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天皇賞(秋) 走法分析【無料公開】

どうも!あばたです。
先週の菊花賞は走法A評価の◎ヤマニンゼストは惜しくも6着。
的中を逃しました。しかしながら、同じくA評価としていたアスクビクターモアが勝ち切り!A評価の馬はやはりきちっと走ってきてくれています。

さて、今週は秋の天皇賞。
素晴らしいメンバーが揃いました。
いつものように走法をキチッと確認して、週末の熱いレースに備えましょう!

いつも多くの方に走法分析記事を読んでいただき本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今回は皆さまに、日頃の感謝をこめて全編無料公開とさせていただきます。長い記事になりますがぜひごゆっくりと見ていっていただければ幸いです。

なお、本記事は”印と見解”の発表はございません。
また、画面右下❤️マーク(スキ!ボタン)を押していただくと、アルテミスSの走法A評価の馬が見られます。ぜひ押していってください(´∀`)

アブレイズ

追走時の形は、そこそこ力感があって、ピッチが効くタイプ。やや早いペースをなんとなく追走している時の方がクビの振り方に安定感があり、顎が上がる悪癖がでづらい面がある。この点だけ考えれば、折り合って道中ゆったりとした追走になる中距離戦よりも、短縮になるマイルと言うのは合う可能性も。ただし、終いが弾けない。ジリジリとした感じの脚で、ストライドが伸びきらず掻き込みがやや強い走法。持久力的には十分だが終いはキレ負ける。ならば、スピードの要求値の下がる道悪なら…と考えたが、本馬は追ってからクビをぐっと下げて前脚にかなり体重を強くかける走法。1サイクル中の重心の移動がかなり大きいので、脚を取られる馬場ではバランスを取るのが難しい。本質的にはこのようなタイプは道悪を苦手とするタイプが多い。買い時としては、地面は乾いており、芝コンディションが悪く時計のかかる馬場での消耗戦想定か。

ヴィクトリアマイル記事より引用

追走は緩んでいるときよりも、ある程度スピードに乗せたときの方が身体の使い方が素直になり、全体的な連動性は確保できている。ただし、テンのスピードに乗せるまでの身体の使い方に難があり、掻き込みが強く姿勢の安定感に欠ける。終いもクビが下がり力が入るところは良いが、前脚に過度に体重が乗る分ストライドの伸びやかさに欠け、トップスピード不足。

評価 D

イクイノックス

何回も触れていることだが、キタサンブラック産駒の傾向を見ると捌きが硬めに出やすいがこの馬は別。非常に綺麗に伸びた柔らかい前脚の捌きとバネのような後肢の踏み込みとキックはこの産駒の悪い特徴に全く当てはまらない。
スピード一辺倒かと言うとそうではなく、見た目以上に前脚の踏み込みには十分な力強さがある。そのカラクリとしては以下のような形で現状理解をしている。
クビがやや高めで、身体の使い方としてはやや重心が後ろ側にある。後脚に力をかけてたっぷりとタメが効く形なので、トビが低めな割に、前脚の振り上げに高さが出る。そうなると、前脚が一見綺麗に伸びている形でも着地までの余裕があり、しっかりと地面を叩くことができる。(スローでコマ送りしてみると分かりやすい。)このような身体の使い方をできる馬は稀で、十分な筋力や骨格の強さなど馬体面での良さを活かした形だろう。
その他、手前変えやコーナリング所作から見ても距離が伸びることに対しての不安は少ない。強いて言うならば、このような前後の連動性が特殊なバランスで成り立っている分、やや"疲れやすい形"であるため、長い直線で高いレベルの脚比べをした際の最後の一押しが効くかどうか。ただし、この点では使い詰められていないと言うのは良いとは思う。

