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「志望校・志望学部」ってどう決める?

挨拶

 皆さんこんにちは! 「学参コンシェルジュ・あべはやお」です。

 お久しぶりですね。 ご無沙汰してしまい恐縮です。

 さて、私はといえば、新年度になって自分自身少しずつ慣れてきて、時間の使い方が見えて来ました。

 何よりも受講生の皆さんへの貢献を目的として、そして新しい皆様との良い出会いを夢見て、ボチボチと無理することなく気軽にnoteに投稿していきたいと思います。

 今年度もよろしくお願いいたします!


前提事項に変えて ~私・あべの”バックボーン”~

 私・あべの自己紹介も兼ねて! 私は、会社員&予備校講師として働きつつ、大学院を修了後、現在も在野で研究を続けています。

 そんな僕の専門分野は、「教育学」(と「日本語学」)。

 中でも、

・主に大学(院)教育について研究する「高等教育論
・主に高校教育について研究する「後期中等教育論

等を専門としており、研究テーマは学部生の時代から

高大接続問題(主に「大学入学者選抜制度改革」について)

を扱って10年が経ちました。

 先日も来月の学会発表を決意し、申し込みを終えて原稿の準備を進めております!

 すわなち、私は予備校講師以外の顔として、「大学(・大学院)とはどういった『教育(・研究)機関』なのか?」とか、「そもそも『教育』とは何なのか?」といったことを日々探求しており、

・「教育学」&「研究」の観点が強く学習系アドバイスに反映される

という特徴があります!

 故に、教育学に携わる者としての「理念」的な部分も大事に、自らの教育活動会社員(社会人)生活で培った現実的な現場感覚を反映して、「バランス」を意識したアドバイスを重視しています。

 「自分自身の活動に一貫性を持たせる」という意味で前者を特に大事にしながらも、「理想論」だと皆さんに退けられてしまわぬよう、現実状況を十分に加味して両者をきちんと融合させた教育活動を展開したいな、と常日頃から模索しています!

 今後私がお伝えしていくお話は、今まであまり聞いたことが無い視点もあるかもしれませんが、「こういう考え方もあるんだ!」と思って「視野を広げる」という意識で聞いていただけると嬉しいです。


志望校・志望学部をどう選ぼうか?―導入―

 さて今回は、「志望校・志望学部をどう選ぶか?」という、この時期にとーってもよく聞かれる質問にお答えします。

 結論としては、

・その大学・学部で”誰に師事”して”何研究したいのか?

をとにかくしっかりと意識しようね!とお伝えしています。

志望校・志望学部をどう選ぼうか?―「大学」とは―

 まずは、前述の標語の意味を紐解くところからはじめます。

 基本として、

・「大学」とは、最新の学術研究に基づいて教育活動を行う高等教育機関

であるという前提情報を押さえましょう。

 すなわち、(”日本”における)大学とは、

・「研究」と「教育」とを活動の両輪に持つ

ことが重要なポイントで、前者の「研究」という項目が入っている点が、高校までの学校との一番大きな違いになります!

 さらに詳しく説明すると、大学では、

最新の学術研究の知見を活かして、
教養を培うことを目的とした「教養教育」と、
専門分化した基礎的な内容を扱う「専門基礎教育」との
・二種類に大別される
高等教育学修(×「学習」)を目指す
教育・研究機関

なのです。

  ちなみに、専門性の向上(「専門教育」)大学院を主体にして行うのが、現代の高等教育の基本方針となっています。(「H14年 中教審答申」等を参照)

 以上をまとめると、大学教員は「研究者」としての「教育者」集団なのであって、皆さんはそんな大学教員のもとで運営される研究・教育の世界へと足を踏み入れようとしているのです!

志望校・志望学部をどう選ぼうか?―学部決め―

 さてさて、そんな大学という教育機関で、皆さんは一体、

・「どんな学部で”誰に師事”して”何研究・学修したい

のでしょうか?

 皆さんは、「大学名だけ」で進学先を決めてしまっていませんか?そうした表面的な進路選択は、おススメしません

 「こんなはずじゃなかった…」という「ミスマッチ」を防ぎ、充実した4年間を過ごすためにも、「大学名」ばかりに固執するのではなく、まずは「学部決め」=専攻したい分野決めからはじめたいところです!

 そして、その「学部決め」で大事になるのが、

自分が気になる大学とそこにある学部にはどんな教員がいて、どのような研究をしているのか?

という点です。

 この時にまず大事なのは、例えば、「経済学がやりたい」とかいう漠然としたイメージではなく、「具体的に経済学の何がやりたいのか?(ex.行動経済学、西洋経済史…)」までイメージできるようにすること。

 ここで役立つのが、総合大学(文理多様な学部を有する大学)のHPです!「学部名」をザーッとHPで眺めて、大学に存在する専門分野の大枠を捉え、興味がありそうな2~3分野を見つけたら、是非とも図書館や本屋に行って、超入門的な内容の本を読んでみてください。

 その中で、例えば、「あ!僕は、経済学の中でもここ最近注目されている行動経済学って言うのに興味があるなあ。」とか、「私は、歴史と経済の両方に興味があって、西洋経済史という分野でドイツ経済史について研究してみたいなあ。」とかって言うのが見えてくると思います。

 これが第一段階です!「興味のある分野を複数見つけて、それらを深掘りしてみる!」でございます。

 その際、「この段階で無理に一つの学部に決めきる必要はない」です!「気になるなあ」というものを幾つか持って次のステップに進むのも良いでしょう。

志望校・志望学部をどう選ぼうか?―教員調べ―

 次は、「教員調べ」に入ります。これが実はかなり大事です!!

