青く透き通った世界で
⚠︎本記事は、ブルーアーカイブというアプリに登場するキャラクターのASMRを聴いた勢いで執筆しています。ただの創作です。
"ちゃんと作業しているか見張るため"だなんて、取ってつけたような理由でユウカと作業通話をすることになった。
私は鈍感じゃない。ユウカの気持ちにだってとっくに気がついている。私と通話する理由を精一杯考えた結果がこれなのだ。
私はまた、彼女の優しさにわざと騙されている。
本当に不誠実な男だ。
そんな罪悪感を抱えたまま、今日もユウカとの日常を送る。
変わっていないようで、徐々に変化していく日々。
今の関係を終わらせる日は、着実に迫っている。
「好きだ」
この3文字がどうしても言葉にできない。
ユウカはまだ16歳だから。きっと負担になってしまうから。
言い訳はいくらでも出てくる。
だけど、そんなものは建前でしかなくて、気持ちを伝えられない本当の理由は、私に勇気がないからだ。
そんなことを考えている間も、画面に表示されている数字はどんどん大きくなっていく。
作業は全く進んでいなかった。
ユウカはシャーレに来て一緒に作業すると言い出した。
情けない大人で本当に申し訳ないと思いつつも、ユウカにはつい甘えてしまう。
私は大人しくユウカの到着を待った。
ユウカが来てからの作業はスムーズだった。
やはり、人の目があるのとないのとでは全然違う。
一通り作業が終わったので、休憩を挟むことにした。
疲労の溜まった体をユウカがマッサージしてくれた。
腕を動かす際には怪我や痛むところがないか確認をとりながら、丁寧に優しく。
献身とは少し違う。
ユウカ自身もその行いによって、何かを満たしているように感じた。
小さな気遣いを無意識にできるユウカは、私なんかより、ずっと大人だ。
作業を再開すると、寝息が聴こえてくる。
昨日も遅くまで作業をしていたらしく、ユウカの眠気は限界だった。
気の抜けた寝顔は、ユウカはまだ子供だと思い出させる。
「いつもありがとう」
小さく声を出す。
「苦労ばかりかけてごめん」
寝ていることを今一度、確認するかのように話しかける。
「──ユウカ、好きだよ」
一瞬の静寂の後、再び聴こえてきた寝息に安堵を覚える。
いつか、ちゃんと伝えよう。
覚悟を決めるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
今はとりあえず、紅潮した顔をユウカが起きる前に落ち着かせることだけを考えよう。
頬の赤みを隠すには、この世界は青過ぎるから。