ダービー記事より引用

走法の形としてはやや特殊なバランスで成り立っており、少なくともキタサンブラック産駒の大多数の特徴とは合致していない。特別な馬。母系の方に入っているキングヘイローの血が柔軟性を担保し、硬く強く出やすいキタサンブラック産駒の走法特徴を上手くほぐしているのだと思われる。
身体全体をフルに使い、ダイナミックな形で全身運動を行う当馬にとって、現状のような間隔を十分に開けるローテーションは良く合っているのでは。
良馬場であればコースレイアウトを問わない万能型の走法ではあるが、しなやかさとビューティフルなストライド(ルメール談)を活かすには東京コースが最適解か。追走姿勢も難が無く、非常に安定した回転で走れるため、脚質にもこだわる必要が無いように見える。その反面、早めに蒸かしていくと終いのストライドは綺麗に伸びるがゆえに速度維持に適したフォームに寄りすぎている。グランアレグリアやアーモンドアイのようにどこまでも伸び続けるようなバランスではなく、柔軟性+ストライド+バネを活かした速度維持が持ち味。
焦点としては終いまで加速し続けるような極限のスピード勝負となるか、どれだけ失速しないようにするかの持続力勝負となるか。例年の傾向ではこのレースは後者。だとしたら状態面以外の要素で切ることは難しいのではないか。

評価 B

カデナ

南京錠。ダートによるトレーニングを積んで持続力がどうなったかは興味が湧くところ。どうしても後方になるのは道中の身体の使い方の問題で、前脚の踏み込みの強さが異常すぎる。もっと力まず走れないだろうか…
それでも身体の連動性が崩れずに、終始クビの使い方が安定しており、必ず終いの脚は使えるのは強み。こちらも踏み込みの強さからコーナーでの姿勢も安定しており、小回りは得意な部類になるが、速い時計への対応は酷に思える。馬場が悪くなった時に相手で。先週のハヤヤッコのイメージに引っ張られて手を出したくなる気持ちは分かるが、こちらはスピードに乗せようが走法自体は大きく変わらないので、同じようなイメージを持つのは危険。そもそも競馬場も違うし。

中京記念記事より

溜めて溜めて終いに脚を使う特化型。
パワー系ディープ産駒の特徴が強い走法で、力を入れて走った際には全体的に力感が強く、少し掻き込むくらいの前脚の捌きの強さを持っている。
ストライドの伸びに欠ける点と近走の走りの硬さから強調し辛い。

評価 D


カラテ

後肢の可動域が広く、クビが高めでトビの高さもあるストライド走法。この形でもそこそこの位置で追走できるのは強靭なバネと体幹から成せる強み。マイラーとしてはかなり異質な形で、一見1800m〜2000mがベストなように思える。しかしながら、踏み込みがかなり強く、お釣りの無いようなパワフルなフォームで身体全体を使うため、マイルが良いという判断になっているのだろう。
終いも一貫してストライド走法。ピッチが効くタイプでは無く、加速がスムーズではない。また、身体の使い方も大きいので、馬群を捌くのは非常に難しく、ある程度外目に持ち出す必要もある。この点を考慮すると、坂を登ってからの300mが勝負で、この時点である程度の位置につけておかないと他の馬も末脚は速い。少しこのメンバー相手の好走には、クリアすべき条件が多い

安田記念記事より

前走はようやく中距離路線へ舵を切り見事1着。
中距離に対応できるようなストライドとトビの高さがあり、特に驚くようなことではなかった。身体の使い方が大きく、重心の縦方向の移動がかなり大きい馬なので、この手のタイプは斤量泣きに注意したいが、本馬は特にそのような傾向はない。
クビがやや高めで脚捌きもかなり強めであるため、本質的には力の要る上がりのかかる馬場で真価を発揮するタイプにも見えるが、やはりG2~G3ではスピード能力も十分足りる。後脚のバネの強さや踏み込みの深さによるものが大きい。追走は問題なくこなしてくると思うが、アガリの速さで足りるかどうか。人気薄からとしては注目度は高い1頭。

評価 C


ジオグリフ

クビの使い方にやや難があり、前脚の捌きと後肢の動きを上手くまとめあげられていない。この動作のぎこちなさは特にスピードが緩んでいる際に顕著となる。そのため、一概に距離が延びた方が良いというタイプとも言い切れない。常時ある程度流れていた方がスムーズな形で全身を使えており、その点で2000mへの距離延長に少し不安がある。コーナリングについては特に問題ない。外を回しても身体が大きく振られることもなく、一定の安定感はある。共同通信杯の形を見る限り、加速が遅いという感じもなく、いわゆる瞬発力という点ではそこそこある方。流れに乗せて前目の外から進める方が現状のこの馬の良さは引き出せる可能性は高い。

