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大石泉ちゃんのゲームプラン

 大石泉の振る舞いの形について少し考えてみようと思います。カードゲームになぞらえて、泉が常に気をつけていることを「手札にあるカード」、そうでない物事を「外部にあるカード」として見ていきます。

・泉の手札にある主なカード
 
大石泉が重要視しているのは共同体の和を保つことだと感じます。そもそも泉がアイドルになった際には友達(亜子・さくら)の存在が影響を与えていますし、アイドルとしてデビューしてからも仲間たちとコミュニケーションをとっている姿がたびたび描かれます。みんなと仲良く過ごしたい、というのが泉の考えであり、それを推進していくための手札を泉は集めています。「みんながいると面白い」「頼りになる人や優しい友達がいる。だから頑張れる」などの発言から見ても、常に手札にキープしておきたいカードは周囲の仲間と上手くやっていくのを助けるカードです。
 逆に言えば、みんなと仲良しでなくなることを泉は恐れます。一歩下がったところに立って、声をかけたり手伝ったり、誰かをサポートするカードが泉にとって有効な振る舞いとなるカードなのでしょう。

・泉の外部にあるカード
 反対に、泉が自身の手札にないときに外部から持ってこなければならないカードはどんなものでしょうか。
 例えば泉は身体を動かすことを苦手としていました。言い換えれば「運動する」というカードは常に持っているのではなく必要とされる状況でしか使わないカードなようです。
 また、泉はファッションや小説、ゲーム、アニメ、漫画、映画、乗り物などに対して詳しい様子をあまり見せません。そうしたオタク的なものごとは泉の手札には少なく、外側からカードを引いてこなければなりません。
 人前に立つのがあまり好きではない、という泉の発言もあります。人前でなにかをする際に有効なカードを多く集めてこなかったのでしょう。
 こうして見ると泉が握っている手札に対して外部から持ってこなければならないカードもそれなりに多く見えてきます。

・手札を増やしていく泉
 そして泉がアイドル活動に励むほど外部にあるカードを引くエネルギーが必要になってきます。アイドルが人前に立つのは当たり前ですし、ダンスを筆頭に、運動能力も鍛えていかねばなりません。アドリブでライブを切り抜けることもありました。知識を集めることやファンがどう泉を見ているかについて考えることも大切です。足りない部分を埋めるため、シンデレラガールズ関連のゲームが進行するにつれて泉は自分の外側の世界からカードを拾って成長していきます。

・プロデューサーの役割
 
大石泉と共にアイドル界隈を泳いでいくのがプロデューサーです。プロデューサーは泉に仕事を供給し、泉はそこからなにかを学んだり、視野を広げていきます。言い方を変えると、プロデューサーはカードの入ったパックを泉に渡しているわけです。泉は自分の外側からもたらされたパックを開封し、出てきたカードを自分の中に取り入れたり、参考にしたりします。それは泉が未知なる世界を開拓する手段でもあります。泉が「こんなに夢中になれる場所へ連れてきてくれて、ありがとう」とプロデューサーに言うのは、新しいカードがどんどん出てきて、それを収集していくのが夢中になるほど楽しいからでしょう。

・まとめ
 
泉の手札にあるのは友達と仲良くすることを補強するカードでした。共同体の中で助け合いをするのが泉にとって心地よい形の振る舞いなのでしょう。反面、個人として見たときには強力なスキル的なカードを大量には持てず、努力して外部から新しいカードを獲得しているようにも感じられます。
 一方でプロデューサーは泉の手札と外部のカードの中間にいて、泉を観察しつつ新たなるスキルや考え方のヒントを与えていきます。泉が個人として、独力で外部の世界に飛びこんだとき、それが泉が「大人」になるときです。プロデューサーはその手伝いをしているのです。

 今後、泉はどんなカードを与えられ、どのようなプランを練ってカードを切っていくか? もしくは自分で強いカードを精製することができるか? 大石泉の未来を見続けたいと思います。

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