見出し画像

練習をしているのに上手くならない理由②

「練習をしているのに上手くならない理由」というテーマの2つめ。前回は「音の高さは分かるが“長さ”が分かっていない」という内容でした。



「通して弾いてばかりいる」

これもついついやってしまいがちではあります。
また、ある程度譜読みも完了した段階であれば、通す練習自体も間違いなく必要です。

しかし、こればかりになってしまっている方は注意。

苦手なポイントに絞って“そこ”を練習しよう

誰だって、完成に至るまでには、ほぼほぼどこかしらに苦手なポイントを持っているものです。

そのポイントは個々人の得手不得手により異なりますが、毎回決まった箇所でなにかしら突っかかっているという部分はおそらく共通。

例えば
・セクションの変わり目
・伴奏型が変化する
・音域が急に変化する
・書法自体が変化する
(伴奏+メロディの形に忍び込む対位法的書法etc.)
(意外と多い)ページのめくり目や段の変わり目で意識が追いついてない
・運指に迷いがある
・3拍子の曲の3拍目から次の1拍目への移動

などなど。

で、そのいわば「ギクシャクとしたちょうつがい部分」に狙いを定めて練習することが大事です。

ということはまず、ポイントをしっかりあぶり出す必要がある。

「ここどうも苦手だな」というポイントを探しましょう。出来れば「何が上手くいっていないのか」まで見つけられるといいのですが、それはなかなか難しいこと。先生であれば指摘をしてくれることでしょう。

実は苦手ポイントって目を瞑ってスルーしがちなものですが「それをしていたら上手くならない」という事に気づけた人から上達していきます。

そしてポイントが判明したら「その部分」を練習すること。


たとえば、音域が急に変わることで移動が追いつかないのであれば
→飛ぶ前の音から飛んだ先への音へと、スムーズに移動して着地する練習

運指が不明確で(例えば)3で弾くか4で弾くか迷ってしまうなら
→再検討して書き込み。しばらくその運指で繰り返してみる。

ページの変わり目でめくる動作が入るからつながらない
→コピーして横に並べ、めくる動作を介入させない!
(楽譜のコピーは時と場合、必要に応じて。)

などなど、ポイントを絞った上でその場に応じた対処をすることが大事です。


苦手ポイントを磨いたら「元あった場所にはめこむ」

そしてもう一段階大事な事が。

それは
「苦手ポイントをクリアにしたら、その前後とつなげる」
ということ。

ギクシャクとしていたちょうつがいに、油を差し表面も磨きました。

しかし、部品はただの部品ですので、もう一度元あった場所にはめ込み、その前後となだらかに繋がるまで馴らし運転をしましょう。

初めは一番近い距離、前後の拍と繋げ、次に「前後の拍」から「前後の小節」へと距離を伸ばし、さらにさらにもう少し長く…といった具合に。

まとめ

「上手く機能していない部品を探す」
→「部品を外して磨く」
→「もとあった位置にはめ込む」
→「馴らし運転をして問題ないか確認」

この一連の流れを意識するようにしてください。


…と言っても!

私だってややもすると、漫然とした通し練習ばかりやってしまっていたり…。言うは易く行うは難し、です。

何事もバランスよく。
部品磨きも大事。通し運転だってまた大事。
どちらもやりましょう。偏りすぎが禁物なだけです。少ない時間で効率よく上達出来るよう頑張りましょうね。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?