方が暖かい。とはいえ、体感は4℃よりもっと寒く感じる。いや、盛岡の寒さは「冷たい」と表現するのが正しいのかもしれない。

次にWikipediaで街の成り立ちを追ってみる。ヴュルツブルクはミュンヘンと同じバイエルン州に属し、フランケン地方と呼ばれるエリアに位置する。人口は約13万5千人。世界遺産に登録されている「レジデンツ」という宮殿が有名で、その庭園や広場が観光の目玉らしい。また、この街はロマンティック街道の起点としても知られ、フランケン・ワインの産地としても名高い。前年、近隣のローテンブルクを訪れた際に、このワインをお土産に買った記憶はあるが、旅先で飲んだかどうかはまるで思い出せない。

古城からの眺め

思えば、人の記憶とはなんと曖昧なものだろう。旅をしている最中は、すべてが新鮮で「これは一生忘れられない想い出になる」と確信していたのに、気がつけばほとんどが霞んでしまっている。だからこそ、写真や文章が必要なのだと思う。記憶の断片を補い、失われていく時間の流れを少しだけ留めておくために。

フィルムの劣化により黄色が強くなったため、モノクロ加工へ。

アラフィフになった今、こうした記録の大切さを以前よりも強く実感する。忙しい日々の中でも、写真を撮り、こうして文章を書き残すことは、ささやかながらも大きな喜びだ。今はただ楽しみのために続けているけれど、いつかさらに年を重ねたとき、この記録たちがきっとまた新しい価値を持つだろう。これからもカメラとブログを手に、日々を彩り、記憶を紡いでいきたい。

All photos of my journey were taken by abeken with Ricoh R1s.

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abeken/アベラボ
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