大炎上スマッシュブラザーズ
毎日推しが大炎上する皆さんこんにちは。もうレイアウト考えるのが面倒だから地の文だけで書こうと思っている私です。
1/20に宇佐見りんさんが芥川賞を受賞し、その翌日に書店で取り寄せ、その2日後に受け取った、彼女の受賞作『推し、燃ゆ』を読了したという話をしますから、本に興味ない方はお引取りいただいても結構です。
それでは。
読むのに5ヶ月くらいかかったわけですが、これはひとえに私の体力不足のせいなので、決して読みづらい本だったというわけではありません。
実際、本の後半に関しては2日で読みましたし。単純に忙しさにかまけて勉強をサボってただけです。
で、読了の感想ですが、
「私は好きな本でした」
という、いつものところに落ち着きました。
『解釈する』、ということは、オタクには当たり前のことなのかもしれません。作中で繰り返される様々な『解釈』。それは正しいこともあれば、一般的には誤っているようなものもあります。しかし、それは目の前の現実を受容するための必要な作業なのです。
『解釈』ができなくなれば、何も受け入れられなくなってしまう。
『解釈』をすることで、人は進むことができる。それが無意識で行われているか、『解釈』と銘打たれているかの違いでしかない。
一人のオタクの女の子の中に、普遍的な人間らしい価値観が詰め込まれていました。
いや、むしろ普遍的な人間らしい価値観が、オタクの女の子の中から溢れ出ていたと言うべきでしょうか。
前半の気怠い日常と、後半の止まってしまった日常。そうです。「人は簡単に、強くはなれない」のです。そのことを改めて、思い知らされました。
私がこの作品を『解釈』したとき、失われた2020年が目の前にあるような気がしてなりませんでした。
あるべきものが失われてしまう喪失感。そしてそれは大きな、大きな力によるものであって、どうあがいたって取り戻すことはできない。
なんとも言えない切なさが、本文の始まる3ページ目から、125ページ目までの中に漂っています。
良作でした。
次は、彼女のデビュー作を読むつもりです。