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美容整形大国から美容医療先進国へ?
十年ほど前、知人に、当時韓国で有名な占いの先生のところに案内されたことがあります。
韓国は実は占い大国でもあり、特に四柱推命という占法は、結婚や就職、仕事などの様々な局面での決断材料として生活に根付いています。
私がみてもらった年配の女性占い師は、顔を見るなり「あなたの周りには何て多くの女性がいるのか!」と一緒にいた家内が鼻白むようなことをいわれました。
残念ながら、それほど多くの女性と縁がなかった私としては訝しく思いつつ、日本で形成外科の医者であることを告げると、納得したようにうなずいていました。
噂どおりの実力(?)なのか…・・・。
日本で形成外科専門医といえば、美容治療を専門にしている医師はむしろ少数派で、多くが外傷、再建外科、先天奇形などの疾病治療分野で働いています。
私も大学に所属しているときは、美容は将来の自分の専門として個人的に研修、研究しつつも、普段は同様に保険治療を中心に診療していました。
一方、韓国の形成外科医(実際は形成ではなく成形外科医といいます)は、最終的には大部分が美容整形、美容外科の分野に進みます。
このように韓国の場合、はじめから美容を志すため、専門医の免許を取得すれば保険診療での臨床はほどほどに、一刻も早く美容的な技術を習得して開業をめざします。
そのため、いくら美容医療に対する国民の関心や需要が高いといっても、年々形成外科医同士の競争は熱になっています。
また、韓国の形成外科医が早く効率的に実践的な技術を習得できるように治療の細分化が進んでいます。
つまり、二重手術、島手術、輪郭手術、胸手術、脂肪吸引手術専門というように、ワンパーツに特化した診療スタイルが特徴で、数人の専門医が集まって協力しながらクリニックを運営するのも一般的なものとなっています。
過酷な国内の競争は、行き過ぎた広告や不十分な説明、カウンセリング、過剰な手術によるトラブルも伝えられますが、専門医の切磋琢磨により、アジアにおいては手術数だけではなく、技術的にも美容先進国として目覚しいものがあります。
美は部分部分の集合ではなく全体的なバランスが大切であり、形成外科専門医なら総合的な治療を理想と私は考えます。
しかし”選択と集中投資”という韓国企業のとった戦略が、美容医療の分野でも急速な進歩をもたらしたことも認めざるをえません。