1週間、お手伝いしながら暮らしてみた。 -阿久根ワーケーション体験レポ -
こんにちわ、田島美鈴です。阿久根市に1週間滞在するご縁があり、宝物のような経験ができたので、その体験レポをここに残します☺️
ん、阿久根って?
鹿児島県の港町です。縁もゆかりもないところですが、元々色んなところに行ってみたかったのと、
「クリエイティブスキルで企業の困りごとを解決をする代わりに、補助が出るプログラムがある」と知って、本職でデザインをしているので役に立てたらいいなと、応募したのがきっかけです。
どんなことしたの❓
最初の3日間は阿久根の観光・ご挨拶
4、5日目から企業の見学・ヒアリング
最後の2日でアウトプットの準備・提案
というスケジュール。出発前にオンラインで私のできそうなこと・してみたいことをお伝えしたところ、「海が好きならカヤックができますよ!👍」などざっくりとおすすめのプランを教えてくれました。
ただ、それぞれ具体的なことはほとんど決まっていなくて、ほとんど成り行きに任せます。というスタンスで、かなり自分のペースで赴くままに1週間を過ごせました🍵
いざ、阿久根へ!
羽田空港から2時間ほど。飛行機で鹿児島空港へ!阿久根へは、ここからバスでさらに2時間。毎日シャトルバスが出ているみたいです🚌
空港には足湯があるのでゆったり待ちます。正直観光ではそうそう行かない場所に行くので、生まれも育ちも東京の私は何があって何がないのか、想像がつきません。
電波って通ってるのかな..?紙の地図とか必要だった..?あぁ、虫除けとかも忘れた…。
ざわざわしながら、バスで薩摩川内市、出水市を通って、阿久根駅に到着。
ちなみにこの駅、すごく素敵な場所です。
交流館にもなっていて、夕方になると子供たちが宿題してたり、わいわい遊んでたり👦
1週間お世話になる、福崎さんともここで初対面!
打ち合わせしてる最中も、誰かがピアノで子犬のワルツを演奏しているのが聞こえてきます。
穏やかすぎる…!とんでもないところに迷い込んだ気分に。
外に出ると、駅から港もチラッと。👀
まず周りを見渡して思ったのは、空が広い!青くて近い。そして、ツンとした空気。静けさ。ちゃんと地球にいる感じがする(?)
初めての夕食は、、🍺
夕食は、福崎さんにおすすめされた居酒屋「あまみ」へ。大阪から来ていたゆかりさんと。
阿久根のお店は営業時間通りにやってないことがよくありましたが、この日は入れました。😂
美味しい!滞在中ずっと驚いていたんですが、とにかく、何食べても、美味い!海鮮だけでなくて、中華とかも腰抜かすほど美味いので「なんで??」ってなってました。
常連さんがちょうど誕生日で、ケーキもお裾分けしていただきました。
夕飯の後は、ぼんたん湯ー!!!🍊
滞在中の1週間、毎日行ってました。
冬になるとこんな感じになるんだって。
阿久根のボンタンを盛り上げるプロジェクトで、ボンタンが皮が厚くて剥けづらいことに目をつけて始まったそう。
排水溝に詰まる心配がないので、今では東京の銭湯でもたくさん使われていて、300円ほど単価も高くできるようになったと。私も東京でボンタン湯入ってました。すごいプロジェクト。
地元の方で賑わうめちゃくちゃ良い温泉でした♨️
最初の宿へ🛏️
そんなこんなで、ゲストハウスで一泊。駅すぐ近くの「イワシビル」に泊まりました。
1階はカフェとお土産売り場、2階はイワシの工場、3階はホステルになっています。
阿久根でよく獲れるイワシのようにたくさん人が集まる場所に、という意味で「イワシビル」と名付けられたそう🐟
ビルを手がけた下園さん、石川さんにお話をお伺いできましたが、「理由のないデザインをしない」がテーマだったとのこと。
おいおいめちゃくちゃイケてるやん。。😇(電波通ってるのかなとか思ってたのが恥ずかしい😂)
「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ人生を豊かにする」歴史や伝統を誇りながら、新しいことにチャレンジしていくバランス感に、すごく痺れました。
朝ごはんもいただいたのですが、これが、美味い!!🥹
分かるかな、立体的なんです、イワシが。めちゃくちゃ美味い。
大石酒造さんで製造見学🍶
