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アーティゾン美術館ABSTRACTION [現代の作家たち]【前編】

 直島の話をすこし中断し、8月20日まで開催の、ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代への話を。

19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの間、フランスが平和と豊かさを享受することが出来たベル・エポックの時代、芸術を生み出す活気と自由な雰囲気に満ち溢れる中、フォーヴィスム、キュビスムなどの新しい美術が芽吹いて花咲き、やがて表現の到達点のひとつとして抽象絵画が目覚めました。その後の抽象絵画の展開は、20世紀の絵画表現を牽引し、その潮流は同時期の日本にも及びました。
この展覧会は、印象派を起点として、世紀初頭の革新的な絵画運動を経て抽象絵画が生まれ、2つの大戦を経てさらに展開していく様子を、おおよそ1960年代まで、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の動向を中心に展観するものです。
本展では、石橋財団コレクションから新収蔵作品* 95点を含む約150点、国内外の美術館、個人コレクション等から約100点、あわせて約250点の作品を、アーティゾン美術館の全展示室を使ってご紹介いたします。

公式サイト ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ より

 体力と気力のありそうな日に行こうと思っているうちに日が過ぎ、友人から軽くリマインドされてはっと気づいて出かけた。よく効いた冷房に助けられ、約3時間、集中力を持続させながら(時折、休憩しつつ)、堪能した。

 展示は非常に丁寧で、1室は「抽象芸術の源泉」として、セザンヌ、ゴッホといった画家たちの作品にはじまる。

 次に、フォービズムとキュビズムを紹介し、3室でやっと「抽象絵画の覚醒」に入る。豊富な作品の展示で、絵を純粋に楽しみながら、抽象絵画の歴史をわかりやすく紹介する、非常に質の高い展示だ。

 撮影可能作品はすべて写真に収めた。写真整理しながら学びを深めることはしたいのだけど、それなりに時間もかかりそうなので、これだけでも企画展が1つできそうな最後の展示室「12.現代の作家たち」の作品を紹介していこうと思う。



鍵岡リグレ アンヌ

 目に飛び込んでくる、鮮やかな青。

 技法についての解説を読み、なるほどと。

 「立体的な要素」。近寄るとわかる、この立体感、特に断面を観ていると時間を忘れてしまう。動きがあるし、それだけ切り出したとしても作品になりそうだ。


津上みゆき

 隣り合うスペースには、全く別のアプローチで、同じようにはっと目を引く大型の絵画が展示されていた。

 スケッチ類も展示。

 作品の創られ方、も展示されていて、作家の制作のプロセス、そして人柄までもを想像してしまう。

小型の作品も。


リタ・アッカーマン

 何が描かれているのかわからないのに、観た瞬間に「いいなあ」と立ち止まってしまう。


 



柴田敏雄

 写真作品もあった。

 しかし、イメージするような写真とは異なる印象を醸し出す。

 解説を読むと、画面から漂ってくる、どこか張り詰めた雰囲気の理由を少し捉えることができた気がする。





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