セーザイゲーム実施
こんにちは。木と木育でやさしい世界をつくる阿部製材所の阿部高志です。
先日、9月19日に 気仙地方林業振興協議会さまからご依頼をいただいて、大船渡東高校1年生のみなさんにセーザイゲームを実施してきました!
会場となった気仙大工左官伝承館 の建物が素敵で。
午前中に伐採現場を見に行かれた学生のみなさんが、午後からこの建物の造りを見て、それからセーザイゲームをするという、林業・素材生産から製材、建築まで、すべてがつながるストーリーを1日で見て知って触れることができたと思います。大船渡農林振興センターさんのプログラムの組み立てが素敵でした。
たとえば、シンメトリーに柾目を見せる鴨居の製材の仕方なども、実際に鴨居を見せながら説明ができました。
製材という仕事を楽しみながら考える
熊野林星会さんが開発したセーザイゲーム。
今回は私がファシリテーターとしてみなさんに山と木の役割や林業・素材生産のこと、伐って使って植えて育てるサイクルの重要性、製材と建築、木育についてなど、限られた時間でしたが体系的に伝えたつもりです。
これから全国各地で木材業界の仲間がセーザイゲームを利用した「製材」について、ともに考えながら広めていきます。
林業・素材生産、山で木を切る人のことは、「きこり」と呼び。
木で家をつくる人のことは、「大工」と呼び。
その間で、丸太を製材する人のことは、なんて呼ぶでしょう。
思い浮かばないですよね。私自身も良い単語やフレーズが浮かびません。
昔からある産業の一つですが、なぜここだけ呼び名がないのでしょうか。同時に、みなさんから認知されていない業界と受け止めることもできます。
きこり、大工と言われると、どんな仕事をしているかイメージがつくと思います。じゃあ、製材と言われると…?
山の木を伐って、使って、植えて、育てるというサイクルを回すためにも、どう使うか、何に使うかを考えるにあたって、丸太を加工することが必要となります。私たちの仕事、実はとても重要なんです。
住宅に、家具に、さまざまな木製品に使用されるために製材するところ。まさに製材所は、なくてはならない役割です。
製材に求められる3つのスキル
・目利き
・セリ / 入札
・木取りと製材
セーザイゲームではこの3つの要素を楽しみながら学べたんじゃないかと思います。
ゲーム導入のプレゼンで眠たそうにしていた学生も、ゲームスタートと同時に元気にコミュニケーションを取りながら木取りをしていたのがとても微笑ましかったです。
高校生4チーム、大人1チームの計5チームによる勝負は、大人チームの優勝で幕を閉じてしまいましたが、チームによってセリでの戦略、木取り・製材の戦略が異なるのがやっぱり面白いです。
正解はないけど、よりベターを探して仕入れをする、製品をつくる。 無意識のうちにこんなことも考えていたはずです。
今回、ファシリテーターを務めるにあたって、スライドの元データを自分用に、地域用にカスタマイズしたり、伝え方や言葉のチョイスをとても考えさせられました。 これまで世代ごとの木育を意識して、木育ひろばや木工教室などを実施してきましたが、もっと木や山に踏み込んで伝えることの必要性も感じたところです。
岩手でセーザイゲームを始め、木育についてイベントや体験の場をどんどんつくっていきたいと改めて思いました。