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美容外科医の私が皮膚治療に力をいれる訳

目指すのは化粧などで隠す必要のない健康で張りと透明感のある肌であり、それが医学的な美肌だと考えます。

当院には非常に多くの方が皮膚治療で通っています。
その中には、私が形成外科医ではなく皮膚科医であると思っていたという人もいます。
こちらでは手術もするのですか?と聞かれると、形成外科専門医の私としては、少し複雑な気持ちになることもあります。
私が皮膚治療にそれだけ力を入れている訳は、幾ら手術をして輪郭やかたちが良くなっても、皮膚が荒れていたり、くすみ、シミなどが目立つとその美しさが半減してしまうからです。
そしてもう一つ、目の周りなど特に皮膚の薄い部分の細かいシワなどは、手術でも改善が難しいのです。
なぜなら、皮膚の薄い部分の細かいシワは、結局直接皮膚の弾力性の衰えからくるため、幾ら手術的に持ち上げても、皮膚自体が変わらない限りなくならないからです。
美しさはトータル的なものであるため、手術、注射などの動的な治療と、レーザー、IPL、水光注射、高周波治療など静的な皮膚治療は、どちらも欠かせないもので、相互作用を期待できるのです。

本来の美肌治療とは?

ではそんな美容、形成外科医の私から考える本来の美肌治療とは何でしょうか?
それは、自分自身の健康な若い肌を取り戻すことです。
肌には個人差があります。
勿論子供の頃から色が白い人、浅黒い人、皮膚が薄い人、やや厚めの人、少しニキビができやすい人など様々です。
それに対して、どんな治療をしても全く同じにはできません。
黒人が東洋人に、東洋人が白人の皮膚になれないように残念ながらというか、当たり前に生まれつきの皮膚質を変えることはできません。
しかし皮膚トラブルや老化、何らかのダメージなどで後天的に起きたものは改善できるのです。
目指すのは化粧などで隠す必要のない健康で張りと透明感のある肌であり、それが医学的な美肌だと考えます。
例えばレーザー治療について言えば、レーザーは魔法のようにシミを消して、皺を伸ばしてくれる機械ではありません。
レーザーは何十種類もありますが、シミに反応するものはメラニンに反応する波長を持ったタイプのものだけです。
また、簡単にシミといっても人によって、また体の場所によって、全て状態も異なります。
全てのシミを簡単に消せるレーザーはありません。
間違った治療をすれば、効果がないどころか、むしろ悪くたり、火傷を起こしてしまうこともあります。
様々な美肌治療、化粧品、スキンケアー法が溢れる中、ぜひ自分の肌が良くなるという原点に帰って、今の肌治療の意味をいっしょに考えてみましょう。


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