皐月賞記事より

さて、結果はご存知の通り、中団で追走し、差し切る形が取れた。最後方からの追い込みの形よりも他馬と合わせて終始ある程度の力を入れながらの形の方がスムーズに身体が使えており、持ち味が活きると言うのは見解通り。またクビが高く状態がかなり起きているため、踏み込みにパワーがあり、コーナーで外目を力強く加速していけたのも大きい。
ペースが緩みトップスピードが求められる展開になった場合は、追走時の身体の使い方が課題となってくるが、前前走・前走としっかり身体を使っての追走を経験させられたことは大きく、さほど大きな不安要素にはならないのではないかと推測。馬券内の争いは出来ても良い。
不安があるとしたら、やはり終いもクビはやや高めで、トップスピードのキレ味という点で1着まではどうかと言うところ。コーナーから外目を加速して直線は勢いに乗ってストライドを伸ばして持続させるのが1番合う形だと考えられる。そう言った点では直線勝負のこの舞台はどうか。もちろんG2・G3ならば能力的に東京でも勝ち切っていい馬だが、G1しかもダービーとなれば話は別

ダービー記事より

能力は高く評価するが、コース適性に疑問。
大トビの馬すべてが大箱の長い直線向きかというとそうではない。この馬はストライドが大きい割にコーナリングで加速できるのが最大の武器で、直線に入ってからの加速という点ではG1のトップクラスの中に入れば並~上程度。
追走はある程度キチッと身体を使わせた方が走法のまとまりは良いし、トップスピードに至るまでの加速力は良いものがある。終いはキチッとストライドが伸びるが、トビの高さはそこそこあり、回転力(ピッチ速さ)が両立するようなタイプではない。本質的には先行馬と考えている。
締まった流れになりそうなこのレースでは序盤・中盤の適性としては合格点。ただし、終いのスピードはもう1段階の成長が必要となる。

評価 C


ジャックドール

連勝中の快速逃げ馬。ここでも実力は通用するか。ストライドは非常に大きく、前脚は綺麗に上がり力強い踏み込み。クビの位置や使い方も素晴らしく、前脚の踏み込みの時にしっかりと連動してきているため、全体のスムーズな運動を産んでいるように見える。狙いの走法にピタッと一致してきており、回転力とストライドから換算したスピード能力的にも、そのポテンシャルを疑う必要も無さそう。追走時のストライド・回転力も言うことがなく、同脚質のショウナンバルディ・レイパパレ・シフルマンなどとの位置取り争いがあったとしても一歩リードできるスピード能力。素直にこの馬から勝負したい。

金鯱賞記事より

素晴らしい大トビとバランスの取れた全体連動性。金鯱賞の分析記事の際にもベタ褒めし、中京2000mへのドンピシャの適性であることは触れたが、今回は阪神の2000m。こちらは前述したように、坂道を登りながら1コーナーへ差し掛かるレイアウトで、ストライドが伸びない硬い走法の馬が、機動力を活かしてちょこまかと立ち回りやすいコースである。陣営は逃げ宣言をしており、走法的には真逆のタイプのアフリカンゴールドも逃げにこだわるのが濃厚となると、一悶着ありそうだ。この馬はストライドや身体の使い方の割にはテンが早い方。しかしながら本気でアフリカンゴールドやレイパパレのようなピッチの効くタイプが競りかけてきた時にどのような選択を取るか。ハナを取り切れれば問題は無いが、その後にレイパパレがマークしてきた場合、様子見の前回とは異なり、今回は楽はさせてもらえない。(レイパパレ・エフフォーリア共にキャロットファームの馬だが、管理は天栄としがらきで分かれているので、お互いの露骨なアシストは無い。…はず)
また、これらの機動力のあるトリッキータイプの馬に主導権を奪われた場合、向正面〜4コーナーの間で脚の出し入れ(ペースの緩急)が発生する。この馬の身体の使い方的には一本調子で、徐々に加速していき、ストライドの惰性で終いをまとめるのが持ち味。対応できるかどうか。エフフォーリアに次ぐ人気を背負うと言うならば断然こちらの不安要素が強いと考える。

