広島湾岸トレイル2022 レースの記録
2023年9月24日〜25日に行われた広島湾岸トレイル2022
レース当日の記録
レース概要
開催日:2022年9月24日(土)~25日(日)
距離:108km(実測 108.8km)
累積標高:6,900m(実測6,823m)
オフロード:体感60%~65%くらい
制限時間:34時間
参加費:33,000円
定員:1,000名
ポイント:ITRA5ポイント
参加資格:過去4年間(2018年9月~2022年8月)で50㎞以上のトレイルランレースを完走していること
会場
中央公園基町環境護岸
〒730-0011 広島県広島市中区基町15
サンフレッチェ広島の建設中のスタジアム横
レースタイムテーブル
9月23日(金・祝)
13:00~18:00:前日受付・必携品チェック・ドロップバック預かり
9月24日(土)
4:00:開場 ドロップバック預かり、荷物預かり
5:30:スタートセレモニー
6:00:競技スタート(第1ウェーブスタート)
6:10:競技スタート(第2ウェーブスタート)
9月25日(日)
16:10:制限時間(34時間)
目標と結果
【目標】
1.20時間以内の完走
2.上位10%以内
【結果】
1.18時間27分
2.上位5%(24位/469人中)
よかった点
1. 上りはファストハイク、平坦な場所と下りは全て走りきることができた。
2. エイドワークがうまくいった
3. レースに向けた練習内容が間違っていないことがわかった
次回に向けた課題
1. 補給が足りず80km過ぎに失速した
次回はカロリー計算して定期的に補給を行う必要がある
2. B ウェーブからのスタートになってしまい、渋滞に巻き込まれ余計な力を使った
次回は早いウェーブからスタートする
3. 夜間に汗冷えを感じた
スピードを維持できたので耐えられたが、余裕があれば着替えた方がよかった
スタート〜A1上温品北運動広場まで
前日は21時過ぎに就寝し、3時40分に起床。
朝ごはんにおにぎり2個と味噌汁を食べてから準備。
曇りの予報だが、日差しがある可能性があるので日焼け止めを多めに塗り込む。
実際、レース中は日差しが強かったので塗っておいてよかった。日焼けをするだけでも体力を消費するらしい。
日焼け止めの後にはワセリン。長丁場のレースなので脇と股と腰と首回りに入念に塗り込む。
レース後に確認すると多少擦れてしまっていたが、問題ないレベルだった。
最後に膝にテーピングを貼り着替えて準備完了。
スタート会場に向かう。
スタートの1時間前に会場入り。ドロップバッグを預けた後すぐにトイレに向かう。
トイレは男性用4個と女性用2個。スタート1時間前は混んでいなかったが、すぐに長蛇の列ができた。トイレ待ちでスタートに間に合わなかった人もいたので、早めに済ませておいてよかった。そもそも、人数に対してトイレが少なすぎたと思う。
その後は、お祭りみたいな雰囲気の中、チームメイトと談笑しながら過ごす。
適度な緊張感を持ちながらも、リラックスして過ごせたのは良かった。
そうこうしていたら、あっという間にスタート時間に。
人数が多いためウェーブスタート。
Aグループが6:00、自分はBグループで6:10にスタート。
エントリー時より走力がついていたのでAグループが良かったが仕方ない。
開始直後に凄い勢いで走り出した方がおり、それに続く2 位集団として4人の塊で走る。(この凄い勢いでスタートした方が1位だった)
最初は約6kmのロード。気持ちの良い速度で走ったら5:00/kmだった。
心拍も150くらいに抑えられ調子がいいことがわかる。
まだまだレース序盤なので体力温存のために先頭を走る方の後ろにつかせてもらうが、ペースのブレが大きい。
とはいえ先頭に出るのも嫌だなと思っていたら、別の方が前に出てくれた。
しかしその方もオーバーペースだったらしく、1kmもしないうちに失速。
仕方なく前に出て走っていると、トレイルに入る直前くらいでAグループの最後尾に追いつく。
渋滞に巻き込まれると自分のペースで走れず余計な体力を使ってしまうので、出来るだけ前に出ようと試みるが人が多くてうまくいかない。
トレイルに入ると、Aグループ集団の渋滞ができていた。道幅も狭く簡単に追い越せない。
前半突っ込みすぎない為と割り切るが、速度が合わずに苦労した。
この渋滞は結局20km地点くらいまで続き、気持ちの良いペースで走ることができなかった。
A1(1つ目のエイド)ではアクエリアスとバナナをいただく。
