11月某日、銀座。
GINZA MAISON HERMÈSで開催の展覧会へ。
インスタレーション作品を中心に、紹介していきたい。
大地からの返信
コンセプトありきの作品なので、説明文を先に。
埋め続けることによって生まれる「対話」。
White Death
次の展示室に入れば、
展示室に敷き詰められた、今は生命を失った珊瑚。
文脈は全く異なるのだけど、この展示は、森美術館で開催中の展覧会にある、帆立貝が一面に敷き詰められた空間を思い起こさせる。(本作品と直接のつながりはないようだが、本展のダイアローグ2は、森美術館と連動して開催される)
ああ、きっと意味が全然異なるのだ、ということは、この山の中でキラキラ光る、砕かれた鏡の残骸から、伝わってくる。
詩人のアトリエ
さらに奥の展示室に入れば、
壁一面に展示されているのは、植物標本。
本物の草花の、押し花だ。
隣の壁には植物名も筆記されていて……。しかし白い壁にただ記されたその名前の群は、墓碑銘を連想させる。
もちろん、直前に珊瑚の死を鑑賞したことからの誘導もありそうだ。
その背後には、こんなインスタレーション。
2つのプロジェクト
階段を上がり、順路に沿って上階へ。
展示はかなり充実していた。読み込んでいたら時間がすぐ経ちそうだ。
プロジェクトの中には、こんなユーモアも。種を埋め込んだ土で爆弾を作り、ドローンで撒こうというもの。
上下の階の展示をあわせると、ひとつの大きなメッセージとなる。自分としては、壮大なインスタレーションの中に身を置いたあとに鑑賞した、2つの具体的なプロジェクトの衝撃が新鮮だった。
そして、そうだ、作家はこうした現実の中に居る人なのだ、と。