次の日、空いている時間にたまたま地域おこし協力隊(チャーリーさんとさいとうくん)が見学するとお聞きして、100年以上前から焼酎を作られている「大石酒造」さんにお邪魔させていただくことに。
居酒屋でバイトしてる時によく頼まれた「鶴見」もこの酒造で作られているそう。
この日は阿久根の「しろゆたか」という芋から、いも焼酎を製造している時期でした🍠
代表の大石さんは、コペンハーゲンの研究室で科学者として10年ほど研究し、奥様のご実家の大石酒造を継がれたそうです。
酒造の最奥、巨大すぎる壺には神々しい焼酎の赤ちゃんが。
壺を覗くと、火を焚いているわけではないのにグツグツしています。
実はこれ、酵母がデンプンでアルコールを生成してぷつぷつしてるんだって!めちゃくちゃ生きてます。
私服でこんな近くまで来ちゃったけど(よく考えると酒造のドアとか開きっぱなしだし)こんなに汚染されやすい開放状態で発酵させてもメキメキ生きてる酵母の生命力すごい。
そんな微生物の自然の力を、科学でデザインしていく奥深い世界を垣間見た気がします🔬
自然や風土も体験🌳
その後、一日アクティビティができる時間があったので、マウンテンバイクで阿久根の自然や風土をぐるりと案内していただきました🚲
インストラクターさんは、信乃さん。阿久根のことならなんでも知ってます。
壮大な自然に囲まれると、日頃の小さな悩みがどうでもよくなってきます。
そのことを漏らすと信乃さんは、あるがまま、導かれるまま、等身大のまま、「あなたなら大丈夫」と。
(正直、終始信乃さんとのお話しに夢中でバイクを漕いでいたので、全然景色見てませんでした!!!)
気づいたらなんだかすごい場所にいる?!えっ、
えーーー!!!綺麗〜〜〜?!?何ここーーー?!?!?🥹
阿久根のウユニ塩湖「脇本海浜」も。
普段沖縄ばかりダイビングしに行ってるんですが、鹿児島の海もめっちゃ綺麗なんですね、、夏絶対また来る。
自然を満喫して、胸の内もさらけ出して、信乃さんに胸張って生きていこうとエネルギーをもらった1日でした🥰
よろしくお願いします!
酒造見学やアクティビティなどを体験して、だんだんと阿久根に馴染んできた4日目からは、遂にお手伝いする「やまた水産食品さん」にお邪魔しました。
実はこのプログラムは過去に何度か開催されていたので、「まだ人が来ていないくて、困っていそうな会社さんに行きたいです」とお願いして紹介していただいたのがやまたさんでした。(強気)
やまた水産は、阿久根の海で獲れた水産物を加工して販売している会社さんです。
工場からすぐ近くの阿久根漁港で毎朝魚を仕入れているということで、その様子を見学させていただきました。
朝7時、ちょうど漁師さんが漁船から魚を水揚げしています🐟
朝一番の魚は、お腹に食べたものが入っていないので苦味が少なくて美味しいんだそう。
11月なのでこの日もイワシやアジ、サバ、きびなごなどがたくさん獲れていました。
やまた水産ではこれらをフライや唐揚げにして東京のスーパーや海外などに届けています🛻
水揚げが落ち着いてくると、競りが始まりました。と思っていたのですが、阿久根では、競りではなくて入札方式で買い手が決まるそうです。
「競り」は買い手がどんどん値を上げていって一番高値をつけた人が買えるのですが、「入札」は数量、単価などを記入した用紙を売り手に渡し、一番高値をつけた人が買うことができます。
競りと比べ一発勝負なので、その分緊張感がありますよね。
「そこは我々プロの腕の見せ所ですね」と社長さん。
入札したきびなごやイワシは、そのまま工場に持ってきます。
この日の工場では、地元の給食用のカタクチイワシのフライを作っていました。
近寄ってみると、手作業で内臓を取っています。(すごいスピード)
この一苦労を挟むことで、出来上がった時の美味しさが段違いになるんだそうです。数時間挑戦しましたが難しい🫠
実際に、最年少のはまださんは給食で食べて美味しかったから高校卒業してこの会社に就職したそう。素敵!
そして、驚いたのが皆さん生き生きと働いてらっしゃること。
昔私が工場で短期バイトした時は、死んだ目🙂で作業していましたが、やまた水産の皆さんは、本当に楽しそう!めちゃくちゃ明るい!