大阪杯記事より

【グラスワンダー ~ スクリーンヒーロー ~ モーリス】の走法特徴を素直に忠実に受け取った馬という印象で良い。ストライドは大きく伸び、前脚の上がり方は美しく、走法的には「走法党大興奮待ったなし」の馬。
この血統のラインの中で、この馬に至るまでにどのような部分が変わっていっているかというのがポイントになる。
本馬は後脚のバネがやや硬い印象で、トビがかなり前方向に向ききっている。強力な推進力によるスピードの持続力特化型。とにかく基礎スピードが高く、前々からワンペース気味に進めていってどこまで持つかというような形を作っていくのが得なタイプの走法。
脚の出し入れ、身体の強弱など細かいことを要求すべき馬ではない。
終いが失速するのは致し方ないところではあるが、この馬はストライドを伸ばし切った後の走法がとても美しく、その失速は最小限に抑えられるのもポイント。東京2000mに対する適性の懸念点はほぼ無い。

評価 A


シャフリヤール

とにかく走法にムダが無い。
追走時のムダな力感が無く羽が生えたようなソフトタッチで軽やかな形。回転は非常にスムーズでこれまた動作に引っ掛かりのない素晴らしいものを持っている。ストライドは中程度でも身体全体の使い方はしなやかで、加速力と持続力のバランスが整った馬。終いは回転力優位に加速して、スピードに乗った後はしなやかなストライドを活かす形。東京2000mはベスト条件に思える。(加速区間で登坂を挟み、その後数百mの維持区間に移行する高速馬場。)
これまでの負けは共同通信杯・神戸新聞杯・ジャパンカップ・英プリンスオブウェールズの4戦。
共同通信杯の頃は身体の使い方がやや硬く、伸びやかさに欠ける印象もあったがその後に走法良化しており、参考外。
神戸新聞杯やプリンスオブウェールズのような渋った馬場や力のかかる良芝では良さは出ないし、ジャパンカップは距離が少し長いのに加えて、負けた相手がコントレイルならば致し方なし。
状態面で問題が無ければ最有力候補と見ている。

評価 A

ダノンベルーガ

クビはほんの少し高めだが全く気にならない範囲で、前脚の捌きは非常にパワフル。かつ後脚もタメが効いて強い踏み込み。追走時の身体の使い方も変な癖もなく上等で特に気になる点もない。
走法面から特に口を出すこともない形で、これと言った欠点の見当たらない形。高く評価します。右手前の方が状態がしっかり起きてストライドも伸びる点も考えればこのコースに対する適性も申し分なく、順当に勝ち負けできそう。これだけダイナミックな形だと、回転力的に不足してくる馬が多いが、この馬は追ってからはトビの遊びが少なく、スムーズにスピードが上がってくる。おそらくスピード的にも最もキレるのではないか。

ダービー記事より

世代戦では上等な評価をし続けていたが、この馬が古馬混合戦に向かうにおいて1つ不安な点がある。それは追走時にスピードに乗せた際にかなり一生懸命走ってしまう節があり、踏み込みがやや強い点。緩む区間が出やすい世代限定戦ならば目を瞑れていたが、このレースは特にこの点が気がかり。
また、1週前追切では逆手前でコーナーを回ったり、左右のブレの大きい走りだったりと少し不安要素が多い。
ポテンシャルはイクイノックスと遜色ないと思っているが、上記ポイントを踏まえて評価は割り引いておく。

評価 B


ノースブリッジ

クビがやや高く、ほとんど動かさない感じで躍動感に欠ける面があるが、脚捌きに一貫した安定性があり、踏み込みも力強い。スピードに乗る前も乗った後もずっと同じような姿勢で走り、背中の動きや重心移動が極めて小さい。この形にしてはかなりのスピード能力があるのは面白いところ。
馬場が渋った場合、かなり高い評価をすべき道悪巧者の走法。

毎日王冠より

基本的には省エネルギーで躍動感に欠けるが、追走時の形は一つ評価はできる。ややワンペースで終いのスピードに劣るところがあるので、G1の舞台でどこまでやれるか。今回のレースが道悪開催だったら、この馬やポタジェなど、道悪で生きてくる走法の人気薄の馬が居たのだが・・・
現状は武器に欠けるため、このメンバーの中で高い評価はできない。

評価 D

バビット

前走は久々のレースで4着好走となった。もともとはあまりクビが使えなくて動作の硬さが目立ち、脚力にたよった走りが目立っていた。前走のイメージではだいぶ変わってきており、クビが少し下がり、大きく使うことによって、前脚は力強く踏み込み、身体全体を連動させて上手く走ることができるようになっていた。
どちらかというとパワー寄りでワンペースなところがあるため、府中の高速馬場でパンサラッサの逃げのペースを追っかけていくとかなり厳しいところはある。ただ、今までの感じよりは幾分良くなっているところも認めなくてはならないか。個人的には中山外回りで狙いたい。

