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ミュンヘンの記憶と、変わらぬ味

My film journey -あの旅を綴る-, 2nd roll 第十八話

1998年に続き、1999年も再びミュンヘンを訪れた。前回はノイシュバンシュタイン城を観光した後、夜遅くに宿へ向かっただけだったが、今回はサッカー観戦と街の散策が目的だった。

写真には残していないものの、ミュンヘンの有名な美術館――アルテ・ピナコテークかノイエ・ピナコテーク――のどちらかに立ち寄ったはずだ。しかし、当時の自分は今ほどアートに興味がなく、「絵画を写真に撮る意味があるのだろうか」とすら思っていた。宗教画ばかりの展示にはすぐ飽きてしまい、館内を歩くうちに頭がいっぱいになったのを覚えている。

建築物の撮影の基本を学びたい

今では、美術館を訪れると、その建築を撮ることもあれば、展示風景を記録することもある。特に、娘たちが真剣な眼差しで絵画を見つめる姿をレンズ越しに捉えるのが好きだ。彼女たちは何を感じているのだろうか。この経験が、将来どのように活きていくのだろうか。そんなことを考えながら、ついシャッターを切ってしまう。夢中になっている表情も、飽きてしまって退屈そうにしている表情も、どちらも愛おしい。

見上げての撮影は、個人的に難しい

夜は、前年にも訪れた6大ビール会社の一つ、アウグスティーナー(AUGUSTINER)が運営するAugustiner am Domで、友人とともにドイツビールとソーセージを堪能した。ドイツ料理といえば「豚肉」と「ジャガイモ」が定番だが、不思議と飽きることはない。シンプルながら、毎回美味しく感じる。一方で、名物のプレッツェルだけはどうも馴染めない。あの硬めの食感と強い塩気は、一口で十分だと毎回思ってしまう。

1998年に初めてミュンヘンを訪れて以来、2024年の今までに計5回この街を訪れているが、その度に必ずアウグスティーナーでビールを飲んでいる。他にも魅力的なビアホールやレストランが数え切れないほどあるはずなのに、気づけばまたここに戻ってきてしまう。

それは初めてドイツビールを味わった場所だからだろうか。あるいは、新しい店を試して「やっぱりアウグスティーナーに行けば良かった」と後悔しないためだろうか。いや、単純にここのビールが好きなのだ。

どんな建築物やシーンであっても、自分らしい視点や切り取り方を確立させたい

新しいものに挑戦するよりも、気に入ったものを何度もリピートする――そんなところに、自分の性格が表れているような気がする。

All photos of my journey were taken by abeken with Ricoh R1s.


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abeken/アベラボ
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