バツの悪い「Demon Slayer」
2000年頃、アメリカで女性漫画家少なすぎ問題というのが、問題提起された。
女性作家が少ないのは差別だから補助金して育成しようという論調だ。
うん、言わんとすることは分からないではない。
ただひとつ、そのコラムが発表された丁度そのとき、アメリカは「鬼滅の刃(Demon Slayer)」の大ブームで、アメリカのグラフィックノベル(漫画単行本)打ち上げリスト上位20位までほぼ全部独占してたってことを除けば。
鬼滅の刃がヤバかったのは、「アメリカで発売されたすべての漫画単行本」の過半数が鬼滅の刃で、実はアメコミだけではなく、呪術廻戦や僕のヒーローアカデミア、進撃の巨人といった日本漫画の英訳版も含まれていた。
女性漫画家の育成もへったくれもなく、米国書籍流通データで、アメコミ作家全部が単騎駆けの吾峠呼世晴という女性漫画家に大敗北を喫していたわけだ。
当然、その「女性漫画家をサポートすべき」論は、アメリカ人ですら鬼滅の刃の無双が止まる気配がない現実を指摘して呆れていたものだ。
ここまでは、アメリカの話。
世界の広義の漫画家のうち、実は7割近く。3人に2人は日本人だ。
日本の漫画家・イラストレーターのうち、実は8割近く。4人に3人は女性だったりする。
そう。
100(全世界の漫画家)*0.67(日本人漫画家率)*0.77(日本人漫画家の女性率)=51.59%
数字で言えば、日本人女性だけで世界の漫画家の半分以上が女性になり、単純にアメリカが異常に女性漫画家が少な過ぎるだけなのだ。
これ、「単純にアメリカの国内問題」だよなぁ。