評価 D


パンサラッサ

評価の大枠自体は変わらず、ぶっ放し逃げで味の出るタイプ。おそらく常識的な範囲での逃げや、好位先行では終いのスピードが足りないため、展開を作っていきながらどこかの区間で一息つく形がベストとなる。基礎スピードのない馬はこの馬の作るペースによって振り落とされる。また、この馬が逃げ勝った時は小回り・直線の短いコースでは大トビの馬が上位に来ており、走法適性の逆転現象が起こるのも見逃せないところ。サンプル数は少ないが、考えてみる価値はあるだろう。(面白いので)
とは言え、これは簡単なことで、小回りでこの馬を捕まえにいくならば、間違いなくコーナーから脚を使いっぱなしになるロングスパート戦にならざるを得ない。そうなればコーナリングに難がない大トビの馬が相対的に浮上してくる。ただそれだけのことだと思う。
逆にいうと、コーナーで捕まってしまったらこの馬の残り目自体は薄い。基礎スピードのレベルがぶっ飛んでいて、ピッチが効く機動力のあるタイプのタイトルホルダーが天敵になるのはこれもまた当然なところ。今回はどうかというと、マイル路線でスピードが全然足りているソダシという先行馬がおり、ぶっ飛ばして逃げればこの馬に火がついてしまい早めに来られることは想像に難くない。また、ジャックドールと言う快速の逃げ馬がおり、こちらはおそらく控えてくるだろうが簡単に逃がしてくれるような馬ではない。(ただ、指示するのは鞍上なんですがね。。)
また、同じ厩舎とは言え、ユニコーンライオンと言う走法の綺麗なこれまた先行馬がおり、復調していればこちらもコーナーに難がなくストライドも綺麗に伸びてくるので、札幌では非常に怖い存在。ただ、それぞれタイトルホルダー級と言うわけではないので、うまく立ち回れば馬券内はあっても良いのでは。相当な数の馬を篩い落とすことができる逃げは大きな武器であり、ここでも見せ場はあっても良い。そもそも走法自体はグリップ力が高く、踏み込みが強いので洋芝に合っているし、軽視はできない。

札幌記念記事より

踏み込みがしっかりとしており、ストライドがあまり伸びない立ち回り後者の印象。近走は道中の荒々しさが鳴りを潜めており、良さを出し切れていない部分もあるか。札幌記念は適性的にかなりベスト条件に近しいと感じていたので、ここでジャックドールに負けたというのは不満も、やはり"意識させられる逃げ馬"というだけでも価値がある。
背中の動きと身体全体の連動性の硬さを感じる部分から、斤量58kgというのは相対的にきつくなる条件にも思える。Bコース替わり+スピードの出る良馬場というのはプラスに働きそうだが、ジャックドール・バビットの存在だったり、長い直線だったりという要素はマイナス。ストライドの伸びに欠けるところからも2ターンの小回りが良い。

評価 C

ポタジェ

無視はできないが強調もできない。やはり走法的にはレベルが高くまとまっているが、弾けるようなバネや躍動感とまでは感じられず、バランスで勝負している形。大崩れは考えづらいが、大ハマりも考えづらい。コーナリングは右回りの方がややスムーズかつクビの位置も綺麗に決まるし、地力勝負の大箱よりはこの阪神2000mのレイアウトの方が良い。バランスの良い形で、馬場状況の影響を受けにくいため、雨で渋った方が相対的に条件は良いのではないか。

大阪杯記事より

。走法的には豪快なストライドの大きさや鋭いピッチの速さがあるわけではなく、高次元でバランスが取れた総合力が武器。これまですべて80点の馬版カローラと称していたが、流石にG1馬になったらそうは言えない…笑
末脚やコーナリングでのフットワークを見てもやはり圧倒的な凄みがあるわけではなく、そのあたりの本質は変わっていないためうまく立ち回ってどうかという馬。大外枠じゃなければ良いが…。
(この文書いた後に枠順確定。大外枠。)

