七つの子 : another heaven 5
【注意】怖い話、嫌な話が苦手な方はスルーでお願い致します。
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ゆーびきーりげんまん うそついたらはりせんぼんのーます ゆびきった
嘘ついたぐらいで千本の針を飲まなくちゃいけないなら、オレは毎日何万本飲まなくちゃいけないんだよって話。笑える。
子供の頃、ゆびきりげんまんて、指を切るもんだと思ってたから、オレの周りの奴らの指をいっぱい切っちゃったけども。
いたいよーおかあさーん、だって。笑える。
それにしても、まぁ、アイツも馬鹿だな。
あ、オレが天才なのか。
「嘘をつく時は少しの真実を混ぜるのが常套手段」とはよく言うけど、こうも上手く行くとはな。オレって人を操る天才だわ。メンタリストダイゴよりオレのがすげーかも。笑える。
五年前のアイツもかなり笑えたな。
ちょうど近所の家を放火しようとしてた時に声をかけやがったんだよな。鬱陶しかったけど、警察に突き出されたら馬鹿みたいだから、悩み多き中学生を演じて誤魔化したらコロっと騙されてやがんの。笑える。それからは一緒にいると色々買ってくれるから、仲が良い弟分的な存在でいてやったけど。
オレの方が全然恵まれてるっつーの。ウケる。
七歳で母親に捨てられて、父親とボロアパート暮らしでいつもうじうじしてやがって、おまけにくそ冴えない浪人生。オレよりも五つも年上なのに、まんまと中学生のオレに操られて。
今思い出しても笑える。
ちょっと人を殺してみたいな、と思っていた時だったから助かったよ、マジで。アイツがいなかったら親か同級生を殺してたわ、マジで。
そうだそうだ。アイツが父親に買って貰って喜んでたせこい赤い軽自動車のカーナビに、前の持ち主の履歴が残ってるって聞かされた時に、閃いたんだよ。これは使えそうだなって。ホント天才、オレ。しかもアイツ、完全に病んじゃってて、そこに行ったって言うもんだから、思わず「グッジョブ!」って言っちゃいそうになったわ。あ、実際に言っちゃったんだった。笑える。
飴ちゃんをその家のポストに入れてきたとか、女の子が落としたハンカチを拾ったからまた洗って返すとか、ぬいぐるみやミニカーをあげるだとか…。どう考えてもキモいだろ。アイツ相当イカれてたな。若いお母さんがどうとか、公園でずっと見てたとか、キモいっつーの。
でもそこからは楽勝だったな。
相手の家族と揉めるのはもう明らかだったし、あの日、二時間かけてわざわざ隣の県まで追跡したかいがありましたよ。見事に揉めて、ブチ切れて。笑える。
そっからは選手交代。
気絶させられたのもわからないで、アイツ、自分が殺したんだと思ってくれちゃった。でも、パーキングエリアで寝ちゃうとは思わなかったよな。母親の死体だけ積んでどこ行く気だったんだろうか、アイツ。まぁ、病んじゃってる奴のやることは意味不明だわ。
まんまとオレの代わりに捕まってくれて、死刑にもなっちゃって。
オレからしたら一度で二度美味しいっつーの。
アイツの親父も悲惨だったな。
ま、オレが自殺に見せかけて殺しちゃったんだけど。
あれ以来収まってたんだけど、最近またオレの中の悪魔が騒ぎ出しちゃったんだよね。
あの廃墟と化した家、そしてカーナビの履歴をでっち上げた赤い軽自動車、ボロアパート、そして2年かけて育てた友達。役者は揃いましたー。
さてと、今回は何人殺そかな。
それにしてもあの中古車センターのおっさん、少し握らせたら、アカデミー賞もんの演技してくれたよな。
アイツには悪いけど、オレの身代わりになって貰おっと。
あ、オレ、1ミリもアイツに悪いと思ってないわ。笑える。
ハァ〜ア、もう寝るかな。
明日は、大学を休んで、と。オレを心配したアイツが来るのをゲームでもしながら待つとすっかな。きっとアホヅラだろうな。笑える。
つづく
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これはしめじのお兄さんが書いた世にも怖い物語から始まった企画に乗っかった物語です。下記が募集要項(?)です。
《カーナビに残る、前所有者の住所》の設定だけ残して、あとは全部変えてくれてもいいよ👌 (どんどんゆるくなっていく企画設定) あなたなりの解釈を。 あなたなりのストーリーを募集致します🐵
僕が今書いてるものはそれほど怖くないかもしれませんが、
しめじさんと穂音(ほのん)さんが書かれたお話はガッツリ怖いので、苦手な方は本当に要注意です(笑
↓ こちらは しめじさんが書いたオリジナル(ホラー? サイコサスペンス?)小説(全9話)。
↓ こちらが 穂音(ほのん)さんが書いた別の最終話。この物語を一番と言っていいほど怖がっていた方が、さらに恐ろしい最終話を書くという現象が起きました。人の心の複雑さを垣間見れた瞬間でした(笑
七つの子(9) : another world
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