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2023 日経新春杯 走法分析

どうも!あばたです。
今週は日経新春杯。今年も中京2200mでの開催となるハンデ重賞です。
現在の馬場状況も相まって、一筋縄ではいかなさそうなところですが、走法から評価しておきたい馬はどんなタイプなのか。読み解いていこうと思います。

まずチェックしたい馬場状況ですが、向正面〜ゴール前まで一貫して内目が荒れているようです。ただ、全く使えないかと言うとそうではなく、やや外目有利と言った感じ。内を通ってコーナーロスを押さえるのと、馬場の良いところを通し続けるので、トータルでは大きな差は出ませんが、まあこれだけでも結構な異常事態です。本当に内内が強い競馬場ですので、多少なりとも外差しが効く状態なのは稀です。
また、中京2200mは展開上なかなか差しが効きやすい側面もありますので、ここはコーナーを上手くこなしながら終いに外に出してジワジワと伸びる脚力のある差し馬を中心に据えて、狙っていきたいと思います。

走法分析結果

走法評価 簡易まとめ表

新しく一覧表を導入しました。
ここで、"能力"は走法採点の一部の項目の数値より決定しています。ストライド×ピッチタイムとその持続力から見積もっています。
前評判通り、ヴェルトライゼンデが一歩リードの形。続いてロバートソンキーやハヤヤッコ、サンレイポケットも悪くありません。後述しますが、◯評価の3頭はそれぞれスピードの乗り方に特徴があります。

"コース"に関してはここで要求される持続力・コーナリング性能に加えて、手前変えの癖などを加味しての評価付けです。能力上位の馬の懸念点は少ない方でしょう。サンレイポケットに関しては直線を向いてからの手前変えや加速感にやや問題があるため、評価を落とした形です。

"バイアス"については現状馬場に対する、走法上の向き不向きを考慮しています。先週、基本的にはスピード要素に割引がない大トビ・ストライド大のパワータイプの好走が目立っていました。
(ライトクォンタム、サトノラムセス、ホープフルサイン、カルネアサーダ、トキメキ、ヴィトーリア…etc)

"スピード要素に割引がない"と言うのは、動作上の硬さが少なく、身体全体の連動性が保たれているかと言うのが大きな着眼点になります。(トキメキなんかはちょっと怪しいですが…)

さて、この辺を踏まえて、好評価になった馬を個別に少し見ていきます。

ヴェルトライゼンデ(A)

やや前脚が伸びきらない形で、ピッチ優位な感じ。右手前の方が自然に身体全体を使えており、馬としてもこちらの手前を使いたがる傾向にある。そのため、右回りでは終いの直線で手前が変わりにくく、戦績が安定しない。クビが少し立っていて踏み込みにパワーがあるので、中山向きの走法ではあるが、手前の関係上左回りのここを狙ってきたか。
追ってから姿勢が起きて後脚に体重が乗り、ストロークの戻りがかなり速いため、ピッチが効く。そのためかなりスムーズな加速感を得られるのが最大の特徴で、一般的な言葉を使うと"瞬発力に優れている"と言うことになる。トップスピードに乗った後のストライドの伸びにやや乏しいところがあるため、そこまで長く脚が使えないのがどうでるか。加速性能に秀でたタイプは斤量の影響を受けやすいところもあり、終いに甘さが出る可能性は否めない。馬券から外すのはやりすぎだが、頭の馬券を外すのは選択肢の一つに思える。

ロバートソンキー(A)

大トビでパワフルな持続力特化型。とにかくトビの形が綺麗で前脚が素直に上がり、後脚のバネ感も申し分ない。前走は右回りで内目のバイアスを活かした差しで結果を出したが、基本的に右手前の方が動作上の問題点が少なく、左回りの方が最大打点は高いと思う。長距離路線での活躍を期待する声も多いが、追走時にもそれなりの力感を持って踏み込むタイプで、いたずらに距離を伸ばすことについての利点は多くはないように思える。要するに左回りの2200mは絶好の狙い目と見ており、後先を考えるよりもここで狙っておくべき1頭という評価をしておきたい。身体の使い方の大きい差し馬が狙える条件と言うのは実はそこまで多くない。ここは、道中の動き自体も難しいことは要求されないし、終い外に出して目一杯追うという基本的な運び方になる場面。鞍上にとってはまたとないチャンス到来か。

ハヤヤッコ(B)

元々ダートを走っていたイメージ通り、踏み込みは力強く、掻き込み動作も強めでやや身体の使い方は硬い。脚が速いとはいい難いが、それでもスピードの乗りが悪いわけでは無く、一定のスピード質のレースまでは十分に対応できる形で走れている。スピード要素に少し割引がある以外には、今回条件で欲しい要素を満たしており、侮れないところ。
緩む区間での走法にやや無駄が多く、必要以上に力みながら強く掻き込んで走ってしまうところがあるため、レース質としては淀みなく流れるような展開が良い。ある程度スピードに乗せてしまった後は、掻き込み傾向も緩和され、クビが前に突っ込んだり姿勢が悪くなることは無いので、道中が緩みにくく加減速が少ない傾向のこのコースは向いてくる可能性は高いのでは。脚の出し入れでどうにかするタイプでは無いので、斤量影響はさほど気にならない。