宝塚記念記事より

総合力の馬。
相対的に、ストライドはやや伸び足りず、運動の噛み合い方・しなやかさといった視点から見ると1.5流といった印象。ところどころの動作に硬さが見えるのと、後脚の踏み込みかたや前脚の捌き方はバランスが取れている反面、傑出しているわけではなく、東京コースで求められる適性からはややずれている印象は否めない。脚比べになると上位評価の馬とはちょっと差があるように思える。

評価 C

マリアエレーナ

クビはやや低めながらも姿勢は過度に前傾せず、掻きこむ傾向もあまりない。この低いクビだが、非常に良く動いており、身体の運動を上手くまとめ上げているように見えるため、おそらく低くても特に問題点は無く、馬の個性の範囲でバランスが取れているものだと考えられるか。
大トビながらもコーナリングの際に脚が流れたり、膨らんだりということもあまり無く、無難にこなせる点は長所か。
左回りの方に良績がやや偏っているが、右手前の際に少し左右の踏み込みにムラがあり、モタれる傾向があるように見える。

マーメイドS記事より

前々から走法を高く評価していた馬で、この舞台にたどり着いたことhなんとも感慨深い。やっぱり走法のいい馬はちゃんと走ってくれるんだ!というのを再確認させてもらった。
さて、本馬は馬格の割にはストライドが綺麗に伸びて身体を目いっぱい使うタイプ。走らせてみると小柄なのがわからないくらいの印象を受ける。
踏み込みにムダな力みが無く軽やかで、しっかりとした基礎スピードがあるし、追走時の走法に難が無いのがストロングポイント。クロフネ産駒ながらダートは全く走らなそうな軽い脚捌きとフワッとしたトビからも、速い馬場に対しての適性は高いように見える。あとは能力的に割って入る余地があるかどうかだが、走法の適性から考えるとかなり向いている一頭になると思う。

評価 B

ユーバーレーベン

大トビでパワフルな形の馬。オークスで本命指名した馬で、非常に長く良い脚を使う。
ただ、右回りだと最後の左手前で少し掻き込みが強くなりトビの高さが出ないのが気になっていて、この辺りは成長と共に変わってきても良いかと思っていたがなかなか変化がない。少し寂しいところ。また、右手前はパワフルで大味なので、コーナリングが少し雑で、状態が過度に立つ部分もある。
本調子で出てきたとしても、今回メンバーの中に入るとこのコースで買いたいと思わせる要素はちょっと一押し足りないか。

札幌記念記事より

待望の左回りかつ前目が引っ張るロングスパート戦となるが、東京の2000mだと少し短いか。もっとタフなレース質の方が良いような持続力の走法。少し硬めのクッションと連動性で、追走時の融通の利かなさがあるため、やはり後方からになってしまいそうだし、トップスピードで言うと極上の切れ味があるような軽いフットワークではない。ストライドは伸びるが1歩1歩がやや重めの踏み込みな分、切れ味はさほどない。

評価 C

レッドガラン

非常にバランスの取れた走法をしており、追走のフットワークが整っている。クビの使い方に難が無く、踏み込みも適度な力で全体のバランスが取れている。基本的にはピッチの加減で脚の出し入れをしており、ストライドが大きく伸びるタイプではないため、長く脚を使うよりは内内で立ち回ってスッと抜け出していく形が良いと思う。終いのクビの使い方は小さめで踏み込みにパワーをあまり感じないところがあり、タフな馬場・タフな展開で持続力を求められた時には少し厳しいところを感じる。レース質自体は合う部分もあるが、洋芝についてはそれほど合うようには思えないところ。

札幌記念記事より

整ったバランスの走法。ポタジェよりもややスピード質寄りの脚捌きで、なかなかの素直なフットワークではあるが、やはり少しずつ物足りなさを感じるところ。
東京のG1でなんらか風穴を開けるならばもう少しストライドの伸びやかさだったり、キレる回転力が欲しい。

評価 C

評価まとめ

A ジャックドール シャフリヤール

B イクイノックス ダノンベルーガ
  マリアエレーナ

C ジオグリフ カラテ ユーバーレーベン
  ポタジェ パンサラッサ レッドガラン

D カデナ アブレイズ ノースブリッジ
  バビット

E

※週中のツイートにて発表したものは機械学習による概算です。
 こちらを私の本評価とします。

走法適性表

表中赤い部分は東京2000mで好走率の高い走法ゾーンです。逆に青い部分は好走率の低いゾーンです。素直にストライド・スピード優位なコースと言えます。



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