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韓国の美容整形事情③

各専門医が一つの分野に特化して治療を行うスタイル

韓国の美容外科(成形外科)クリニックの特徴の一つは、非常に細分化されているという面でしょうか。

例えば二重の手術専門、鼻の手術専門、豊胸術や脂肪吸引専門、顔の輪郭形成専門というように、各専門医が一つの分野に特化して治療を行うスタイルが一般的です。

そして、各々専門を持った医師が数人集まって、協力しながらクリニックを運営するところが増えて来ています。

これは、やはり韓国内での美容外科同士での熾烈な競争の為、コスト面でも、技術習得の効率面でも必然的なものなのかも知れません。

日本の形成外科医は、美容を専攻する医師は少数で、大部分が保険診療を行う総合病院で長く勤務するケースが多いのに反して、韓国の場合、初めから美容を目指すため、専門医を取得すれば保険診療の分野の臨床はほどほどで、早く美容的な技術を習得して、開業を目指します。

その為には、多くの種類の手術を経験するのは時間がかかりすぎるし、上達もできにくいと考えるでしょう。

一つの分野に特化して行う診療スタイルには、やはり集中的な治療に専念できるため、多くの症例をこなすことで安定した技術を早く習得でき、コスト面でも効率用抑えられるという利点があります。

反面、「美しさ」とはパーツパーツで決まるより、全体的なバランスにおう面が大きい為、手術の範囲、方法や必要性を考慮する点で、一方的、機械的になり易い面があると考えます。

実際、韓国で手術をされてきた患者さんの中には、一部分だけ際立って見えるような整形をうけた人をたまに見ます。また、個性よりもやや画一的な美意識を押し付ける感覚で、似たような目鼻立ち、輪郭を理想としてしまう傾向もあるような気がします。

手術数が多い分、技術の高さは感じますが、個人的には上記のような違和感を感じたり、過剰治療に思えるケースもあります。

評価は患者さん自身でするしかない

「日本と韓国の美容外科は、どちらが良いか?」と言った質問自体は全く意味がありません。 結局は 各医師の経験や技術、そして美容医療に取り組む姿勢によって、同じ治療でも、効果や結果は異なるからです。

美容外科も、内科や外科などと基本的には変わらない医療行為です。

ただ、美容医療の場合、時に雑誌やインターネット、テレビなどによりやや過剰な広告が行われることで有名となるクリニックがあり得ます。

最終的には、クリニックに対する判断は、実際にカウンセリングや治療を受けた患者さんが評価するしかないでしょう。但し、そのためには医療人としてはできるだけ客観的な情報を患者さんに伝え、説明する義務があると思います。

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