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【断言】政府支出をしたら経済成長する2

前回、政府支出をすれば経済成長する論に反対する人達へ、森に例えて解説しましたが、さらに踏み込んで話していき、「政府支出したら経済成長する」が正しい事を示していきたいと思います。まずおさらいですが、

GDPの伸び=経済成長

と定義します。そして、GDPの定義は…

GDP=民間投資+民間消費+政府支出+(輸出-輸入)

となっています。前回の記事では森に例えて因果関係、相関関係を問うおかしさを説いたわけですが、ここで…

この式は恒等式であって方程式では無い!
だから、政府支出したからと言ってGDPが伸びるわけではない!

と言う人がいます。これは何を言っているかというと、先ほどの式でGDPの構成要素に政府支出以外に民間投資、民間消費、輸出入があります。上記の内容を言う人達は政府支出以外も変数なので、政府支出を増やしても他、特に民間投資、消費が落ちてしまう可能性がある!と言いたいわけです。一般的な感覚からすればなぜ政府支出を増やすと民間投資、消費が落ちるのか理解不能ですが、そこで彼らが持ち出してくるのが…

クラウディングアウト論です!

クラウディングアウトとは政府が支出してしまうと貸し出せる貨幣の量が減り、民間へ貸し出せる貨幣が少なくなり金利が上昇してしまう!という理論です。これを理由に政府支出をすると、民間投資、消費が落ちると説明します。しかし、これは…

お金の量には限界がある!と言った貨幣のプール論から来ています!

実際の銀行の貸出は信用創造により…

相手が返せると判断したら通帳に金額を記帳するだけで貸すことが出来ます!

貨幣の量に限界はありません。本来なら、ここでクラウディングアウトは起きず、政府支出=経済成長となりますが、反対する彼らは、何と二段構えで待ち受けてます。それが…

政府支出をすると、物的、人的資源を政府の仕事に奪われて民間投資、消費が減る!

いわゆる、資源的なクラウディングアウトが起こると言います。一見それっぽく見えますが、この論説は…

色んな視点を無視もしくは抜け落ちた論説になっています!

まず、第一に政府支出は大抵、何かしらの給付金か公共投資、公共事業による物です。そして、どの場合であっても、政府支出した場合の民間消費は…

増える事はあっても減る事はありません!

ちょっと考えれば分かりますが、事業にしろ、給付にしろ民間にお金が流れます。当然、それは消費に回ります。あり得ないですが、全く消費に使われなかったとしても、民間の預貯金が貯まるだけで政府支出前より消費が減るといった状況は起きません!

次に政府支出が増えると民間投資が減るというのもおかしいです。なぜなら、政府が公共事業を行う場合は大抵…

民間企業に依頼します!

依頼された企業はその業務を遂行すべく、何かしらの投資を行います。つまりここでも…

増える事はあっても減る事は無い!

というのが分かります。仮に投資の必要の無い事業でも減る方向には動きません。

ここまで来ると、どうしたら政府支出で民間投資、消費が減るのか…逆に難しくなりますが、彼らはこう言います…

政府が仕事を作ることによって民間企業がそちらに注力する事で、通常時の業務が出来なくなる!

というような主張をしてきます。確かにこれはあり得る…と感じてしまうかもしれませんが、これには重大な視点が抜けてます。それは…

基本的に政府と民間では仕事の棲み分けが出来ている!

という視点です。当たり前ですが、政府の役割と民間の役割は違います。政府の役割は民間では儲けにならないが、必要な仕事をやります。民間は儲かる仕事をメインにやります。トヨタ等々の民間の自動車会社がある中で、万が一、政府が国営の自動車企業を作って自動車を売り出したら、それは仕事を奪う事になりますが、実際にはそんな事はありません。政府が発注するような橋や道路のような大型の公共事業はそれに対応した土木建設会社があります。福祉事業ならば直接行政機関が対応したり、介護施設が存在します。多少被る事はあっても基本的に…

政府支出したからといって民間の仕事がやられなくなる!という事は起きません!

むしろ、そこから各メーカーへの資材発注なり賃金の支払いなりで、お金が民間へと流れて消費も活発になります。

さて、ここまで来るといよいよ返す言葉が無くなって来ると思いますが、彼らは最後の一押しとしてこう言ってきます。

ただでさえ人手不足なのに、政府の仕事に人手が取られて、民間企業の人手不足がより深刻になる!結果、民間企業の成長が阻害される!

と言ってきます。確かに人手不足は深刻だと報道されています。果たして…

本当にそうなのでしょうか?

まず、完全失業率は2.6%です。しかし、この数値には就職活動を諦めてしまった人は含まれていません。いわゆる引きこもりと言われる人達はほぼ含まれていない計算になります。そういった引きこもりと言われる人達の推計は146万人いると言われています。前述の通り、貨幣に対するクラウディングアウトは起きません。であるならば、政府は…

そういった人々に手厚い賃金を保証するなどして必要な業務に就いて頂くようお願いする事をすれば良い!

という事になります。それこそ、世の中に必要されてる仕事なら月100万円出す!と言ったら146万人の内、どれだけ低く見積もっても1%は働こうとする人は出てくるでしょう。1%で約1.5万人です。WW2の硫黄島の戦いの日本軍守備隊が約2万人です。それには少し人が足りませんが、碌な重機は設備無しで米軍を苦しめた頑強な地下要塞を作っています。今は碌な重機や設備があります。そこで出来ない事って一体何があるのでしょうか?もし10%でも働いて頂ければ約15万人です。ウクライナ戦争勃発時にウクライナの国境沿いに集まったロシア軍は19万人と言われていました。つまり場合によっては1国を占領出来る人数です。これで出来ない事って何でしょうか?

他にも、1000兆円出したら…みたいな極論を言う人いますが、仕事を受けた側から普通に出来ません。と言われて終わりです。その際に例え1000兆円を発行していたとしても使われないので、何の影響もありません。

このように政府支出によって民間の投資、消費が奪われるハードルは相当に高い事が分かったと思います。ここまで語った上でなんですが、最後に究極の反例を挙げます。それは…

もし政府支出が民間の投資、消費を奪うのなら好き好んで水道民営化のような民営化や規制緩和を積極的に行うと思いますか?

つまり、それだけ民間企業には…

余裕がある事の表れです!

以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございます!


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