暴発
お腹でスクスク育った大きな子宮筋腫。
子宮全摘手術を受けるまでと、その後の日々の徒然を記録します。
手術翌日の夜…。
~第19話~
手術後の早期離床も無事にでき、ヨロヨロと何かに掴まりながらだけれど、歩けるようになった。
自分が手に取りたいものを誰に頼むこともなく自ら手に取れる。
開けっ放しの水のペットボトル、落下細菌が気になるからフタをしたいけれど、そんなことでナースコールできない…。
時計を見たい。そこの引き出しに入ってるんだけど…。
等々、離床前は小さなストレスが大きかった。
自分で動けるようになって嬉しくて、まず窓まで歩いて外を見た。
自分が今この建物のどこにいるのか把握したい。
外を見たら、自分の職場の建物が目の前に!
実は私の職場の隣の病院に入院中だ。
あぁ、こっち側の部屋だったんだ…
職場には、夜遅い時間まで照明が…
こんな忙しい時にお休みをいただいてまして…ありがとうございます、と拝んでみた。
その夜、何となく気持ち悪くて頭もボーッとする。
もしかしたら熱が出たかもしれない、と看護師さんに申し出て、熱を測ると微熱程度。
頭を冷やしたら気持ち良いから氷のうを借りた。
そして、この日もまだナースセンター前の個室にいたため、ナースセンターで引っ切り無しに鳴り響くナースコール3種類と何かのアラート音2種類を延々と聞きながら、一睡もできず…。
まだ姿勢を変えると激痛が走るので、そーっとそーっと横になっていると、お腹がすごい勢いでグルグル言っている。
気持ち悪さも続いている。
特に気持ち悪さは痛み以上につらい。
堪らずナースコール。
忙しい中来てくれた看護師さんに自分の症状と、その理由を自分なりに考察した結果を伝えた。
私はアレルギー持ちでずっと抗アレルギー薬を飲んでいる。
1年間のうち真夏と真冬の2週間ずつくらいは飲まなくても大丈夫なのだけれど、この抗アレルギー薬は飲むのを止めると、私の場合、離脱症状がある。
添付文書にはそんなことは書いてないし、探してみたけれど、そんな症例報告もなさそうだ。
でも私の体はそうなのだ。
今回、手術前夜はこの抗アレルギー薬を飲んだけど、手術当日と翌日のこの日は飲んでいない。
2日飲んでないから、その離脱症状として今気持ち悪いのではないか?
試しに抗アレルギー薬を飲んでみたい。
それで治ればそうなのだし、治らなければ違う理由だとわかる。
確認してきます、と看護師さん。
そして戻ってきて、申し訳なさそうに
「先生が服薬中止で指示してるから飲めません。でも吐き気止めなら飲めますけど、どうしますか?」
そうか…手術で体がどんな反応するかわからないから、必要最低限の鎮痛剤以外は全て中止なのだろう…。
吐き気止めなら、もう少し飲まずに我慢してみることにした。
その後、気持ち悪い時はトイレに行って排泄してみたら良くなるかもしれないと思って、トイレへまたヨタヨタ行った。
そして、便座に座った途端、お腹のグルグルが急激に加速。
そして暴発した大量ガス。
人生初くらいの大量ガスだった。
こんなに体内にガスが存在できていたことにびっくりだ。
そうか!
開腹手術したら、腸を戻すために、腸内に空気を送って、位置を調整するのかも?!
そのために腸に空気が溜まっていたのか?!
それならそうと、先生!
そうしたよ、と知らせておいてくださいよ!
入れたのなら出さなくちゃなんだから!
なんて思いながら暴発は続き…
頭の中では日本昔ばなしの屁ひり女房の話が思い浮かんでいた。
私は暴発してるだけで、せっかくこんなにすごいガスなのに、役立ってないな…
あの話はハッピーエンドだったっけ…等々。
屁ひり女房の話はこちらのリンク先で読めます↓
たくさんガスが出たら、気持ち悪さも少し落ち着いていた。
翌朝、看護師さんにその話をして、手術で腸に空気を入れたりするか聞いたところ…
「それはないと思いますよ。手術すると腸が1回麻酔で止まっちゃいますから、それでBECOさんの腸にガスが溜まっただけですね~。」
と笑顔で…。
そうか…
先生、疑ってごめん。
私の腸内生産ガスだった…。