 例えば、とても具体的な関心として「私は”教員の働き方改革”に興味がある」と自分の中で明らかになっているとして、「よし、教育のことだから教育学部にいこう!」とか「教育大学にいこう!」というのは、「もう少し思考を深めた方がいいかな?」という印象です。

 こういう時こそ、「具体的にどんな先生が研究しているのかなあ?」ということを調べてみましょう!

 例えば、「教員の働き方改革」に関しては、「制度的」に研究したり、「学校での子ども達の安全の問題」として分析したり、「労働問題」として研究したりと、いろいろなアプローチの仕方があります!

 そうした様々な「研究手法」を用いて調査・研究される、この「教員の働き方改革問題」を、一体自分はどんなスタイルで研究してみたいのか?ネットを調べて出て来た「有識者」を手掛かりに、その先生が所属する各大学に設けられた「教員紹介ページ」や「研究者人材データベース JREC-IN Portal」を使って詳しく調べてみましょう!

 このような「教員調べ」を通じて、「あ、この先生のもとで研究をしたい!」とか、「自分が思っていなかったこんな話題にも興味がありそう!」ということを見つけていきましょう!

 ただし、「その教員が所属する大学・学部に入ったからといって、必ずその先生に習う(これを「師事」という)ことができるとは限らない」ですし、「実際大学に入ったら、興味関心が変化・拡大する可能性も高い」という点も考慮しておきたいですね。だからこそ、「広い視野」で「教員調べ」をしておくことが、「ステキな進学」の第一歩になると思います!

 文理を問わず、「本当に自分の進学希望先で自分のやりたい研究ができるのかどうか?」ということは、しっかり意識しておきましょう!その際、

・最適な指導教員が見つかるか?

という点が大きな部分を占めるというのは、「学部生レベルならば、指導教員の幅を広めに確保できる」という大学生の時点の状況があるとしても、意識しておいて欲しいと思います!

 いくら、「〇〇学部」という学部名に入った「〇〇学」の範囲に自分がやりたい内容が含まれているとはいっても、

・進学先の大学に、研究したい分野の専門の教員がいるのかいないのか

で、その後の学びの充実度がかなり変わってくると思います。

 ちなみに、修士課程、博士課程と進んでいく中で、「指導教員」問題がとても大きな問題になっていくのは、頭の片隅においておくと良いかと!

志望校・志望学部をどう選ぼうか?―大学決め―

 以上、

① 学部決め-興味のある分野を複数見つけて、それらを深掘りしてみる!
② 教員調べ
自分が興味を持った「具体的な研究内容」について、具体的に、どんな先生方がどんな研究手法で研究しているのか調べてみる!

を実践してはじめて、

① 自分が興味を持っている学問分野を学べ、
② その中でも自分が特に興味を持っている具体的問題を専門的に研究できる環境が整っている

大学&学部を ”「志望大学」&「志望学部」” として決定することを推奨しています!!!

志望校・志望学部をどう選ぼうか?―補足事項

 ただし、

家庭の都合上、地元の大学に進学することを志望している。」

とか、将来就きたい仕事の資格関係とか、種々の都合がある場合もあると思うので、前掲の「原則」を随時アレンジしてお使いください。自分の「条件」の中で、先ほど紹介した「原則」を意識することで、より良い進路選択をするための指針になると思います!

 また、

「(特に理系で、大学生になっていろいろな学びを通じて視野が広がるとやりたいことも変わってくるので、高校生の時点で興味の範囲を具体的に狭めすぎない方が良いのでは?

というご意見もあるかと思います。これも重要な意見だと思いますので、

・今後の自分の伸びしろを考慮しておく。

と読み替えて、前向きに意識しておくと良いでしょう!

 なお、前述は、

・読書を通じて、自分の興味関心の範囲を広げておく

ことで、かなりブレが少なくなるのではないでしょうか?この意味で、

・大学での教育・研究に向けて、高校生のうちに楽しんで読書に励む

ことが大事だと、僕は最近強く思っていますよ!


まとめ

 以上本日は、「『志望校・志望学部』ってどう決める?」と題して、たっぷりとお話して来ました!

・その大学・学部で”誰に師事”して”何研究したいのか?

という結論から話題をはじめて、

・「大学」とは、最新の学術研究に基づいて教育活動を行う高等教育機関

という「大学」の定義から、大学での「研究」の重要性をお伝えし、そこに仲間入りしていく皆にとって、

・自分が興味を持っている学問分野を学べ、その中でも自分が特に興味を持っている具体的問題を専門的に研究できる環境が整っている大学&学部を ”「志望大学」&「志望学部」” として決定する

という、「志望校・志望学部」の決め方に関するより具体的な指針をお示ししましたね!!

 今日のお話を意識しながら、是非とも来年度の自分の姿を思い浮かべて、具体的な希望進学先を決めていきましょう~!!!

 以上、お疲れ様でした。
 最後までお読みくださり、ありがとうございました^^


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