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憧れのアーティストに会えた話 〜LUNA SEA編④〜

まさかの偶然で例のバンド、REDЯUMがすぐそこにいる事実に動揺していると、店員さんが紹介しましょうかと言ってくれた。

ただのLUNA SEAファンのギターキッズ、緊張しながらも握手ぐらいしてもらえるかもと店員さんにお願いした。

店員さん「曲聴いたことあります?」
俺「ないです」
店員さん「デモテープあるんでかけますよ」
俺「お願いします!」
店員さん「あと5分ぐらいでメンバー出てきちゃうけど1曲ぐらい聴けるでしょ」

そうしてスタジオのロビーでREDЯUMのデモテープを流してくれた
REDЯUMのギタリストTSUYOSHIさんが、たまたま遭遇したSUGIZOさんに渡してプロデュースしてもらうきっかけとなったデモテープだ。

曲は"ROOM"というミディアムテンポかつダウナーで不思議な空気感、そこに精霊のような透明感のある歌が乗った曲、俺は初めて聴く曲調に口をあんぐりさせながらも、必死に理解しようと集中して聴いた。

そして、デモテープがリピートで流れている中、メンバーが出てきた。

店員さんが早速紹介してくれた
「LUNA SEAのSUGIZOさんのファンで、REDЯUMさんのこと知ってて、、」と顛末を話してくれて

そしてメンバーと握手してもらった。

さらに、たまたまその後スタジオで打ち合わせをするらしく、レーベルの方がきた。そう、SUGIZO個人レーベルEMBRYOのスタッフだ。

メンバーのKAZIさんが俺に対し、

「SUGIZOさんが好きなんでしょ?外にいるタケシに言ったら会わせてくれるかもよ(笑)」

と冗談半分に言った。
KAZIさんからすれば先ほど握手を求められはしたが、REDЯUMを好きというよりSUGIZOさんが好きなんでしょ、という感じだったに違いないし、事実そうだった。その時は。

そして、REDЯUMが打ち合わせをしている間、意を結し、外で待機していたタケシと呼ばれるSUGIZOさんのスタッフさんへ話しかけてみた。

LUNA SEAを、SUGIZOさんを、これこれこうで好きで、そして同じギタリストとして会って話しをしてみたいんですよと。

あの日感じた純粋な思いをそのまま伝えた。

するとタケシさんはこう言った

「会わせるのは簡単やで。、、」

!!!

「・・・でもそういった会いたい奴は山ほどぎょーさんおるし、SUGIZOからすれば君もそんな中のただの1人のファンでしかないわな、アーティストとファンという立場やったらぜんぜん話しにならん思うで」と。

そして、

「それやったらこのREDЯUMのボウヤ(ローディー・スタッフ)でもやったら?身内になって、身分身元がはっきりしてる奴やったら話も変わってくるんちゃう?」
「バンドもこれから忙しくなって裏方欲しいところやし」

と言われた。

ごもっともであり、そして数分前までは予想もしていなかった選択を迫られた。

ローディー?スタッフ?俺が??

Xには東京ヤンキースなどのメンバーがローディーとして付いていたとか、LUNA SEAにもSIAM SHADEが付いてたとかローディーと呼ばれる後輩ミュージシャンなどのスタッフの存在は知っていたが、自分なんかには別世界のことであり、右も左もわからない未知の領域だった。

そんな自分を見て察したのかタケシさんが

「ローディーいうても昔みたいな縦社会・体育会系のきついもんちゃうで、REDЯUMのメンバーもそんなんとはちゃう感じやし、優しいやろからな」

数十秒だか数分だったかわからない、俺は覚悟を決め、打ち合わせを終えたメンバーに再び話しかけた

「ローディーやらしてください」

つづく


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