麦茶がなかったのでアクエリアスと残った麦茶の組み合わせで出発。
このときは順位を全く気にしていなかった。
A3上深川まで
エイド1を出た後も渋滞に悩まされる。
ロードの区間でなんとか追い越していくが、トレイルに入ると渋滞に巻き込まれてしまう。
自分のペースで走れないと余計に体力を使ってしまう気がしたので、トレイルでも可能な限り追い越すように努力した。
A2で順位を確認すると80位〜100位の間と言われる
(レース後に速報サイトで確認すると46位だった。これはBグループでスタートしたことが理由と思われる。)
ある程度気持ちよく走れるようになったタイミングで周りを見渡すと、自分と同じBグループの方を見つける。
速度も同じくらいなので、話しながら進む。
トレイルの100kmのレースはこれが初めてらしい。
初めてのレースが彩の国だった自分が言うのもなんだが、もっと走りやすいレースを選べばいいのに…と思ってしまった。
ペースや持ち物の話をしながら走るが、とにかく速い。
登山をきっかけにトレランを始めたらしいが、そのせいか登りが強く何度も置いていかれそうになる。
今回のレースでは20時間切り、上位10%を目標にしていることを話すと、「自分は順位を気にしない。一緒に走る人がいる方がいい。」と、同じペースで走ってもらえた。
ロングレースはずっと集中できるわけではないので、話し相手がいるのはとてもありがたかった。
A5中倉峠まで
A3を超えてからはより一層自分のペースで走りやすくなった。
ロードを抜けて木ノ宗山へ。ここの登りがきつかった。斜度もきつく、それがずっと続く。
周りに数人いたが、ランニングの姿勢と自分のペースを保つことを意識する。ここでも5人ほどかわして下りに入る。
登りと下りは使う筋肉も違うので、力を使わないことを意識しながら下っていく。
オーバーペースかと思うくらいのスピードを出せたが、力を使わずに走れていたので、行けるところまで行ってみる作戦に。
最終的に下りの足を残したまま最後まで走り切ることができた。
一緒に走っていた方と別れ1人になってからは、心拍と足の調子を確認しながら進む。
ウォーターエイドではアクエリアスを補充し、約8kmの長いロードのくだりへ。
足を残しながら進むために、筋肉を使わないことを意識しながら気持ちよく走れた。
A4に着き順位を確認すると32位と教えてもらう。
気づいたら上位10%以内のゾーンを走っていた。
20時間切りを目標に立てたタイムテーブルとも誤差5分以内で走れていたので、この調子でどこまで走れるか試してみることに。
うまくいけば目標を上回れるかもしれないと考え始める。
エイドを出て少しトレイルに入り、抜けるとまたロード。
このあたりから前後に人がいなくなり始めた。
備前坊山の入り口から登りになるが、半分くらいロードだった。
バテてペースダウンしている方が何人かいた。峠をひたすら登らされ、ダラダラ登りたくなる気持ちが痛いほどわかったが、引っ張られないようにできるだけ早く抜くようにした。
A5に着き水分補給と食料を手早く食べ、すぐに出発。
A7柳瀬キャンプ場まで
A6まではガレた林道の下りがメイン。
自分の得意なコースでもあるので、捻挫しないように集中しながらスピードを出していく。
下り基調かつ6kmしかない区間だったのであっという間にエイドに着いた。
A6からA7までは里山を2つ超える。
1つ目の里山は階段がメインの得意なコース。
前後に人もおらず、気持ちいいペースで進む。
2つ目の里山の手前のロードで2人組に追いつく。
最終的にこの方達と前後しながらゴールした。
このあたりで応援にいたお爺さん達にトップと2時間差であることを教えてもらう。もちろん、なんの感情も湧かない。
2つ目の里山は階段がなく傾斜のきつい里山。(螺山)
疲労を感じ始めるが、A7のドロップバッグを楽しみに足を進める。(特別なものが入っているわけではないが)
前後に人がいないこともあり、自分のペースが速いのか遅いのかもわからない。
ペースダウンしていないことを信じながら足をすすめた。
A7柳瀬キャンプ場に到着。
このエイドではドロップバッグを受け取ることができる。
ここで目標にしていたチームメイトに追いついた。
スタート時間の違いで10分の余裕があるので、もしかしたら勝てるのでは…?という考えがよぎり、焦って支度をする。
夜間に入るのでヘッドライトとウエストライトを装着し、エイドで提供されているうどんをいただく。
しかし、他のエイドより時間を使いすぎたことで焦ってしまい、ドロップバッグの入れ替えを忘れてスタートする痛恨のミス。
