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みなさんの素敵なnoteを集めさせていただいとります🙏
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#エッセイ

コンプレックスを拗らせた俺は旧友から逃げ出した

コンプレックスを拗らせた俺は旧友から逃げ出した

 俺は恥辱に耐えかねて、友人を無視して逃げ出した。

 本稿で述べるのはnoteを始めたきっかけ──“もう一つの自己紹介”とも言えるエピソードだ。投稿を始めて二週間ほど経つので、そろそろ詳述しておきたい。

 夜の散歩をすることが習慣化している。春先に経験した失恋から現実逃避するためだ。
 五月末のある日、俺は母校の幼稚園の側を歩いていた。何気なくその建物を眺めながら歩いていると、勝手口に鍵をかけ

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ダーティーワーカー胸を張る。

ダーティーワーカー胸を張る。

「カネは命より重い」という言葉がある。
 この言葉を言い放ったのは”カイジ”の悪役である利根川幸雄だが、カイジを読んだ事が無くてもこの言葉を聞いた事があるという人は多いのではないか。残酷ながらも簡潔に真理を衝いた、漫画史上に残る名台詞だと言っていい。

 だがそれはそれとして、俺個人の考えは利根川のそれとは少し違う。
 カネと命、どちらが重いという話ではない。カネは命の別名だ。己の命が有形化/化体

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アウトサイダー・ドリヴンズ。

アウトサイダー・ドリヴンズ。

 思うに、アタマの良し悪しが人生の成否に直結するとは限らない。
 優秀な奴でも順風満帆には程遠い人生を歩むこともあれば、バカでも成功者と呼ばれる奴だってごまんと居る。

 さらに言うと、そもそも人生の成否ってやつ自体が当の本人にとっての幸せとは無関係だ。
 何がそいつにとっての満足であり、納得であり、幸福であるか。どれだけカネを稼いで地位を得たとしても、その答えはそいつ自身にしかわかり得ない。たと

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イヴに独りで鯛を喰う。

イヴに独りで鯛を喰う。

※今回出てくるお店は、以前の記事でも取り上げたお店です。

 12月24日、終業後の19時過ぎ。
 オフィスを脱け出た俺は電飾の煌めく街を彷徨い歩いていた。

 ここ最近、仕事の調子が芳しくない。本来の実力の半分も出し切れていない。窮屈な箱に押し込められ手足を満足に伸ばしきれない、そんな閉塞感にずっと付きまとわれている。
 上手くやれているところも多いが、上手くやれないところも多い。上手くやれたと

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「夏はアイスコーヒー」とかいう固定観念を捨てろ。

「夏はアイスコーヒー」とかいう固定観念を捨てろ。

コメダ珈琲行ったんですよ。こないだの日曜日。
朝7時半くらいに。ムダに早起きしちまったんで。

せっかく早起きしたことだし優雅にモーニングでもキメてやろうと思いまして、近所のコメダに行ったんです。

ご存知ですか、コメダのモーニング。
ワンドリンク頼んだらトースト+ペースト2種(バター・いちごジャム)のうち一つ+サイド三種(ゆで卵・卵ペースト・小倉あん)のうち一つがついてくるというサービス。
なん

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ささやかなつながりについて。

ささやかなつながりについて。

12時になった。1時間の昼休みだ。
俺はさっさとオフィスの自席を離れて、いつもの店に向かった。

オフィスそばの信号を渡って、すぐのところにある、古ぼけた喫茶店。
店の色調(トーン)は重めのブラウンに支配されていて、無愛想な女将がたったひとりでウェイトレスをやっている。珈琲が売りの喫茶店には違いないが、昼時には、俺のような勤め人のためにランチを食わせている店だ。

ランチの内訳は、白米、味噌汁、漬

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