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練習をしているのに上手くならない理由①

今回は、せっかく「練習をしているのに上手くならない理由」というテーマでお伝えします。

ピアノは「練習しなければ上手くならない」のですが(これは間違いありません)、「練習をしているのに上手くならない」という悩みを抱えている人も意外と多いように思います。

だからといって「もっと練習量を増やせばいいのか」というと、そういう問題でもないように感じることがほとんどです。


「音の高さは分かるが“長さ”がわかっていない」

私が多くの生徒を見てきて感じる「上達の妨げになってしまいがちな要因」はいくつかあるのですが、一番多いと感じるのが

「音の高さは分かるが“長さ”が分かっていない」

ということ。

せっかくの熱心さや練習量の多さが演奏の成果として結びつかない場合、原因の多くはここにあります。


高さは根性で読めるが、長さはそうもいかない

ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、実は高さ(ドレミ)に関しては意外と根性で読めてしまうもの。

では長さはというと…?

各音符の種類とその長さの把握、付点がついた場合、複付点がついた場合、タイで結ばれた場合など、前提として持っておかなければならない知識がいくつかあります。鍵盤の前で考える前に、手拍子やあるいは口で数えながらタイミングのみを測る練習の期間が必要かもしれません。しかしそれを通ってきて無い方も多く見受けられるように感じます。

「勘」でタイミングを測っていたり、「音源に合わせて」弾けるようにしたりと、あくまで“なんとなく”の把握にとどまっている例が多いです。

そのためいつまでも
「合っているような(でも合っていないような…)
というモヤッとした状態が続いてしまいます。

これではいくら練習を重ねたとしても、“それっぽい仕上がり”の状態を突破できないので、上達の実感を得られません。


音符の長さを分かる人になろう

解決するためには「音符の長さが分かる人になる」それが一番大事です。

そのため、私は多くの生徒に「リズムの基礎」という教材を課題で出しています。

この教材はまずは4分音符を正確なタイミングで叩くところから始まります。

意外とここが難しい。でも続けているうちに間違いなく正確に叩けるようになっていきます。正確なタイミングを「心に植え付ける」感じ。ここが全ての基本ですから、この感覚を磨きに磨いておいて損はないです。

これは「ソルフェージュ」という大事な音楽の勉強の一環。

趣味で嗜むピアノでも、大人から再開したピアノでも、最低限ここを通った方がいいように感じています。

譜読みとは音の「高さ」と「長さ」を「同時進行」で読む作業。

どちらが欠けても成立しませんが、両方一緒に読み解くためには熟練を要しますので、ここでは一旦「長さ」のみに焦点を絞りそこを強化。

これを続けていくことで、勘頼みや音源頼みではない「譜面の情報から自力で長さを読み解ける人」になります。


一つ一つの音符の長さに対して律儀になりリズムが整うと、テキパキとして風通しが良く、どこか凛とした佇まいを持った演奏になるように思います。

ピアノの練習とは鍵盤の上で手を動かすことのみではありません。

むしろ鍵盤から離れてリズムを単体で磨くことで、改めてピアノの前に向かった時、より効率良く仕上げに持っていくことが出来るのですね。始めはちょっと億劫に感じてしまうかもしれませんが、ぜひ取り組んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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