屋久島麦生の盆の聖なる食い物、ろうそく巻き
ろうそく巻きはもち米の粉をマキの葉で細長く括って作ります。
仏壇には14日昼は丸いだんご、15日昼はこのろうそく巻とそうめんを供えます。
それぞれ夕飯どきはごはん、おつゆ、つけもん、煮付け、ところてんなどなど、小皿を五つ揃えてご先祖様の御膳に整えます。
お話を伺ったO家は隠居さんのおうちなので、ちゃんとした形は本家(息子さん宅)に任せていろいろ省略しているとのことでしたが、ご先祖様への愛情は変わらずひしひしと感じます。
15日はお金を持って新盆の家へ出向き、返礼はお茶とお菓子や日用品です。新盆のお宅では、昔は来客へ御膳を出していましたが、お客からしたら何軒も回るので手をつけることはほとんどなく、いつの日か申し合わせて出さなくなりました。
先週は日向灘で地震があり備蓄のことなど考えていたところに、95歳の大先輩がいう「米と味噌をわが作っていれば食べていける」にはリアリティありすぎです。
聖なる食い物はろうそく巻きの他にそうめんやところてんがあります。ところてんは近年は天草の不漁で作られなくなっており、残念至極。
追記
お盆の恒例、なぎなた踊りを観ようと踊り手の皆さんが着替えのため集まっている公民館へ行くと、昼を食べていけと誘われて図々しくもご相伴にあずかります。ヘキンコの唐揚げは麦生の夏のソウルフードです。冷房の効いた大広間で小骨を気にしつつ貪る白身の美味しさ。秘伝のタレにダイダイが使われてるのは・・・みんな知ってるみたいですね。