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ガンダムSEEDが教えてくれたキャリア論(1) 〜ガンダムSEED篇〜


1. ガンダムSEEDと人生の道(キャリア)

人生で最も影響を与えたアニメは?と聞かれたら、迷いなく「ガンダムSEED」と答えます。

ガンダムSEEDシリーズは、以下のように、20年以上にわたって続く伝説的なガンダムシリーズで、「21世紀のファーストガンダム」と言われています。

  • TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)

  • TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2005年)

  • 映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024年)

TVアニメシリーズは数え切れないくらい観ましたし、本年1月26日に公開された映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』も観に行きました。

映画『ガンダムSEED FREEDOM』パンフレット

架空の紀元であるコズミック・イラ(C.E.)という時代に展開されるガンダムSEEDの世界観に一貫しているのは、ナチュラル vs コーディネイターの戦い。

これまでの人類である「ナチュラル」と比べ、バイオテクノロジーによって遺伝子調整が行われた人類「コーディネイター」は、あらかじめ強靭な肉体と優秀な頭脳を持って生まれ、生物個体としての能力が異なります。

ナチュラルが統治する「地球連合」(ユーラシア連邦や大西洋連邦、東アジア共和国等で構成)と「地球連合軍」。コーディネーターが統治し、スペースコロニー群で構成される国家「プラント」(P.L.A.N.T.:Productive Location Ally on Nexus Technology)とその軍隊である「ザフト」(Z.A.F.T:Zodiac Alliance of Freedom Treaty)。

生物個体としての違いから生じる人間同士の差別意識に、政治的な対立が加わり、地球 vs プラントという宇宙戦争が続いていきます。

その中で、主人公キラ・ヤマト達が、技術の粋を集めて作られたガンダム(モビルスーツ)に搭乗し、自らの手で自らの道を切り開くべく戦います

主人公キラ・ヤマトの搭乗機 フリーダムガンダム
キラの幼馴染 アスラン・ザラの搭乗機 ジャスティスガンダム

シリーズ通してどの回も素晴らしく楽しめますが、特に、TVアニメ2作品のプロデューサーをされていた宮河恭夫さんが、放映時に人気の盛り上がりを見せたタイミングとして挙げている、『ガンダムSEED』の第35話(PHASE-35)「舞い降りる剣」は一押しです。

以下の動画の15:08-18:18を観てみて下さい。

味方の宇宙戦艦アークエンジェルが絶体絶命の瞬間、フリーダムガンダムが宇宙から地球に舞い降り劇的に救うシーンは、T.M.Revolutionの挿入歌『Meteor –ミーティア–』も合わさり、一気に興奮が高まります。

このシーンは、単にエンタメとして素晴らしいだけではありません。自身の人生を何に使うのか、どのような志・大義のために生きるのかを考える重要性を教えてくれるため、人生やキャリアの節目節目で数え切れないほど(おそらく何十回と)観ました。

最近、高校生や、大学生、20代の新社会人の方々から、キャリア相談を受けることが多くあります。私自身まだまだ人生の道半ばなので、如何ほどのものが伝えられようかと思いながらも、かつて私も先輩方に色々お聞きして人生を模索してきたので、少しでもお役に立てばという思いで、毎回お答えしています。

本稿では、それをアニメという切り口でまとめて書いてみようと思い、筆を取りました。これからの日本を作っていく学生や新社会人の方々に少しでもお役に立てば幸いです。
(是非『ガンダムSEED』シリーズも観てください!きっと示唆があるはずです!)

【参考】TVアニメ『ガンダムSEED DESTINY』のダイジェストは、以下。

【参考】映画『ガンダムSEED FREEDOM』の予告編は、以下。

2. できること、望むこと、すべきこと

私のこれまでのキャリアについての考え方は、ガンダムSEEDが言語化し、教えてくれました。

それは、「『できること、望むこと、すべきこと』の交点を考える」ということ。

私がキャリアを選択する際には、常に以下の3点を意識しています。

① できることは何か(What I can do)
② 望むことは何か(What I want to do)
③ すべきことは何か(What I should do)

TVアニメ『ガンダムSEED』より

この3つの交わるところに進むべき道があると考えています。もちろん、その時々において、①・②・③の比重は異なります。②に重きを置く時もあれば、③に重きを置く時もあります。

3. 注目シーン3選

この考え方の元となったのは、主に以下の3つのシーンです。

第34話「まなざしの先」

上記動画の14:20-15:57を観てみて下さい。

  • キラ:僕は、行くよ。

  • ラクス:どちらへ行かれますの?

  • キラ:地球へ、戻らなきゃ。

  • ラクス:なぜ?あなたお一人戻ったところで、戦いは終わりませんわ。

  • キラ:でも、ここでただ見ていることも、もうできない。何もできないと言って、何もしなかったら、もっと何もできない。何も変わらない。何も終わらないから。

  • ラクス:また、ザフトと戦われるのですか?
    (キラ、首を横に振る)

  • ラクス:では、地球軍と?
    (キラ、首を横に振る)

  • キラ:僕たちは、何と戦わなきゃならないのか。少し、わかった気がするから。

  • ラクス:わかりました。

(「①できることは何か」についてのやりとりと言えます。マックス・ウェーバーの「職業としての政治」の一節、「それにもかかわらず」を想起させます。)

第37話「神のいかずち」

  • ムー:お前は一人でも戦う気か。

  • キラ:できることと、望むことをするだけです。このままじゃ嫌だし、僕自身、それで済むと思ってないから。

(「①できることは何か」「②望むことは何か」の2つですね)

第48話「怒りの日」

  • カガリ:できること、望むこと、すべきこと。みんな同じだろ?アスランも、キラも、ラクスも。私もさ。

  • アスラン:カガリ…。

  • カガリ:戦場を駆けてもダメなこともある。だが、今は必要だろ?それが。

(「①できることは何か」「②望むことは何か」「③すべきことは何か」の全3要素ですね)

4. 危機に強い社会をつくる

これまで、医師・官僚・国連機関・シンクタンク・経営コンサルタントなど、様々な世界に足を突っ込んできましたが、自分自身としては趣旨一貫しています。

それは、「危機に強い社会をつくる」という理想・大義のために、上記の3点に照らして何でもやるということです。

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