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いざオペ台へ

お腹でスクスク育った大きな子宮筋腫を取るため、子宮全摘手術へ向けて、日々の徒然を記録します。
いよいよ手術です!

~第17話~

オペ前日

前日に入院し、意外とすることもなく、まったりと過ごしてた。
個室を希望したけど、空きがなくて4人部屋に。
4人部屋だから周りが気になって、ソワソワしがちなオペ前は、かえって気が紛れて4人部屋で良かったかも、なんて思った。
向かいの人がいびきかいてたり、隣の人が独り言言ったりもするけど、わりとみなさんおとなしめ。

前処置は

浣腸も下剤もなし。
剃毛等もナシ。
おへその掃除だけは入院してすぐにされた。
オリーブ油を綿棒に付けて、ちょこちょこっと。
夕食も普通に出て、何だか気合い入れて入院したけど、静かな時間が流れるな~と。
経口補水液を500ml2本、明日の朝までに飲んでおくように言われた。
飲めなかったら点滴するよ、とのこと。
飲み始めたらおいしく感じたので、ごくごく飲めた。
夜は睡眠導入剤が処方されていて、今夜はこれ飲んでしっかり眠ってね、と看護師さんより。

しかし、睡眠導入剤飲んでもお目めパッチリ。
あら、どうしたことかしら?
枕が変わると眠れないタイプでもあるけれどね、確かに。
しかし、いつもみたいに耳栓とアイマスクを付けたらぐっすりと眠れた。

いよいよ朝

翌朝、早くから看護師さんに起こされた。6時過ぎくらい。

あと少しの間で経口補水液を飲み干すように促され、飲み終えたらもう水分は一切取らずに、手術衣に着替えるように、とのこと。
パンツや靴下は履いていて良いけれど、他は一切身に付けないように、とのこと。
手術前で緊張してるのか?やたらとお通じがよくて、3回くらいトイレへ。

手術は9時頃~。
8時50分に部屋を出て、家族が来てくれていたので、ちょっとだけ顔を合わせた。
行ってくるね、と貴重品入れの引き出しのカギを家族に預けた。

そのまま手術室のあるフロアへ看護師さんと歩いて移動。
「今緊張がピークですよね!」と煽る煽る。
そう言われるとそうなのかも…とつられてますます緊張してきた。

手術室の前室に入場。
そこで名前を言って、不織布のキャップを被った。
実は仕事で不織布キャップはよく着用する私。
素早くきれいに髪の毛1本もハミ毛せずに着用できたので、看護師さんから褒められた。
まぁそれほどでも…とニヤリとするに留めた。

オペ室へ

いよいよオペ室内へ。
私は仕事でこの病院のオペ室に何度か来たことがあって、知っていたのだけれど…

そのときと全然違う!
実際使うときは、こんなにデコレート?されるものなんだ?!と感動した。
仕事で見に来た時は、殺風景な何もない冷たい空間だったのだけれど、今回はクッションが各椅子に設置されていて、あちこちに吸水シートやらガーゼやら…。
何より明るい雰囲気。

さっき前室にいて、うろうろしていたおじいちゃんが来て、今日担当する麻酔科医です、と自己紹介してくれた。
私はこのおじいちゃんはオペ室の物品補充などのためのシルバーさんかなと思っていたので、びっくりした。

オペ台の上へ促されて横になる。
背中に当たるクッションがふんわり。
それを麻酔科医に伝えたら
「長時間横になってもらいますからね。」
とのこと。
何か心配なことはあるか聞かれたので、先日手術を受けたばかりの人から聞いた話で、気管内挿管を抜くのが遅くて辛かったと聞いたので、それが怖いです、と話した。
「BECOさんが目覚めたとわかった瞬間に抜いちゃうから一瞬ですよ」
と挿管する予定の器具も見せてくれた。
想像してたより細い器具だった。

点滴のためのルートを看護師さんが取ってくれた。
オペ室の看護師さんはどんなにバリバリなんだろ?と思っていたけど、意外にやはり私の腕の血管出なさ具合に苦労していて、何だかあまりにもいつも通りで、和めた。
麻酔科医が
「あなたの血管はデリケートで、刺した瞬間にギュッと縮んで逃げちゃうみたいね」
と言ってきた。
前に違う医師からも言われたことがある。
血管出ない系の人に対する決まり文句なのか、本当にそうなのか…。

そこへ担当医がやってきた。
自分の名前と、今日受ける手術の内容を言ってください、と言われた。
それに答える間、担当医のマスクしてない顔を初めて見た。
意外とマスク無しの方が先生カッコいいなと思って、それを言おうかなと思ったけど、言われてこの先生が良い気分になるか悪い気分になるかわからないから、手術前にわざわざ言わなくて良いかと思って言わずにいた。

「では麻酔が入りますよ。BECOさんは薬剤師さんだそうですね。今日使う薬剤は筋弛緩剤○○と麻酔剤○○で、術後は麻薬の○○も使います。アレルギーがあるようなので、NSAIDsは使用しないでおきますからね…」
等々麻酔科医より説明あり。

オペ室には音楽が流れていて、パッヘルベルのカノン。
優雅に良い感じ。
この音楽に乗せてオペしてもらえるのか…と安らいだ。

「では入りまーす。ちょっと染みますよ」と言われて2秒後くらいに点滴の腕が染みた。
その直後、顔の口の周りの筋肉がふにゃっとするのがわかった。
筋弛緩剤だ。
そして、呼吸ができない!
これにはびっくりしたし、かなりの恐怖!
ちょっと待って!息できないんですけど!
と言いたいけど言えない。
そして、その瞬間に音楽がロックに変わった?!
え?!カノンじゃないの?!
先生、ロックかよ!!
と思ったところで記憶が途絶えた。