北海道から嫁いできた堀留さんも、情の深さに最初感動したそうです。(息子さんが熱が出ると「大丈夫?」とメッセージをくれて、休めるようにフォローしてくれると、、😭)
そんなお話を聞いて、何か力になれることはないか考えた結果、コーポレートのブランディングをお手伝いすることに。
地元の人口も減り人手不足に困っているとお聞きし、憧れの会社として挙げられたり、より誇り高く働けるよう、外部から見学させていただいて感じた「やまた水産らしさ」を形にしてみました。
一つ目は、暖かさ。手作業の一手間を大事にしていたり、働く人の温もりだったり。見学していく中で大きく感じたことでした。
二つ目は、何でも屋さん。やまた水産さんは、きびなごだけではなくイワシやアジの唐揚げもやるし、実は水産だけでなく食品全般を扱うこともしばしば。だからこそ、地元の方にヒアリングしても、周りから見ると何をやっているのか分かりずらい、という声もありました。
三つ目は、阿久根。
実は、5日目がちょうどハロウィンの日で、地元の方と一緒にたくさん飲み歩きできることに、、!🎃
そこで、社長の川畑さんにお酒を飲みながらこれからのやまたについて熱く語っていただきました。
本当に阿久根が好きで好きでしょうがなくて、阿久根のポテンシャルを一番に信じていると。もっと阿久根の素材を最大限に活かして、盛り上げていきたい、、(めちゃくちゃ熱い🔥)
そんなお話を聞いて、「阿久根」というキーワードは欠かせないなと感じました。
そんな3つのポイントから、考えたコンセプトは
「阿久根の恵みの下ごしらえ屋さん」。
「下ごしらえ」というワードで暖かいイメージと、「もの」ではなく「行為」に価値を置いた表現ができるのではないかと思いました。
阿久根の恵みを届けるためにこっそり一手間かける縁の下の力持ち。🫶
そんなやまたらしさを、社員さんに好評だというトレードマークのピンクのエプロンを模したロゴタイプや、
WEBサイトやチラシ、ポスターなどのキービジュアルに落としていきました。
暖かさが伝わるよう、他己紹介や人柄が伝わるインタビューなどを入れ込んでいます。
社長さんや工場長さんにこの提案をさせていただいたところ、めちゃくちゃ気に入っていただけました、、❣️
私もお二人の反応を見てめちゃくちゃ喜んでしまいました。ひとまず安心。良かった、、!
3日間だけだったので、コーディングや印刷などはできなかったのですが、引き続き繋がらせていただくことなり、本当に良いご縁になりました☺️
またネ、阿久根!👋
これでもまだまだ省略したのですが、こんなボリュームになってしまいました。1週間を振り返って率直な感想は、
「阿久根にいる自分を東京の人に見られたら、正直恥ずかしいな、、」
ということです。(本当に別人でしたw)
期間中、本当にたくさんの方とご挨拶しました。最終日、おはよう市というお祭りイベントがあったのですが、すれ違う人すれ違う人お世話になった方ばかりで、じんわり感激してしまいました。
観光地を巡って、「ホテルの人」「ご飯屋さんの人」としか関係を持たず、疲れて帰ってくる旅行も中には多いと思います。
今回の1週間は人と「出会って」、別の世界や生き方に触れることで、それまで自分らしさだと信じていたものが、ちゃんと揺さぶられる感覚がありました。
私、こんなに人生や働くことに熱く語ったりするんだ、、2次会とか行っちゃうんだ、、とかw
境界線が揺さぶられると、自分の殻に閉じこもっていられなくなります。(無理に閉じこもろうとすると、辛くなってくる)
思い切ってそれまでの自分のやり方を捨てて、地域の人と同じようにやってみる。
1週間だけですが、そうしていると段々と自分の輪郭が溶け出すように?はみ出すように変化していったように感じました。
「自分探しの旅」というとクサい言葉ですが、違う自分を探す、というのはなるほど、すごく大事だなと。
縁もゆかりもなかった阿久根が宝物に✨
こんなに地域に溶け込めたなと実感したのは初めてで、めちゃくちゃいいプログラムを経験させていただきました。
(また募集があるみたいです、オススメ)
また絶対遊びに来ますし、もし少しでも気になった方がいればぜひ訪れてみてください🙌
見ていただきありがとうございました☺️