プリマヴィスタ(B)

あまりマークしていなかったこの馬がB評価に食い込んできた。(とは言えよく考えたらこの馬、レコード持ちよな…)
さほどストライドは大きく伸びず、悪く言えば普通の走法に見えてしまうが、バランスが非常に整っており、クビを含めた全体の姿勢の良さと言うのは光るところがある。コーナリングもソツなくこなせるし、終いは安定した身体の使い方を武器にジワジワと伸びてくるところなんかも現状の馬場とイメージが合ってくる。やはり時計を持った馬にはそれなりの走法の根拠あり。

キングオブドラゴン(C)

トビが高くストライドが大きい、ややワンペース気味の身体の使い方。クビも少し高めな感じがあり、トップスピードの乏しさはあるが、逃げて身体を大きく使うことによってこの馬のパワーと持続力を最大限活かすことができる。内前が伸びるような馬場であれば本命まで考えたが、現状はそうではなく、かなり飛ばし気味に逃げて終いに馬場の真ん中に出すような形が取れればと言ったところ。前走、内ラチにぶつかってしまったのもあり、立ち回りは慎重にならざるを得ず、この要求を満たすような乗り方ができるかどうか。アフリカンゴールドとの兼ね合いもあり、かなり難しい立ち回りになるかもしれない。

ダンディズム(C)

追走時は首を下げてややだらしなく、少し気怠そうな感じで走っているが、スピード乗せると姿勢が起きて、ものすごいストライドで雄大に駆け抜ける追い込み馬。クビが下がってやや前脚に体重がかかるので、スタートからスピードに乗ってくるまでが恐ろしく遅い。そのため脚質は追い込み一辺倒になっている。ただし、終いのストライドの延び方やトビの綺麗さは本当に秀逸で、外差しにバイアスが振れつつあるこの状況ではかなり魅力的な一頭では。

イクスプロージョン(C)

ストライドは常時かなり大きく延びており、クビはやや高めで前脚の上がり方も高い。スピードに乗せた後も前脚がややバラけて着地するようなタイプで、叩いて掻き込む動作がはっきりとしているところからもパワータイプという評価で良さそう。この動作のせいでなかなか終いに追ってからもトビの高さが抑制できないところがあり、ピッチが効かないのが課題。このメンバーとやり合うならばやや前目につけたい。

サンレイポケット(C)

ストライドとピッチのバランスが整っており、走法自体の完成度が高く安定している。ただ、近走は弾むようなトビの高さがやや鳴りを潜めており、緩やかに下降傾向か。
右手前の際に、右前脚のでがやや悪く、高く上がっていないで、しばしば左手前を使いたがってみたり、早めに右手前に変えたのちに左手前に戻してみたりと、実はこの辺りの動作にはなかなかの怪しさがある。スムーズな加速を得るには、右回りの方がベターに感じる。ここでの強調材料にはやや乏しいが、能力的には軽視しづらいか。

ヤマニンゼスト(C)

前脚の捌きに大きな特徴はなく、見た目ではやや控えめな上がり方。後脚の動きが秀逸で、しなやかな可動と踏み込みの深さは古馬混合の条件で横並びで見ても素晴らしいものがある。終始姿勢が安定していて、追走時もあまり悪い癖が見当たらず、安定した差し脚が発揮できそうな点は好印象。もう少し全体的に躍動感というか、身体全体が連動してきて大きく使えてくるようになるとなお良い。

走法適性表

こちらも見た目のみリニューアルしました。従来のものと内容は変わってません。
横軸にストライドの大きさを。統計的には、右に行くほど持続力に優れているタイプ。左に行くほど加速力に優れているタイプとなります。これらは完全には相反するものではありませんので、"1番右にいるから持久力特化だ!"と決めつけられるものではありません。あくまでも目安。統計・確率論的なもんです。

縦軸には前脚の捌き方などから見積もったパワー・スピードのタイプ分けを表しています。上に行くほどスピード優位(なことが多い)、下に行くほどパワー優位(なことが多い)。
持久力が求められるレース質になりやすく、ストライドの伸びる馬を狙っていきたいかなぁというような補助情報です。

結論:今回の注目馬

走法イチオシ馬
・ロバートソンキー

走法ピックアップ
・プリマヴィスタ
・ヤマニンゼスト
・ハヤヤッコ
・ヴェルトライゼンデ
穴ダンディズム

以上になります。
今後も、G2〜G3はこの形式での投稿を予定しております。今回は無料体験版ということでしたが、次回以降は従来通り、有料コンテンツになります。ご承知おきください。多少ボリュームダウンしておりますので、値段は100円記事にしても良いかなと思ってます。ボリュームと内容によりけり。

G1は今まで通りの全頭診断形式のつもりです。

ご意見・ご感想等ございましたら、気軽にあばたまでご連絡ください。

皆さんの予想にちょっとしたスパイスとしての走法理論を。結果だけ求める方には扱いづらいコンテンツかもしれませんが、読み物として、考える材料として… 予想を考えることで競馬を楽しめるようなコンテンツづくりを目指していきますので、今年も何卒よろしくお願いいたします。

あばた


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