といっても、欲しかったものはそんなになかったので気持ちを切り替えて走る。
A9鹿谷ふれあい広場まで
エイドを出てから体感で約3kmくらいロードを走り、後半の山場 阿武山へ。
18時をすぎていたのでヘッドライトとウエストライトをつけるが、急登かつ道が見えづらいためペースが上がらない。
岩場の急登も初体験だったので正しい道がわからずに右往左往してしまった。
挙句の果てに、途中にいたマーシャルの方に心配される始末。
体力も気力も充分にあるのに、ペースを上げることができず歯がゆい気持ちだった。
ヘッドライトをつけて走る練習が足りないと感じた。
早々にチームメイトに追いつけないことを悟り、自分のペースで進もうと決める。
阿武山の岩場では明らかにペースが落ちていたので順位を落とすかな?と思っていたが、他の選手も同様にペースが落ちているらしく抜くことも抜かされることもなかった。
その後も急登があったが久しぶりのナイトトレイルでテンションが上がっていたこともあり、楽しく進むことができた。
ただやはり疲れが出てきていたので、休憩がてら阿武山山頂にいたボランティアの方と少しお話をして、夜景を撮影。
今回のレースは写真を撮る余裕がなかったが、景色の良い場所が多かった。
タイムを狙わないのであれば、景色を楽しみながら走るのが正解のレースだと思う。
阿武山を降りるとA8へ。
ここでは美味しそうなご飯が並んでいた。夕飯の時間帯で魅力的だったが、順位を落としたくなく、バナナだけ食べて先に進む。
このあたりになると他の選手の足の残り具合に差が出始める。
登りが元気な選手や下りが元気な選手。
自分は下りが元気で最後まで足が動いてくれた。
登りより下りの方が差が出やすいので、有利にはたらいた。
阿武山を抜け、近くにいた4人の集団で進むが、先頭を走っていたら1kmくらいロストしてしまった。
分岐になっても目印がないし、待っても誰も来ない。
仕方なく戻るが、夜のトレイルは道が分かりづらい。夜の暗さもあり、来た道がわからなくなり途方に暮れる。
知らない山でのロストがこんなにも怖いものだとは思わなかった。
コースに戻り進み始めるが、ロストが怖くてペースが上がらない。
さらに目印を入念に確認するため、コースを引き返したりしながら進む。
A9に着くが、ロストの分を取り戻すためここでも水分補給とバナナだけ食べて出発。明らかにカロリーが不足していたが、気力が充分にあったせいか足が止まることはなかった。
ゴールまで
A9を出ても最後の最後まで細かいアップダウンが続く。1番最後には階段の急登。
ここで少し心が折れて、足が止まってしまった。というよりエネルギーが枯渇していることを感じた。
ただ、ここまで来たのだから順位を落としたくない一心で進み続ける。
体の使い方を考え、ダラダラ登らずにテンポ良く登ることを意識する。
急登が終わった後は気持ちよく下ってA10竜王公園へ。
ここではフルーツポンチをいただき、残り10km河川敷を走る。
トレランのレースでなんでこんなに平坦な道を走らせるんだろう?と思わせるほど長い長い河川敷をひたすら走る。
ペースが全然上がらず、6:30/kmでひた走る。足が終わっていたわけではないので、補給がうまくいっていればもっと速く走れたかもしれない。
真後ろには招待選手がいたので、なんとか勝ちたいと思い、気力を振り絞り走り続ける。
そしてチームメイトが出迎えてくれてフィニッシュ。
ゴール会場はとても静かで、走っている最中はゴールが近づいている気配がなかった。
後で聞いた話だが、夜間は近隣に配慮していたらしい。
都市型レースの運命かもしれないが、奥宮さんもおらず寂しいゴールだった。
チームメイトが待っていてくれて本当によかった。
結果
18時間27分19秒
24/469位、上位5%でゴール
目標だった20時間切り、上位10%以内を上回る結果で走り切ることができた。
こんなに達成感のあるレースは初めてだった。
人生で2回目の100kmレースだったが、このレースに向けてトレーニングを積み、体調を整えてレースに臨んだ。
勝負したいターゲットレースは準備を整え、体調万全で挑む方が楽しいと実感できたレースだった。
2022年年内のレースはこれで最後になると思うが、2023年のレースもトレーニングを積み、目標を持って望みたい。
レースの概要と装備の記録はこちら
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