そろばん教室が提供できるものは大きく分けて2種類です
ピアノ教室ならピアノの弾き方、水泳教室なら泳ぎ方、そしてそろばん教室ならそろばん指導が教室で提供するものですね。
そろばん指導はそろばん教室の提供できるものの50%であると考えています。
じゃあ、残りの50%は何か。
それはそろばんをしたくなるという「環境」提供です。
全員が全員そろばん教室に来たら、そろばんをしたくなるわけではありませんが(汗)、基本的にそろばん教室に来るとそろばんをするもの、という認識ですべての生徒さんは教室にいます。
なので、その空間では「そろばんや暗算ができる子が『かっこいい』『すごい』とされる」ということになります。初歩教材をしている子は、早くこの初歩の本を終わらしたい、と思っていますし、段位のお兄さんお姉さんを見て、すごい人たちがいるんだ、となんとなく思っています。読み上げ算をすると、こんな問題をすらすらと解ける人がいるんだと憧れのまなざしで見ますし、後から来た生徒がぐんぐん追いついてきたら焦りもしますし、似たような世代の子で似たような級の生徒はライバル心も燃やします。
これがそろばん教室が提供できる『環境』です。そろばんの級や大会という共通の各生徒のレベルがわかる状況でやりたくなる環境というのを提供できるのが「家庭学習だけでそろばんを練習をすること」との大きな違いだと感じています。
一人で黙々と頑張っていても、「どれくらいすごいのか」周りとの比較無しに自分の成長を感じることは少ないと思います。
負けたくない、追いつきたい、そんな競争心はそろばん上達に欠かせないものです。極端にあおる必要はありませんが、良い意味で切磋琢磨できる環境を整えることが教室運営では大事だと考えています。
そろばんの具体的な指導はその日のうちにその生徒に変化をもたらすこともあります。具体的には解けなかった割り算が教えてもらって解けるようになるとか、間違って覚えていた解き方が見つかり、正しく解けるようになったとか。
逆に環境の変化はすぐには表れません。講師の声掛けやシステム、教育方針、指導内容など複合的なことで徐々に数か月、数年後に「教室の雰囲気がよくなってきている」とわかるようなものでもあります。
わかりやすい「指導」は当然心がけていますが、「環境」を少しでもより良い状態にしていきたいと思って運営しています。
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