貯まらない話 ~手術への道のり⑥~
お腹でスクスク育った大きな子宮筋腫を取るため、子宮全摘手術へ向けて、日々の徒然を記録します。
~第15話~
ここへ来て職場がとても忙しくなってしまっているのに、私はこの2日間、体調不良で休んでしまった。
第14話でその日の一部を書いたが、先日の丸1日かけての診察&処置の負担が私には大きかった。
↓第14話はこちら↓
特に貯血。
大きな手術になりそうで、輸血の必要に備えてあらかじめ自分の血液を貯めておこうというもの。
自己血貯血
担当医師には「献血みたいなものだよ」と言われたので、ソファに座って、点滴みたいに針をプスッと刺して…と思っていたら、ちょっと違った。
処置室へ行き、看護師さんにベッドへ案内され…私の腕をチラッと見た看護師さん。
チラ見だけで私の腕が「出ない系」と把握。
「先生が来るまでにいろいろ準備しておきましょうね~」
と、腕を暖めたり、擦ったり。
そのうち私の担当医師がやってきた。
私「あれ?先生がやるんですか?」
看護師「これはお医者さんの仕事なんですよー」
へぇ~?!
先生も私の腕を前に、ここか?いや、ここか?
うーん、ここは手術の時にとっておこう。
いや、でもやっぱりここだな!
と悩みつつ、ポイントを決め…ヨードヒタヒタの大きな綿球をビショビショと…
あっと言う間に腕は茶色く染まった。
私「うわっ、手術みたい!」
看護師「そーなんですよー。でも今日は黒い服着てきてくれたから、ちょっとくらいハネが飛んでも大丈夫そうね。」
私「えぇ、まぁ…。」
1回目
けっこう太くて長い針を刺して、プニョプニョのニギニギを握らされ、先生に促されるままグーパーグーパー。
刺さってる針が痛い…
異物感がすごい…
医師「うーん、ダメだなぁ」
ん?ダメ?出てない?
看護師さんが私の腕を擦ると、時々ゴボゴボっと音を立てて血液が出ていくのを感じる。
けど、思ったように出ていかないらしい。
医師「ダメだ!ストップ!」
1回目、途中で止めて、そこまで貯めた血液は廃棄に…。
2回目
2回目、腕を変えて、再度トライ。
今度も同じ感じ。
あぁ、ダメなのかなぁ…と思っていたら、本当にダメだった。
2回目も廃棄に…。
どちらも100ml以上は採れていたし、パッと見だけどもしかしたら200mlくらいはあった。
両方合わせれば目標の400ml採れてるのに…
貯血用のパックにはもともと血液凝固を阻止する薬剤が入っていて、400ml用の貯血パックには少なくとも350mlは入れないと使い物にならないらしい。
残念…。
もったいない…。
と内心思っていたら、突然、先生が
「悔しー!!!」
と大声で叫んだ。
びっくりした。
ぶっきらぼうで素っ気ない先生が、こんなに感情出すんだ?!
やっぱりこの先生、私は合いそうだわ、と思った。
貯血できなかったので、手術中に必要があれば輸血になるけど、なるべく輸血しないでギリギリまでやってみる、と先生は言ってくれた。
この先生にお任せしよう、と思った。
そして翌日
そんなこんながあり、もともとここのところ不正出血もあった私は、一時的に貧血になったらしく…?
翌朝、起き上がろうとするとめまいがして、脳がフーッとして起き上がれず…。
出勤は断念して1日横になり、何とか起き上がってご飯を食べて鉄剤を飲んで、しっかり休んだけれど今日もまだフワフワしていて、脳がフーッと抜けちゃう感じが続いた。
職場がこんな大忙しな時にもうすぐ病休な上に休んでしまって申し訳ない気持ちと、こんな大変なときにこそ役立ちたいのに、それができない自分の体を苦々しく思う気持ちと…
でも、焦っても仕方ない。
この体と一生付き合うのは私だ。
私のことを一番大切にできるのは私しかいないのだから。
今私にできるのは、
目の前の手術に向けて体調を整えること、
無事に手術を終えて、しっかり体を戻すこと。
手術まであと6日。